クラウド会計を利用するメリット、デメリットは何でしょうか。
ネットバンクと連携することで、自動的に会計処理を進めてくれます。スマホやタブレットがあれば外出先でも利用できるだけでなく、レシートをスキャンして、会計データを自動で作れます。
一方で、画面の切り替え時に時間がかかる点や、セキュリティのリスクがある点は注意が必要です。そこで、クラウド会計を利用する前に知っておきたいポイントをまとめました。
本記事は、今人気のクラウド会計を利用するメリットとデメリットをご紹介します。
【参考文献】 ベテラン税理士だけが知っている 自動経理の成功パターン
堂上 孝生 (著) 2017年
1. クラウド会計のメリット
クラウド会計ソフトのメリットは4点あります。
- 自動的に会計処理が行われる
- スマートフォン、タブレットなど様々な機器から利用できる
- システムの導入コストを削減できる
- システムのアップデート作業がラクになる
それぞれ詳細をご紹介します。
1.1 自動化
クラウド会計ソフトは、銀行やクレジットカード、Amaoznや楽天などから取引情報を取得し、自動で会計データを作れます。会計データを入力する手間が減るため、作業が圧倒的に減ります。
◆ クラウド会計ソフト(MFクラウド会計)の自動仕訳画面
◆ クラウド会計ソフト(freee)の自動仕訳画面
【参考記事】 ・ 個人事業主におすすめの会計ソフト3選!機能、使いやすさ、料金で比較!
・ MFクラウド確定申告の使い勝手と評判!【2018年】
1.2 スマートフォン、タブレット
これまでの会計ソフトはインストールしたパソコンでしか使えませんでした。一方、クラウド会計は、パソコンだけでなく、タブレットやスマートフォンからも使うことができます。
また、Windowsだけでなく、Macでも使うことができます。
そのため、忙しいビジネスマンにとって、例えば外出先の空き時間にスマートフォンから作業をできます。さらに、税理士事務所からも直接会計データを見てもらうことができます。
その結果、これまでは税理士事務所とデータのやり取りをする必要がありましたが、その作業が不要となります。
1.3 システム導入コスト
これまで、会計ソフトは、インストールしたパソコンの台数分のライセンスを購入する必要がありました。
たとえば、弥生会計スタンダード2017年版は税込で42,120円かかります。このライセンスは、複数のパソコンによる使用を認めていません。2台同時に使用する場合には、弥生会計プロフェッショナル2ユーザ2017年度版(税込103,680円)を購入する必要があります。
一方、クラウド会計の場合には、代表的なサービスであるfreee(フリー)の場合には、スタンダード版の場合、月額2,138円 年額21,384円で利用できます。これで何台でも利用できます。
さらに、従来の会計ソフトは、消費税対応などの税制が改正するたびにソフトウェアの買い替えが必要でした。一方、クラウド会計の場合には、買い替え費用は発生しません。
パソコンの数だけライセンスを買う必要がない点と、ソフトウェアの買い替え費用が発生しない点を考慮にいれると、大幅に導入コストを削減できます。
1.4 アップデート作業
従来の会計ソフトは、税制改正やソフトウェアのアップデートが発生した場合、自社でソフトウェアのアップデート作業を行う必要がありました。
しかし、クラウド会計の場合には、ソフトウェアのアップデートなどは自動で行ってくれます。そのため、常に最新の会計システムが利用できます。
2. クラウド会計のデメリット
次に、クラウド会計を利用することを利用することで、できなくなることはないのでしょうか。
クラウド会計導入のデメリットをご紹介します。
デメリットは2点あります。
- インターネットに接続しないと使えない
- 情報漏洩のリスクがゼロではない
2.1 インターネット
クラウド会計は、インターネット上で使用するサービスです。そのため、インターネットに接続しないと使えません。ネットが使えない環境で、経理業務を行いたい方にはオススメできません。
2.2 情報漏洩のリスク
クラウド会計の場合には、会計のデータは業者のサーバで保管されます。したがって、万一そのサーバになんらかのトラブルが生じた場合には、情報漏洩が発生するリスクはあります。
ただ、クラウド会計を提供する会社も、様々なセキュリティ対策を行っており、たとえばfreee社のホームページの記載を引用すれば次のような対策を行っています。
