カゴヤサーバーは人気のレンタルサーバーですが、使いやすさや評判はどうでしょうか。
共用サーバーだけでなく、WordPress専用サーバー、VPSの3種類のサービスを利用できます。そのため、Wordpressのみを運用したい場合や、OSの設定変更をしたい場合など、用途に応じて柔軟にサービスを選べます。
一方で、データベースを作るのに費用が発生したり、1世代分のバックアップしかとれない点は注意が必要です。そこで、カゴヤサーバーを利用する前に知っておきたいポイントをまとめました。
本記事は、カゴヤサーバーの使い勝手と評判をご紹介します。
1. カゴヤサーバーの便利な点
カゴヤサーバーの便利な点は、11個あります。
- 共用サーバー、Wordpress専用サーバー、VPSを利用できる
- Webとメールは別々のサーバーで保持している
- データ転送量が大きい
- マルチドメインに対応している
- 自動でバックアップができる
- 電話のサポートをしている
- 自前のデータセンターを持っている
- WAFを導入している
- 不正侵入防止システム(IPS)を導入している
- アンチウイルス対応をしている
- スパムメール対策をしている
それぞれを詳細にご紹介します。
1.1 共用サーバー、WordPress専用サーバー、VPS
カゴヤサーバーは、共用サーバー、WordPress専用サーバー、VPSを利用できます。
◆ 共用サーバー
(特徴)障害に強い構成になっており、信頼性が高い。
(料金)
プラン | S12 | S22 | S32 |
月額費用 | 1,100円 | 2,200円 | 3,300円 |
Web | 100GB | 200GB | 300GB |
メール | 未提供 | 100GB | 100GB |
データベース | オプション | 10GB | 20GB |
◆ WordPress専用サーバー(WordPress 高速化エンジン KUSANAGI を利用)
(特徴)WordPressのインストールが不要。用途に応じて、スケールアップ、ダウンができます。
(料金)
料金プラン | グレード1 | グレード2 | グレード3 | グレード4 | グレード5 | グレード6 | グレード7 |
月額費用 | 440円 | 990円 | 2,200円 | 4,400円 | 9,900円 | 30,800円 | 52,800円 |
ディスク容量(SSD) | 20GB | 40GB | 60GB | 100GB | 200GB | 300GB | 500GB |
【出典】 カゴヤサーバー WordPress専用サーバー 料金
◆ VPS
(特徴)OSのテンプレートが豊富です。LinuxOSとWindowsOS間の構築もできます。
(料金)OpenVZの場合
モデル | HDD | SSD | ||||
3コア | 6コア | 12コア | 3コア | 6コア | 12コア | |
月額最大費用 | 880円 | 1,760円 | 3,520円 | 880円 | 1,760円 | 3,520円 |
ディスク容量 | 200GB | 400GB | 800GB | 80GB | 160GB | 320GB |
保証メモリー | 1GB | 2GB | 4GB | 1GB | 2GB | 4GB |
【出典】 カゴヤ VPS 料金
1.2 Webとメールは別々のサーバー
カゴヤサーバーは、1契約1台のWebサーバーに加えて、メールサーバーは別サーバーで管理しています。
そのため、仮にWebサーバーが落ちても、メールサーバーには影響を与えないように運用・管理されています。
なお、口コミで、メールサーバーの性能について、評価しているコメントがありました。
それではメインサイト・ブログを一式エックスサーバーからカゴヤサーバーに引っ越しましょうか。エックスサーバーの唯一的な弱点はGmailでメールを読み込もうとすると遅いんですよね。リアルタイムじゃない。カゴヤサーバーはその点リアルタイムなので戻す♪ホームページ1とワードプレス5のお引越し
— うっち~ (@kunetwork) February 25, 2018
1.3 データ転送量
ホームページのレスポンスを高めるためにデータ転送量は重要です。通常、ホームページの平均のデータ転送量は3.4MB(出典: HTTP Archive)といわれます。
【出典】 HTTPアーカイブ
仮に、1日3,000PV(月間9万PV)のホームページを作る場合
3.4MB × 3,000 = 10.2GB/日 のデータ転送量が必要となります。
カゴヤサーバーは、1日当たり120GB以上のデータ転送量を保持しています。
カゴヤサーバーの性能に関する口コミがありましたので、ご紹介します。
サイトはうまく移転できました。カゴヤサーバーは性能良いですね。サクサク動いてます。
— まっひー (@mahito_osaka) October 5, 2015
1.4 マルチドメイン
複数のWebサイトをレンタルサーバーで運営したい場合には、マルチドメインに対応していると便利です。カゴヤサーバーは、全てのプランで無制限にドメインを登録できます。
他のレンタルサーバーの場合には、プランによっては登録できるドメイン数に制限があります。レンタルサーバーを選ぶ時にチェックしておきたいポイントの一つです。
【参考記事】 ・ 格安のレンタルサーバーを徹底比較!【2020年】
1.5 自動バックアップ
カゴヤサーバーは、最大10GBまで自動でバックアップを取得できます。日次、週次、月次のいずれかで指定したデータを、バックアップサーバに転送して、保存できます。
具体的には、コントロールパネルのスケジュール登録画面で、バックアップ対象のフォルダを指定し、時刻を指定するだけです。
1.6 電話サポート
サーバーの設定に関する不明点や、システムの障害が発生した場合に、電話で問合せができると便利です。電話であれば、複数の問題を一度に解決できるためです。
