自分の曲を売るには、どのような方法があるのでしょうか。
自作の音楽を配信ストアに一括で配信・販売する方法や、生放送を配信する方法、CDや音源をネットショップで売る方法があります。さらに、グッズを販売する方法もあります。
そこで、自分の曲を売る、あるいは配信して稼ぐ前に、知っておきたいポイントをまとめました。
本記事は、音楽で稼ぐために押さえておきたい14個のサイトをご紹介します。
タイプ別に見る!音楽を販売する方法
楽曲の販売方法は、自作曲や音楽素材などの種類や目的によって異なります。ここでは、4つのタイプ別におすすめの売り方をご紹介します。
それぞれを詳細にご紹介します。
タイプ1: 自作曲を一般のリスナーやファンに販売する
自作曲を広くリスナーやファンに届けるには、配信ストアを利用するか、直接ファンに販売する2つの方法があります。
◆ メリット
- 曲の値段や販売方法を自分で決められる
- 購入者とのつながりが深まる(ダウンロード販売の場合)
◆ デメリット
- SNSやYouTubeでのプロモーションが必要
- 配信にかかる年間費用がかかる場合がある
- 競争が激しい
◆ おすすめの販売サイト
タイプ2: BGMや効果音など、音楽素材を販売する
BGMや効果音の販売では、使用権を提供するロイヤリティモデルが主流です。これにより、音楽が複数回使用されるごとに収益が発生します。
◆ メリット
- BGMや効果音は、広告、映画、ゲームなどで使用され、長期的に収益を得られる
- 短時間で制作できる
◆ デメリット
- 単価が楽曲に比べて安い
- SNSやYouTubeなどを通じて自分の作品を積極的に宣伝する必要がある
◆ おすすめの販売サイト
タイプ3: 企業向けに楽曲を提供し、収益を得る
企業向けに楽曲を提供する場合、クラウドソーシングを活用してニーズに合わせた楽曲を制作し、収益を得る方法があります。
◆ メリット
- 企業向けに楽曲を提供する場合、安定した収益が得られる
- テレビや広告などで楽曲が使用され、アーティストとしての認知度が上がる
◆ デメリット
- クライアントの要望に沿った制作が必要で、創作の自由が制限される
- 納期が厳しい場合が多く、迅速な対応や修正が求められる
◆ おすすめの販売サイト
タイプ4: ライブ配信をして、投げ銭を得る
ライブ配信を通じて視聴者からの投げ銭(チップや寄付)を受け取り、収益を得る方法があります。視聴者とのやり取りを通じて、新しいファンを獲得できます。
◆ メリット
- すぐに収益を得られる
- ファンと交流できる
- 新しいファンを獲得できる
◆ デメリット
- 安定した収益にはなりにくい
- 定期的にライブ配信をする必要がある
◆ おすすめの販売サイト
自分の曲を売る方法!音楽を売る14のサイト
自分の曲や音楽を売るにあたり、次の4つのポイントは検討したいところです。
- 誰向けに売るのか。(国内、海外、ファン向け)
- 何を売るのか。(曲、チケット、グッズ)
- どのような方法で販売するか。(ライブ配信、ダウンロード販売、クラウドソーシング)
- 初期費用はいくらか。年間の利用料は発生するのか。手数料はいくらか。
上記ポイントを踏まえて、おすすめのサイトをご紹介します。
- TuneCore
- Frekul
- narasu
- Showroom
- ツイキャス
- YouTube
- audiostock
- BASE
- STORES
- ココナラ
- カラーミーショップ
- CD BABY
- bandcamp
- MUSER (サービスが終了しました)
それぞれを詳細にご紹介します。なお、サイトの選び方を手っ取り早く知りたい方は、次のマトリックスをご覧ください。
1. TuneCore
自分の曲を世界185か国以上の配信ストアに配信販売できるサービスです。Apple MusicやSpotify、TikTok、Instagram、レコチョク、AWAなどの配信ストアに一括で送信してくれ、最短2日で販売を開始できます。
年間の利用料を払えば、楽曲の売上から配信ストアの手数料を差し引いた収益を100%還元してくれます。また、配信後も楽曲の権利は自分が保持できます。
作品の制作にかかわった、アーティストや作詞、作曲、編曲、演奏、プロデュース、レコーディングなどを行った関係者に、収益を自動で分配する機能もあります。
(出典) TuneCore より
世界的に広く楽曲を配信したいアーティストにおすすめ!
