AWSの資格には、どのような種類があり、その難易度はどのくらいでしょうか。
AWSは、大別すると6種類の資格があります。それぞれ出題内容や形式、難易度や受講料に違いがあります。
また、資格の取得方法としては、書籍やオンラインビデオ、サンプル問題や模擬試験など、多種多様な勉強方法があり、無料で学べる教材もあります。
そこで、AWSの資格を勉強する前に知っておきたいポイントをまとめました。
本記事は、AWS資格の種類や概要、難易度、そして勉強方法をご紹介します。
AWS資格の概要と資格の取得方法
AWSは、次の6種類の資格あります。
- クラウドプラクティショナー (基礎)
- ソリューションアーキテクト(アソシエイト)
- ソリューションアーキテクト(プロフェッショナル)
- SysOpsアドミニストレータ(アソシエイト)
- デベロッパー(アソシエイト)
- DevOpsエンジニア(プロフェッショナル)
それぞれを難易度で分けると、基礎、アソシエイト、プロフェッショナルと3種類のレベルがあり、図にまとめると次の通りになります。
【出典】 AWS認定資格ホームページ
そのため、AWSの資格を取得するときには、基礎コースから始めて、アソシエイト、プロフェッショナルと資格を取得していきます。
そして、効率よく、かつ確実に、AWSの資格を取得するために、次の3つのポイントを押さえておきます。
- どのような内容が出題されるのか。
- 資格の難易度はどのくらいか。
- どのような勉強方法があるのか。
そこで、AWSに関する資格の概要と取得方法、取得によるメリットをご紹介します。
1. クラウドプラクティショナー
クラウドプラクティショナーは初心者向けの資格です。AWSを扱う業務部門の方や、プリセールスや営業の方向けの資格といえます。
それでは、クラウドプラクティショナーに関する資格の概要と取得方法をご紹介します。
1.1 クラウドプラクティショナーの概要と難易度
AWSを使用して仕事をしている方向けに、AWSの基本的な知識とスキルを問われます。主に問われることは4点あります。
- AWS の概要ならびにアーキテクチャ
- AWS の主要サービスと一般的なユースケース
- AWS プラットフォームのセキュリティ
- AWS プラットフォームの料金
◆ 試験に関する基本情報
- 試験時間: 90分
- 受験料: 11,000円
- 受験方法: テストセンターで受験するか、またはオンライン
- 問題のパターン: 選択問題
- 難易度・最低合格スコア: 700点
◆ 試験の出題分野と配分
クラウドの概念 | 28% |
セキュリティ | 24% |
テクノロジー | 36% |
請求と料金 | 12% |
AWSの概要を幅広く問われ、AWSの勉強をこれから始めたい方や入門者向けです。
1.2 クラウドプラクティショナーの勉強方法
クラウドプラクティショナーを学習する方法として、4つあります。
- 書籍
- オンラインビデオ
- サンプル問題
- Udemyにおける模擬試験
それぞれを詳細にご紹介します。
◆ 書籍
AWSの設定画面が掲載されているので、理解しやすいです。さらに、各章には、練習問題があるので、理解を定着させることができます。
AWS認定資格試験テキスト AWS認定 クラウドプラクティショナー
◆ ビデオ講義
無料で学べるオンラインビデオです。字幕で日本語訳が表示されますので、理解しやすいです。
◆ サンプルの問題
英語版ですが、サンプルの問題が公開されています。さらっと内容を見て、どのレベルの内容が問われているのかを頭にいれておきます。
◆ Udemyの模擬試験
全部で455問の問題があり、通常の試験より難しめに作られているので、認定試験を受ける前に受講をしておくと合格しやすくなります。
この問題だけで合格可能!AWS 認定クラウドプラクティショナー 模擬試験問題集
2. ソリューションアーキテクト(アソシエイト)
ソリューションアーキテクト(アソシエイト)は、AWSでのシステム設計、構築、運用に関する幅広い知識を問われます。
ソリューションアーキテクト(アソシエイト)に関する資格の概要と取得方法をご紹介します。
2.1 ソリューションアーキテクト(アソシエイト)の概要と難易度
AWSのシステム設計者向けに、クラウドアーキテクチャーに関する知識を問われます。主に問われることは3点あります。
- AWS のネットワーク、ストレージ、データベース
- AWSのデプロイ、管理サービス
- AWSのセキュリティ関連のツール
◆ 試験に関する基本情報
- 試験時間: 130分
- 受験料: 15,000円
- 受験方法: テストセンターで受験するか、またはオンライン
- 問題のパターン: 選択問題
- 難易度・最低合格スコア: 750点
◆ 試験の出題分野と配分
回復性の高いアーキテクチャを設計する | 34% |
パフォーマンスに優れたアーキテクチャを定義する | 24% |
セキュアなアプリケーションおよびアーキテクチャを規定する | 26% |
コスト最適化アーキテクチャを設計する | 10% |
オペレーショナルエクセレンスを備えたアーキテクチャを定義する | 6% |
難易度はやや高く、AWSのサービスの組み合わせやベストプラクティスについて幅広い知識を問われます。
2.2 ソリューションアーキテクト(アソシエイト)の勉強方法
ソリューションアーキテクト(アソシエイト)は、4つの方法で勉強できます。
- 書籍
- オンライン動画
- サンプル問題
- 模擬試験
◆ 書籍
