フリーランス向けのクレジットカードを比較した場合、どのような違いがあるのでしょうか。
年会費が無料のカード、還元率が1%以上のカード、福利厚生が充実しているカードがあります。ほかにも、経理の作業を効率化できたり、資金調達のしやすいカードなど、多種多様です。
さらに、審査にむけた必要書類や、審査の通りやすさもチェックしたいところです。そこで、フリーランスがクレジットカードを作る前に知っておきたいポイントをまとめました。
本記事は、フリーランスにおすすめのクレジットカード12選を比較し、その違いを紹介します。
1. フリーランスにおすすめのクレジットカード
フリーランスがクレジットカードを持つときは、事業用とプライベート用に分けると便利です。
仕事用のカードは、得意先の接待、事務用品の購入など、仕事に関係する支払いに使用します。一方、プライベート専用のカードは、友人との食事、洋服の購入などの支払いに使います。
こうすることで、経理における作業が効率化できます。さらに、運転資金が必要なときに手軽に資金調達できるカードや、福利厚生が充実しているカードなどもあります。
そこで、事業用のクレジットカードとプライベートのクレジットカードを分けて、ご紹介します。
2. フリーランスにおすすめのクレジットカード(事業用)10選
フリーランスが仕事で使うときに便利なクレジットカードをご紹介します。
2.1 JCBカード Biz
JCBの経営者、個人事業主向けのクレジットカードです。
法人の本人確認書類が不要なため、原本発行手続きなどの時間を節約できます。また、法人名義はもちろん、代表者個人名義の口座でも決済ができます。
利用明細に、支払先や日付、金額が記載されるため、経費の作業がしやすいです。さらに、外部接続サービスを利用することで、会計ソフトの弥生会計、freee、ソリマチに取りこめます。
◆ 基本情報
- 年会費: 初年度年会費無料 次年度以降:1,375円(税込)
- 追加カード年会費: 追加不可
- 追加カード発行枚数:追加不可
- マイルへの移行: 〇
- 会計ソフトとの連携: 〇( 弥生会計オンライン、freee、ソリマチと連携できます)
- 経費の把握: 〇
- 提出書類:本人確認書類(免許証など)
- ETCカード: 〇(無料)
- 電子マネー: QuicPay、ApplePay、GooglePay
- ポイント還元率: 0.7%
2.2 アメックス・ビジネスゴールド
アメックスの法人あるいは個人事業主向けのカードです。商談や接待のサポート、福利厚生や無料での健康に関する相談を受けられます。
海外出張の多い方に便利なカードで、出張時には空港のラウンジの利用や手荷物の無料宅配サービス、最高1億円の海外旅行傷害保険などが付与されています。
クラウド会計のfreeeと自動連携できるため、経理の作業が効率化できます。また、社員を雇用する場合にも、社員に追加カードを付与できるため、経費精算や仮払いに対応できます。
帝国ホテル 東京のビジネスラウンジを同伴者1名分を無料で利用できます。さらに、帝国データバンクや東京商工リサーチから情報を入手できるG-Searchを年会費無料で利用できます。
さらに、福利厚生プログラム「クラブオフ」のVIP会員年間登録料が無料で利用できます。
◆ 基本情報
- 年会費: 31,000円
- 追加カード年会費: 12,000円
- 追加カード発行枚数: 4枚
- マイルへの移行: 〇(ポイント移行には諸条件があります)
- 会計ソフトとの連携: 〇
- 経費の把握: 〇(社員が追加カードを持つことで、利用明細が一覧でわかります)
- 提出書類: 本人確認書類
- ETCカード: 〇(個人のETCカードは、年会費無料、新規発行手数料は1枚につき850円。法人カードは、年会費500円、新規発行手数料は無料)
- 電子マネー:〇(QUICPay、楽天Edy・モバイルSuica・SMART ICOCA)
- ポイント還元率:1%
2.3 セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカンエキスプレス
セゾンカードの個人事業主または経営者向けのクレジットカードです。
1,200ヵ所以上の空港ラウンジが無料で利用でき、また、海外旅行中の事故について最高1億円まで、自動で補償してくれます。
ポイントは、有効期限がない永久不滅ポイントのため、ポイントの有効期限を気にすることなく利用できます。さらに、マイル還元率が高く、最大1.125%JALのマイルを貯められます。
◆ 基本情報
- 年会費: 22,000円
- 追加カード年会費: 3,300円
- 追加カード発行枚数: 4枚
- マイルへの移行: 〇(ショッピング1,000円につき、10マイルが貯まります)
- 会計ソフトとの連携: 〇
- 経費の把握: 〇(社員が追加カードを持つことで、利用明細が一覧でわかります)
- 提出書類:本人確認書類
- ETCカード:〇(無料)
- 電子マネー: ApplePay、iD、QuicPay
- ポイント還元率:1.125%