◆ 基本情報
- 主な配信先:iTunes Store、Apple Music、Amazon、Amazon Music Unlimited、music.jp、oricon ME!、Spotify、KKBOX、うたパス、レコチョク、mora、Media Do、YouTube Music、Google Play Music、e-onkyo music、LINE MUSIC、AWA、SMART USEN、 dwango.jp、OTOTOY、Rakuten Music、mysound、DEEZER、着信★うた♪by KONAMI、ディスカバリー・サービス、Gracenote、Shazam、TikTok
- 年間の利用料: シングル1,551円/年 アルバム 5,225円/年
- 手数料: 無料
2. Frekul
現役のアーティスト達によって作られた音楽配信サービスで、Apple Music、Spotify、iTunes Store、LINE Musicなどに配信できます。
登録料や基本料などは発生しない代わりに、Frekul経由で収入が発生した場合に、手数料が発生します。登録アーティスト数は22,019組、登録曲数は122,283曲あります。なお、収益の60%が還元されます。
曲をFrekulにアップロードすると、Apple MusicやSpotifyなどで、再生・購入できます。
国内での配信を重視し、カラオケ配信を活用したいアーティスト。
◆ 基本情報
- 主な配信先:iTunes Store、 Apple Music、Amazon、music.jp、oricon ME!、Spotify、KKBOX、うたパス、レコチョク、mora、Media Do、Google Play Music、LINE MUSIC、AWA、SMART USEN、dwango.jp、OTOTOY、Rakuten Music、mysound、Gracenote、Shazam、 YouTube Music、TuneCore
- 年間の利用料: 無料
- 手数料: 40%
なお、Frekulのサービスの一つに、自分のオリジナル曲をJOYSOUNDで歌えるようにでき、印税を受け取れるサービスがあります。
自分の作った曲がカラオケで歌えるサービスで、曲が歌われれば、印税を受け取れます。申し込みをして、素材を提出し、約3週間でカラオケ店で歌えます。
3. narasu
月額660円で自分の楽曲を世界中に配信できるサービスです。SpotifyやYoutube Music、AWA、Apple Music、レコチョコ、LINE MUSIC、Rakuten Music、KKBOX、うたパスに配信できます。
アーティストへの還元率は90%と高いため、収益を確保しやすいです。ユーザー登録をすると、管理画面にログインできます。
シングル配信を選ぶと、「新規アーティストの登録」を選びます。
ジャケットの画像を登録します。
リリース情報を登録します。
ジャンルやレーベル名、JANコード、販売実績を登録します。
楽曲ファイルをアップロードします。
高収益を狙い、複数のストリーミングサービスで配信したい人
◆ 基本情報
- 主な配信先:SpotifyやYoutube Music、AWA、Apple Music、レコチョコ、LINE MUSIC、Rakuten Music、KKBOX、Amazon Music、Tower Record MUSIC、dヒッツ、dミュージック、うたパス、OTORAKU、ひかりTVミュージック、deezer、SAAVN、Yandex、pandra、SHAZAM、SOUNDCLOUD、TikTok、ドワンゴジェイピー、アニメロミックス
- 利用料(税込):サブスク型配信し放題 月660円⇒110円(※2024年10月16日時点)、都度課金 シングル2,860円 アルバム5,500円
- 手数料: 10%
4. Showroom
ライブアイドルブームにのって成長した配信アプリで、パソコンとスマホを使って、仮想ライブ空間で、生放送できるアプリです。