幅広い知識を、薄く、体系的に理解するために読んでおきたい書籍です。
この1冊で合格! AWS認定ソリューションアーキテクト – アソシエイト テキスト&問題集
◆ オンライン動画
無料でソリューションアーキテクトの資格取得に向けたビデオ講義ができます。ただし、英語版なので、とっつきにくい可能性はあります。
AWS Certified Solutions Architect – Associate
◆ サンプルの問題
サンプルの問題が日本語版で公開されています。出題される内容がどの程度かを理解するのに、一読しておきたいところです。
AWSソリューションアーキテクト・アソシエイト(サンプル問題)
◆ Udemyの模擬試験
試験のなかでも難易度の高い問題を中心に、模擬試験を受けられます。390問の問題があり、難易度は高めですが、本番の試験対策として有効です。
AWS 認定ソリューションアーキテクト アソシエイト模擬試験問題集
3. ソリューションアーキテクト(プロフェッショナル)
AWS認定ソリューションアーキテクト(プロフェッショナル)は、認定試験のなかでも最難関と言われます。問題文が長く、試験時間も180分と長いです。
ソリューションアーキテクト(プロフェッショナル)に関する資格の概要と取得方法をご紹介します。
3.1 ソリューションアーキテクト(プロフェッショナル)の概要と難易度
AWSのシステム設計者向けに、AWSの拡張性や可用性、信頼性の高いアーキテクチャーを提案できる知識を問われます。
主に問われることは4点あります。
- AWS の拡張性や可用性、信頼性を備えたサービス設計
- システム要件を実現するためのアプリケーションの設計とAWSでの実装方法
- 既存システムからAWSへの移行設計
- AWS によるスケーラブルな運用設計
◆ 試験に関する基本情報
- 試験時間: 180分
- 受験料: 30,000円
- 受験方法: テストセンター
- 問題のパターン: 選択問題
- 難易度・最低合格スコア: 750点
◆ 試験の出題分野と配分
組織の複雑さに対応する設計 | 12.5% |
新しいソリューションの設計 | 31% |
移行の計画 | 15% |
コスト管理 | 12.5% |
既存のソリューションの継続的な改善 | 29% |
サンプルの問題を見ても気付きますが、問題文は長く、難易度は高いです。
3.2 ソリューションアーキテクト(プロフェッショナル)の勉強方法
ソリューションアーキテクト(プロフェッショナル)は、4つの方法で勉強できます。
- 書籍
- オンライン動画
- サンプル問題
- Udemyによる模擬試験
◆ オンライン動画
ソリューションアーキテクト(プロフェッショナル)を解説するオンライン動画です。無料で学習でき、かつ日本語の字幕が付いています。
Exam Readiness: AWS Certified Solutions Architect – Professional (Japanese)
◆ サンプルの問題
サンプルの問題です。英語版ですが、問題文のボリュームや出題されるレベルが理解できます。
AWS Certified Solutions Architect – Professional Level
◆ Udemyの模擬試験
模擬試験の問題と解説を日本語で読めるので、勉強しやすいです。全部で375問あり、繰り返して学習をし、知識を定着させたいところです。
Udemy AWS 認定ソリューションアーキテクト プロフェッショナル模擬試験問題集
4. SysOps アドミニストレーター
SysOpsアドミニストレーターは、AWSの運用・管理者向けの試験です。
SysOps アドミニストレーターに関する資格の概要と取得方法、取得のメリットをご紹介します。
4.1 SysOps アドミニストレーターの概要と難易度
AWSのシステムアドミニストレーター向けに、デプロイ、管理および運用における知識を問われます。主に問われることは3点あります。
- AWSのデプロイ、管理、運用
- AWSのデータ管理、ストレージ
- AWSのネットワーク、セキュリティ
◆ 試験に関する基本情報
- 試験時間: 130分
- 受験料: 15,000円
- 受験方法: テストセンター
- 問題のパターン: 選択問題
- 難易度・最低合格スコア: 720点
◆ 試験の出題分野と配分
モニタリングとレポート | 22% |
高可用性 | 8% |
展開とプロビジョニング | 14% |
ストレージおよびデータの管理 | 12% |
セキュリティとコンプライアンス | 18% |
ネットワーク | 14% |
自動化と最適化 | 12% |
出題範囲を見てもわかりますが、AWSにおける開発、運用、管理、セキュリティ、ネットワークなど幅広い知識を問われます。
4.2 SysOps アドミニストレーターの勉強方法
SysOps アドミニストレーターは、4つの方法で勉強できます。
- 書籍
- オンライン動画
- サンプル問題
- 模擬試験
それぞれを詳細にご紹介します。
◆ 書籍
初心者向けですが、システムの設計、デプロイ、管理に関する知識を体系だって学習できます。
合格対策 AWS認定ソリューションアーキテクト – アソシエイト
◆ オンライン動画
無料で学べるオンラインビデオ講座です。英語で解説されるので、英語が苦手な方は、戸惑うかもしれません。
AWS Certified SysOps Administrator
◆ サンプルの問題