2.4 三井住友ビジネスカード for Owners
三井住友カード株式会社が提供する法人、個人事業主向けのクレジットカードです。電子マネーのiDやApplePayにも対応しています。
また、大企業が導入しているベネフィットワンを割安な価格で導入できるため、福利厚生を充実させたい場合には、便利なサービスです。
また、国内、海外の旅行保険にも対応しています。
◆ 基本情報
- 年会費: 1,375円(税込)
- 追加カード年会費: 440円
- 追加カード発行枚数: 未公開
- マイルへの移行: 〇
- 会計ソフトとの連携: 未公開
- 経費の把握: 〇
- 提出書類: 本人確認書類
- ETCカード:〇(550円)
- 電子マネー:iD、ApplePay
2.5 JCBプラチナ法人カード
JCBの法人カードです。24時間365日利用できるプラチナ・コンシェルジュデスクという秘書サービスが使えます。ホテルや交通機関の手配、レストランの相談などに乗ってもらえます。
また、世界約1,000箇所の空港ラウンジで利用可能なプライオリティ・パスを無料で使えます。
◆ 基本情報
- 年会費: 33,000円(税込)
- 追加カード年会費: 6,600円(税込)
- 追加カード発行枚数: 未公開
- マイルへの移行: 〇
- 会計ソフトとの連携: 〇(弥生会計オンライン、freee、ソリマチと連携できます)
- 経費の把握: 〇
- 提出書類:本人確認書類(免許証など)、法人の本人確認書類(現在事項全部証明書など)
- ETCカード:〇
- 電子マネー:QuicPay
- ポイント還元率:0.5%
2.6 ライフカードビジネス
個人のクレジットカードというより、法人、あるいは個人事業主の取引に強いクレジットカードです。
スタンダードプランは年会費無料で利用でき、ゴールドカードも年会費2,000円で利用できます。
さらに、ETCカードも無料で発行できるため、手軽に事業用のクレジットカードを作れます。
福利厚生として、ベネフィットステーションが利用でき、ホテルやスポーツジムなどがお得な価格で利用できます。ただし、スタンダードプランは、空港のラウンジや保険などが付いていません。
法人向けのローン専用のカードもあり、急な運転資金が必要な場合にも、銀行やコンビニのATM
から借入、返済できるサービスがあります。
◆ 基本情報
- 年会費: スタンダードプラン 0円 ゴールドカード 2000円
- 追加カード年会費: スタンダードプラン 0円 ゴールドカード 2000円
- 追加カード発行枚数: 3枚まで
- マイルへの移行: 〇
- 会計ソフトとの連携: 〇(freeeとの連携ができます)
- 経費の把握: 〇(社員が追加カードを持つことで、利用明細が一覧でわかります)
- 提出書類: 事業主様の本人確認資料(希望限度額が100万円以下) /事業主様の本人確認資料/確定申告書2期分(希望限度額が100万円超)
- ETCカード:〇
- 電子マネー: 楽天Edy、モバイルSuica、nanaco、モバイルSUICA
- ポイント還元率:0.5%
2.7 マネーフォワード ビジネスカード
大手クラウド会計ソフトのマネーフォワードが提供するビジネスカードです。プリペイドカードなため、与信審査が不要で、申込みから最短1週間程度で届き、利用できます。
ビジネスカードをマネーフォワードの会計ソフトに連携すると、カード単位で仕訳ルールを適用してくれます。仕訳の候補を自動で作るため、入力の手間が減り、確定申告の作業が効率化できます。
なお、マネーフォワード関連サービスの利用時は、3%をポイント還元してもらえます。
◆ 基本情報
- 年会費: 無料
- 追加カード年会費: リアルカードは2枚目以降900円+税(送料込み)、バーチャルカードは2枚目以降も無料
- 追加カード発行枚数: 無制限
- マイルへの移行: ×
- 会計ソフトとの連携: 〇(マネーフォワードとの連携ができます)
- 経費の把握: 〇
- 提出書類: なし
- ETCカード:×
- 電子マネー:未公開
- ポイント還元率:1〜3%
2.8 P-one Business MasterCard
ポケットカード株式会社が提供する個人事業主、法人代表者向けのクレジットカードです。
年会費は、初年度無料で、前年度にカードの利用があれば、次年度も無料で利用できます。
(利用がない場合は、次年度2,000円)
カードの紛失や盗難にも保証がついており、紛失・盗難の届け日をはさんだ前後60日間の損害額は、補償をしてもらえます。
なお、1,000円ごとにポケット・ポイント2ポイントを獲得でき、300ポイントから商品と交換できます。ETCカードも発行できますが、新規発行手数料が1,000円必要です。
なお、ポケットカードはもともと、1982年にスーパー大手のニチイ(のちのマイカル)が設立したカードでしたが、経営破たんし、その後、経営母体が二転三転し、現在は伊藤忠商事、ファミリーマートが株主になっています。
◆ 基本情報
- 年会費: 無料(利用がない場合は、次年度2000円)
- 追加カード年会費: 無料