カゴヤサーバーは、平日だけでなく土日祝も電話のサポートを受付けています。
1.7 データセンター
カゴヤサーバーは、京都に自前のデータセンターを持っています。そのため、サーバーの運用・保守について、より安心して任せられます。
【出典】 カゴヤサーバー データセンター
1.8 WAF
独立行政法人 情報処理推進機構が提示する「安全なウェブサイトの作り方」によりますと、SQLインジェクションに関する届け出件数は、全体の届け出件数の11%を占めます。
【出典】 独立行政法人 情報処理推進機構 安全なウェブサイトの作り方 P6
カゴヤサーバーは、SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティングに代表される、WEBアプリケーションに関する攻撃を防ぐWAFという仕組みを導入しています。
【出典】 カゴヤサーバー WAF
1.9 IPS
カゴヤサーバーは、不正侵入防止システム(IPS)を導入しています。IPSセンサーという監視センサーが、予め登録された攻撃パターンを認識した場合に、その通信をブロックする仕組みです。
【出典】 カゴヤサーバー IPS
原則、無料で利用できますが、月次レポートを有償オプションで入手することも可能です。
1.10 アンチウイルス
カゴヤサーバーのメールサーバーは、ウイルスを検知・駆除する機能を導入しています。ウイルスが駆除された安全なメールのみをメールボックスに保管しているので、安心して利用できます。
【出典】 カゴヤサーバー メールウイルスチェック
1.11 スパムフィルター
カゴヤサーバーのメールサーバーは、スパムメールをフィルターする機能を持っています。具体的には、FORTINET社のFortiMailを導入しています。
【出典】 カゴヤサーバーのスパムメール対策
スパムメールの可能性が高いメールについて、メールの件名に「spam」という文言が追記されるため、メールの振り分け設定をすることで、自動的にスパムメールフォルダーに移動できます。
2. カゴヤサーバーの不便な点
前章では、カゴヤサーバーの便利な点をご紹介しました。次に、評判とは異なり、カゴヤサーバーの不便な点をご紹介します。
- データベースを作るときに有料の場合がある
- バックアップは1世代のみ
それぞれを詳細に説明します。
2.1 データベース
WordPressなどでブログを開設する場合に、データベースが必要となります。また、検証環境を作るために、できれば複数のデータベースを作れると便利です。
カゴヤサーバーは3つの料金プランがあります。
(料金)
プラン | S12 | S22 | S32 |
月額費用 | 1,100円 | 2,200円 | 3,300円 |
Web | 100GB | 200GB | 300GB |
メール | 未提供 | 100GB | 100GB |
データベース | オプション | 10GB | 20GB |
一番安いプランの場合には、データベースを作るのに追加でオプション費用が発生します。
プラン | データベースに関する費用 |
S12 | 756円 / 1GB |
S22 | 10GB 無料 (*1) |
S32 | 20GB 無料 (*1) |
(*1)超過した際には容量追加が必要となります。(月額費用:770円/1GBごと)
【出典】 カゴヤサーバー 料金・機能一覧
なお、他のレンタルサーバーの場合には、安い料金プランでもデータベースを作れます。
サーバー名 | プラン | 月額料金 | データベース |
さくらのレンタルサーバー | スタンダード | 515円 | 〇(20個) |
ロリポップ | ライト | 250円 | 〇(1個) |
ロリポップ | スタンダード | 500円 | 〇(30個) |
2.2 バックアップの世代管理
一般的にサーバーのデータをバックアップするにあたり、バックアップを世代で管理する方法があります。たとえば、日曜日にフルバックアップをし、月~土曜日に6日分のデータを差分でバックアップし、保管します。
(出典: 富士通社ホームページより抜粋)
そして、できれば2世代以上(14日分)のバックアップデータを残しておくほうが安全です。
そのため、他社のレンタルサーバーでも(例えば、エックスサーバー)、データベースであれば過去14日分のデータをバックアップしています。
前章でご紹介しましたが、カゴヤサーバーは自動でバックアップを取得できます。ただし、無料版は1世代分のみのバックアップとなります。
【出典】 カゴヤサーバーのバックアップ
なお、有料オプション(月額540円~)を購入することで、最大2TBまで世代数は無制限で、データベースとファイルのバックアップを取得できます。
まとめ
本記事は、カゴヤサーバーの使い勝手と評判をご紹介しました。
おさらいをすると、次のような方におすすめできます。
- Webサーバだけでなく、メールサーバーとしても利用したい方
- 自動バックアップをしてもらいたい方
- 電話によるサポートを受けたい方
- セキュリティ対策を重視する方
一方、次のような方にはおすすめできません
- 格安でレンタルサーバーを利用したい方
- 2世代以上の自動バックアップをしたい方
なお、他のレンタルサーバーに関する情報は別記事でまとめています。
【参考記事】 ・ 法人向けレンタルサーバーの徹底比較!料金表付き【2019年】
・ バリューサーバーの使い勝手と評判!便利な点と不便な点を徹底解説!
・ wpXレンタルサーバーの使い勝手と評判!便利な点と不便な点を解説!
・ wpXクラウドの使い勝手と評判!便利な点と不便な点を徹底解説!
・ さくらのレンタルサーバーの使い勝手と評判!便利な点と不便な点を解説!
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Writer/編集者: 松田康