生放送を始めると、視聴者のアバターが配信者を取り囲むようにして配置されます。視聴者は、ギフトを投げ銭することで、配信者の報酬となります。
ファンと交流しながら収益を得たいアーティスト
◆ 基本情報
- Twitter連携:〇
- オンラインチャット: 〇
- 画質: 高画質
- オフラインの時間帯にも自動でPR動画を流せるルーム機能:〇
- 放送時間枠の制限: なし
- 課金の取り分: 未公開
【参考記事】 ・ Vtuberアバターの作り方!おすすめのツール12選
5. ツイキャス
パソコンやスマホ、タブレットから、ライブ配信ができるサービスです。配信を見ている人が、コメントを送れたり、また、配信者がそのコメントに返事をしたりできます。
さらに、YouTubeアカウントを連携することにより、録画をYouTubeに投稿できます。キャスマーケットという機能で、ライブなどのイベントのチケットを販売できたり、音源も販売できます。
なお、リアルタイムに購入すると、手数料がかからない仕組みになっています。そのため、チケットを買ってと声がけをしやすい特徴があります。
手軽にライブ配信を行いたいアーティスト
◆ 基本情報
- 初期費用: 無料
- 販売手数料: 20パーセント
- 収益の分配機能: ×
6. YouTube
言わずと知れた、動画共有サイトで、広告収入だけで年間数千万円の収入を稼ぐ方もおり、マネタイズしやすいです。なお、検索キーワードを意識して、タグ付けなど他の動画からの流入を意識して投稿します。
さらに、ContentIDというシステムを利用することで、他のユーザーがアップロードした動画のコンテンツを、自分の楽曲と照らし合わせてスキャンし、一致した場合には収益化するかブロックするかを選べます。
楽曲をアップロードすることで再生回数に応じた収益を得られます。また、Super Chat機能を使って投げ銭も受け取れます。なお、手数料はYouTubeは広告収益の45%を手数料として引きます。Super Chatは30%が手数料となります。
広範囲の視聴者を対象に、収益化をしたいアーティスト
【参考記事】 ・ 動画編集のオンラインスクールおすすめ14選を比較!(無料あり)
7. Audiostock
楽曲、効果音、ボイス・ナレーションなどの作品を販売できるサイトです。自分の作品を登録して、使用権を売ることで、印税を受け取ることができます。
投稿した作品は、Audiostock側で審査されたうえで、販売が開始されます。投稿をすることで、作品をゲームや映像の主題歌などに使ってもらえるチャンスが広がります。
曲を登録するときは、BGM、効果音、ボイス・ナレーション、歌もの楽曲のいずれを選びます。
ファイルをアップロードし、オリジナルかカバーかを選びます。
作品名や作曲者を登録します。
BGMや効果音を提供して収益を得たい音楽クリエイター
◆ 基本情報
- BGM: 1,100 円~
- 効果音: 550 円
- ボイス: 550 円
- 歌: 3,300円~
- 報酬: 販売価格の 40% 〜 60%
8. BASE
無料で作れるネットショップ作成ツールです。BGM素材などの音楽素材をダウンロード販売できます。デジタルコンテンツ販売という無料のアプリを入れることで、音楽データを売れます。
音楽データを販売するときは、商品画面で商品名、商品の画像を登録します。
価格を登録します。
デジタルコンテンツをアップロードします。
お客様は商品を購入後、 メールに記載されているURLをクリックすることでダウンロードできます。さらに、Tシャツやバスタオル、ネックストラップ、ラバーキーホルダーなどのグッズも売れます。
自分のショップを持って音楽やグッズを販売したいアーティスト
◆ 基本情報
- 初期費用: 無料
- 手数料: 6.6%~+40円(*1)
【参考記事】 ・ BASEの使い方と評判!メリットとデメリット、手数料を解説!