- 追加カード発行枚数: 5名
- マイルへの移行: 〇 (1ポケット・ポイント=1.5マイル)
- 会計ソフトとの連携: ×
- 経費の把握: 〇
- 提出書類: 本人確認書類、確定申告書B、青色申告決算書 開業まもなくで決算書の提出ができない場合は、営業許可証または届出書 屋号の記載された事業所の賃貸借契約書および請求書など
- ETCカード:〇
- 電子マネー:-
- ポイント還元率:0.6%~
2.9 ダイナースクラブカードビジネス
三井住友トラストクラブ株式会社が提供する個人事業主、会社役員向けのクレジットカードです。
年会費は27,000円発生しますが、様々なメリットがあります。
まず、銀座の一等地にあるダイナースクラブビジネスラウンジ銀座サロンを使えます。カードを提示することで、商談や待ち合わせの場所として利用できます。
さらに、ダイナースクラブは、ステータスカードとして位置付けられており、グルメサービスでは
2名以上で所定のコース料理を注文すると、1名分のコース料金が無料になります。
対象店舗は国内約300店あるため、使い勝手もいいです。
◆ 基本情報
- 年会費: 27,000円
- 追加カード年会費: 無料
- 追加カード発行枚数: 制限なし
- マイルへの移行: 〇
- 会計ソフトとの連携: 〇
- 経費の把握: 〇
- 提出書類: 本人確認書類、Webフォームの入力内容(決算書や登記簿の提出は不要)
- ETCカード:〇(無料)
- 電子マネー:モバイルSUICA、楽天Edy
2.10 EX Gold for Biz S
オリコが提供する個人事業主向けのクレジットカードです。マスタカードのビジネスアシストまたはVisaのビジネスオファーが利用できます。
マスタカードのビジネスアシストは、事業拡大と経営効率、人材開発などの視点で、様々な企業と提携したサービスを提供してくれます。
Visaのビジネスサポートも、飲食や航空券の手配、オンラインアシスタントなどの手配をする企業と提携しています。
他にも、会計ソフトのfreee(フリー)とデータ連携しているため、スムーズに会計処理が行えます。また、Mastercardのコンタクトレスあるいは、Visaタッチ決済が利用でき、カードをかざすだけで支払できます。
◆ 基本情報
- 年会費: 2,000円
- 追加カード年会費: -
- 追加カード発行枚数: -
- マイルへの移行: -
- 会計ソフトとの連携: 〇
- 経費の把握: 〇
- 提出書類: 本人確認書類
- ETCカード:〇(無料)
- 電子マネー:Mastercardコンタクトレスあるいは、Visaタッチ決済
- ポイント還元率:0.5%~
3. フリーランスにおすすめのクレジットカード(プライベート用)2選
前章では、フリーランスが事業用に使うときに便利なクレジットカードをご紹介しました。次に、プライベートで使うときに便利なクレジットカードをご紹介します。
特に、本人確認書類のみの提出など、審査に向けた提出書類の少ないクレジットカードを紹介します。
3.1 Orico Card THE POINT
オリコが提供する年会費永年無料のクレジットカードです。還元率は1%以上で、入会後6か月は
還元率が2%となります。
また、iDとQuicPayを利用できるため、コンビニなどの少額の支払いでも使いやすいです。
◆ 基本情報
- 年会費: 無料
- マイルへの移行: 〇
- ETCカード: 〇
- 家族カード: 〇
- 提出書類: 本人確認書類
- 電子マネー:iDとQUICPay
- ポイント還元率:1%~
3.2 ACマスターカード
アコムが提供する年会費無料かつ即日発行のクレジットカードです。スマホ決済の楽天ペイやPayPayに登録をすると、QRコード決済ができます。
また、毎月の利用金額から0.25%分を自動でキャッシュバックしてくれるので、クレジットカードのポイントを管理するのが面倒な方には便利です。
注意点としては、リボ専用のカードであるため、自動的にリボ払いとなります。そのため、
高額の金利が発生する可能性があるので、注意が必要です。
◆ 基本情報
- 年会費: 無料
- マイルへの移行: -
- ETCカード: -
- 家族カード: -
- 提出書類: 本人確認書類
- 電子マネー:-
- ポイント還元率:-
まとめ
本記事は、フリーランスにおすすめのクレジットカード12選を比較し、その違いを紹介しました。
還元率の高さという点では、アメックス・ビジネスゴールドが優れています。
一方、年会費の安さという点では、ライフカードビジネス、ジャパンネット銀行 Visaデビットカード、P-one Business MasterCardが優れています。
また、福利厚生という点では、三井住友ビジネスカード for Owners、ライフカードビジネスが優れています。
なお、フリーランス向けのビジネスローンや、起業に関する情報は別記事でまとめています。
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Writer/編集者: 松田康