- 暗号化通信は、金融機関レベルの256bit SSL
- webの口座情報は、暗号化して保存
- 機密度の高い情報は、ファイアウォールによりインターネットから隔離して保存
- 国際的な認証である TRUSTe による認証を取得
- データは自動でバックアップしています。また、分散化により災害や盗難時にも安心
高水準の安全性が確保されていると言えます。
ただ、セキュリティのトラブルはゼロとは言えませんので、判断が必要になります。
3. クラウド会計システムの比較
上記のように便利なクラウド会計システムのうち、オススメのシステムはどれでしょうか。
日本を代表する3つのサービスをご紹介します。
- freee(フリー)
- 弥生会計オンライン
- MFクラウド会計
3.1 freee(フリー)
freee(フリー)は、freee株式会社が提供するネット上で使えるクラウド会計ソフトです。
2016年3月時点で600,000事業所が利用している、日本を代表するクラウド会計ソフトです。
全国3,630の銀行・クレジットカードと連動し経理処理が自動化できます。(2016年11月)
領収書の管理〜確定申告までスマホで完結させることが可能で、「スマホで申告まで完結できる」という手軽さが人気の理由といわれます。
◆ 特徴
1 自動で仕訳を作成できる
クレジットカードやインターネットバンキングなどから取得した明細に記載された日本語から
人工知能の機能で、適切な勘定科目を推測し、自動で仕訳を作成する機能があります。
2 パソコンの機種に関係なく、タブレットやスマートフォンでも使える
ネット上で使えるサービスなため、OSは関係ありません。そして、スマートフォンや
タブレットなどで使えます。
【参考記事】freeeに興味のある方は、機能や導入方法などをまとめました。ぜひご覧ください。
自力でfreee(フリー)を導入する!初心者向け使い方講座
3.2 弥生会計オンライン
弥生会計オンラインは、弥生株式会社が提供するBCN AWARD(業務ソフト部門)最優秀賞を受賞している日本を代表する会計ソフトです。MM総研の「クラウド会計ソフトの利用状況調査」(2016年3月)によると、クラウド会計ソフト利用シェアがNo.1といわれています。
◆ 特徴
1 簿記・会計の知識がなくても、シンプルなデザインでかんたんに取引データを入力できます。
2 専用スマホアプリを使うことで、カメラでレシートを撮るだけで、レシートの内容を自動で取引データを作れます。
別の記事でfreee(フリー)と弥生会計オンラインの機能や使いやすさを比較しています。
【参考記事】 ・ freeeと弥生会計オンラインを比較!機能・料金・使いやすさで検証
3.3 MFクラウド会計
MFクラウド会計は株式会社マネーフォワードが提供するネット上で使えるクラウド会計ソフトです。株式会社MM総研によると2016年12月時点でシェア17.7%を占める人気のサービスです。
全国3,610の銀行・クレジットカード・電子マネーと連動し経理処理が自動化できます。(2017年2月)移動中や自宅でも、仕訳データの入力や残高・売上の確認ができます。
◆ 特徴
- 自動で仕訳を作成できる
クレジットカードやインターネットバンキングなどから取得した明細に記載された
日本語から人工知能の機能で、適切な勘定科目を推測し、自動で仕訳を作成する
機能があります。そのため、会計処理や経理が大幅にラクになります。 - パソコンの機種に関係なく、タブレットやスマートフォンでも使える
ネット上で使えるサービスなため、OSは関係ありません。そして、スマートフォンや
タブレットなどで使えます。移動中のすき間時間に外出先から経理作業が行えます
MFクラウド会計に興味のある方は、機能や導入方法などをまとめました。
また、freeeとの機能や使いやすさを比較、検証しています。
【参考記事】・ MFクラウド会計を初心者でも使える!便利な使い方を詳細解説
・ freee、MFクラウドを比較!機能、料金、使いやすさで比べる!
まとめ
本記事は、クラウド会計を利用するメリット、デメリットをご紹介しました。インターネットに接続できないと使えないという課題はありますが、会計データの入力の手間が軽減できるなど、クラウド会計は魅力的です。
お試し版などもありますので、ぜひ使い勝手などをチェックしてご判断いただければと思います。
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