サンプルの問題です。日本語で書かれているので、理解しやすいです。問題の難易度を把握するために、一読の価値はあります。
AWS Certified SysOps Administrator–Associate
5. デベロッパー(アソシエイト)
AWS認定デベロッパー(アソシエイト)は、AWSのシステム開発者向けの試験です。
デベロッパー(アソシエイト)に関する資格の概要と取得方法をご紹介します。
5.1 デベロッパー(アソシエイト)の概要と難易度
AWSの開発者向けに、AWSの開発やデプロイ、デバックに関する知識を問われます。主に問われることは2点あります。
- AWS の主要なサービスや使用方法に関する知見
- AWSを利用したアプリ開発、デプロイ、デバッグに関する知見
◆ 試験に関する基本情報
- 試験時間: 130分
- 受験料: 15,000円
- 受験方法: テストセンターまたはオンライン
- 問題のパターン: 選択問題
- 難易度・最低合格スコア: 720点
◆ 試験の出題分野と配分
展開 | 22% |
セキュリティ | 26% |
AWS サービスを使用した開発 | 30% |
リファクタリング | 10% |
モニタリングとトラブルシューティング | 12% |
5.2 デベロッパー(アソシエイト)の勉強方法
デベロッパー(アソシエイト)は、4つの方法で勉強できます。
- 書籍
- オンラインビデオ
- サンプル問題
- 模擬試験
それぞれを詳細にご紹介します。
◆ 書籍
AWSのサービスや機能について幅広い知識を押さえられます。
AWS認定アソシエイト3資格対策~ソリューションアーキテクト、デベロッパー、SysOpsアドミニストレーター
◆ オンライン動画
AWSのアプリケーションの開発、デプロイ、デバッグの習熟度をチェックできます。無料版と模擬試験版、オンラインコースという3種類の講座があります。
WhizLab AWS Certified Developer Associate
AWS Certified Developer Associateの合格に向けたオンライン講座です。
AWSのCLI、SDK、IAMのロールポリシー、AWS Elastic Beanstalk、AWS CICD(CodeCommit、CodePipeline、CodeBuild、CodeDeploy)、AWS CloudFormationなどを学習できます。
Ultimate AWS Certified Developer Associate 2022
◆ サンプルの問題
AWSのサンプルテストで10問掲載されています。英語版となります。
◆ 模擬試験
AWSのDeveloper Assoiciateの模擬試験です。293問ありますが、英語版となります。
AWS Certified Developer Associate 2022
6. DevOpsエンジニア(プロフェッショナル)
AWSのDevOpsエンジニアは、開発者と運用者の連携を促進するDevOps向けの資格で、前章で紹介したデベロッパー、SysOps アドミニストレーターの上位に位置し、難易度は高いです。
DevOpsエンジニア(プロフェッショナル)に関する資格の概要と取得方法をご紹介します。
6.1 DevOpsエンジニア(プロフェッショナル)の概要と難易度
AWSのプロビジョニング、運用、管理に関する知識を問われます。
主に問われることは4点あります。
- AWSで継続的デリバリーのシステムと手法
- セキュリティやコンプライアンス
- AWS の構成管理やログ管理
- AWSの運用管理を自動化するツールの設計、管理
◆ 試験に関する基本情報
- 試験時間: 180分
- 受験料: 30,000円
- 受験方法: テストセンター
- 問題のパターン: 選択問題
- 難易度・最低合格スコア: 750点
◆ 試験の出題分野と配分
SDLC の自動化 | 22% |
構成管理および Infrastructure as Code | 19% |
監視およびロギング | 15% |
ポリシーと標準の自動化 | 10% |
インシデントおよびイベントへの対応 | 18% |
高可用性、フォールトトレランス、およびディザスタリカバリ | 16% |
6.2 DevOpsエンジニア(プロフェッショナル)の勉強方法
DevOpsエンジニア(プロフェッショナル)は、3つの方法で勉強できます。
- ビデオ講義
- サンプルの問題
- 模擬試験
それぞれを詳細にご紹介します。
◆ ビデオ講義
AWS DevOps Engineerのためのオンライン動画です。日本語字幕があり、無料で視聴できます。
AWS Certified DevOps Engineer – Professional (Japanese)
◆ サンプルの問題
英語版ですが、サンプルのテストがあります。問題文が長いうえに英語版で戸惑いますが、難易度を把握する意味で一読の価値はあります。
◆ 模擬試験
英語版となりますが、全部で85問の模擬試験を受けられます。
AWS Certified DevOps Engineer Professional
まとめ
本記事は、AWS資格の種類や概要、難易度、そして勉強方法をご紹介しました。なお、AWSを独学ではなく、スクールで学びたい方は、別記事でまとめています。
【参考記事】 ・ AWSを学べるスクールおすすめ5選を比較!(無料あり)
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Writer/編集者: 松田康