*1: 料金プランは2つあります。スタンダードプラン 年払い 0円/月 月払い 0円/月 決済手数料 3.6%+40円 グロースプラン 年払い 16,580円/月 月払い 19,980円/月 決済手数料 2.9% となります。
9. STORES
無料で作れるネットショップ作成ツールで、音源や楽曲をダウンロード販売できます。ユーザーはそこで商品を購入すると、ダウンロードできます。
◆ 販売しているショップ(作曲)
ダウンロード販売する場合には、商品登録画面で「デジタル」を選び、ファイルをアップロードするとネット販売ができます。
音源やグッズを販売しつつ、ショップ運営をしたい人
◆ 基本情報
- 初期費用:無料
- 手数料: 5.5%
【参考記事】 ・ STORESの使い方と評判!便利な点と不便な点を徹底解説
10. ココナラ
大手クラウドソーシングで、個人間でスキルやサービスを売買できるサイトで、音楽や作曲、アレンジ、BGM、効果音の販売などができます。
利用者は自分の提供したいサービスを「出品」して、他のユーザーが購入できます。出品者は自分の設定した価格でサービスを提供し、購入者からのレビューを受けることで信頼性が高まります。
作曲関連では、4900人以上の出品者がおり、オリジナル曲の提供や、商用化を目的とした音楽制作、カラオケ音源の制作ができます。
出品をする場合には、カテゴリーで「音楽・ナレーション」を選び、サブカテゴリを選び、タイトル、サービス内容を登録します。
サービス価格、お届け日数、購入にあたってのお願いを登録します。
スキルを活かして、楽曲制作の依頼を受けたい人
◆ 基本情報
- 初期費用:無料
- 手数料: 22%
【参考記事】 ・ ココナラの使い勝手を評価!手数料や使い方、評判
11. カラーミーショップ
販売手数料が無料のネットショップ作成ツールで、音楽データを販売できます。ユーザーはデータを試聴して、気に入ったら、購入できます。
デジタルコンテンツを販売できる機能や、クーポンやメルマガを送る機能など、機能が充実しています。
オリジナルのデザインでショップを作成し、音楽販売に加えグッズ販売もしたいアーティスト
◆ 基本情報
- 初期費用: 0円~
- 月額費用: 0円~
- 販売手数料: 無料
【参考記事】 ・ カラーミーショップの使い勝手と評判!テンプレート、機能、手数料
12. CD Baby
ストリーミングやダウンロード、CDやレコードの販売、ファンへの直接販売ができます。説明文がすべて英語のため、英語にアレルギーのない方におすすめのサイトとなります。
曲を登録するときは、「Single」または「Album」を選びます。
つぎに、言語、アーティスト名、タイトルを登録します。
ジャンルやアーティストの所在地を登録します。
歌詞の言語、作曲の種類(オリジナル、カバー、パブリックドメイン)を登録します。
識別コードを登録します。
配信方法を選びます。
なお、標準プランはシングルで9.95ドル、アルバムで29ドルかかります。
海外市場に向けて楽曲を販売したいアーティスト
13. bandcamp
2007年にスタートした米国産のサービスで、アーティストが自分で作品を直販できます。Bandcampを使用してアーティストに過去30日間だけで820万ドル(約8.5億円)をアーティストに支払っています。
ただ、英語ですべて表記されているので、英語に慣れている方におすすめです。手数料は販売額の15%となります。
14. MUSER (サービスが終了しました)
ライブを配信できるプラットフォームです。生配信できるだけでなく、有料の視聴チケットやファン特典付きの投げ銭機能を使って、ライブ配信で収益を上げることができます。
配信する機材や配信するためのノウハウについても、サポートしてくれるため、手軽にライブ配信を始められます。初期費用は0円から始められるため、独立系のアーティストの方でも利用しやすいです。
muser (サービスが終了しました)
【参考】音楽ビジネスを学びたい場合
前章までで、自分の曲を売れるサイトをご紹介しました。
なお、音楽ビジネスを学びたい場合には、EVENING(イブニング)というサイトがあります。音楽を中心としたエンターテインメント情報が楽しめるウェブメディアです。
月額583円で音楽ビジネスについて学べます。AIを活用した著作権管理と音楽ビジネスの課題、世界の音楽市場と日本の独特なビジネスモデル、音楽業界に就職したい人が取り組むべきことなど、様々なテーマについて学べます。
まとめ
本記事は、音楽で稼ぐために売れるサイトをご紹介しました。
おさらいをすると、音楽の配信をするときには、TuneCore、Frekul、narasuが便利です。初期費用をかけたくないときは、narasu のほうが手軽です。
また、ライブ配信をしたいときには、Showroom、ツイキャスがおすすめです。一方、すでにファンがいて、ダウンロード販売やグッズ販売をしたいときには、BASE、STORES、カラーミーショップがおすすめです。
また、クラウドソーシングを利用する場合は、ココナラが便利です。さらに、英語アレルギーがない方は、CD BABY、bandcampも挑戦したいところです。
なお、BASE、STORESに関する情報は別記事でまとめています。
【参考記事】 ・ BASEの使い方と評判!メリットとデメリット、手数料を解説!
・ STORESの使い方と評判!便利な点と不便な点を徹底解説
・ STORESとBASEを比較!機能・手数料・使いやすさで検証
また、ミュージシャンとして確定申告をする際には、別記事でまとめています。
【参考記事】 ・ ミュージシャンの確定申告!書き方、経費などの基礎知識(バイト含む)
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Writer/編集者: 松田康