社会人向けの自己分析ツールには、どのようなツールがあるのでしょうか。
自分の性格や価値観、強みや弱みを分析するツールや、リーダーシップ力や技術力を分析できるツール、職場のストレス度を分析できるツールもあります。
また、厚生労働省が提供するツールや、ユーザー登録が不要なツールもあります。そこで、社会人向けの自己分析ツールを選ぶ前に知っておきたいポイントをまとめました。
今回は、社会人向けの自己分析ツール8選を比較し、その違いを紹介します。
社会人向け自己分析ツールをタイプ別に図解
自己分析ツールは「何を知りたいか」によって、以下、2つにタイプ分けできます。まず、どちらのタイプがいいかを選びましょう。
- (タイプ1) 自己理解を深めるタイプ
- (タイプ2) 特定の目的に応じた分析をしたいタイプ
(タイプ1) 自己理解を深めるタイプ
自己理解を深めるタイプの自己分析ツールの場合、自分の性格、価値観、行動特性などを知ることで、自己成長やキャリア設計に役立てられます。
機能 | 説明 |
自分の性格 | 内向的・外向的などの性格の傾向を理解 |
価値観 | 自分の興味や関心、価値観を理解 |
行動特性 | リーダーシップ力やチームでの行動傾向、ストレス耐性を理解 |
◆ メリット
- 自己理解を深めることで、自分の強みや弱みを把握し、キャリアアップに役立つ
- 自分のストレス耐性やリーダーシップスタイルを理解することで、人間関係に役立つ
◆ デメリット
- 行動を改善するための、アクションプランが明確でない
- 結果が抽象的で、すぐに明確な行動計画を立てることが難しい
◆ おすすめの自己分析ツール
(タイプ2) 特定の目的に応じて分析
特定の目的に応じて分析する場合、具体的な課題や目標に対して、より明確な解決策を見つけるのに役立ちます。
機能 | 内容 |
適職診断 | 性格やスキル、価値観に基づき、自分に合った転職先を提案 |
ストレス診断 | 職場でのストレス要因や影響を分析し、ストレス軽減策 |
リーダーシップ診断 | リーダーシップやマネジメントスキルを測定し、改善のためのアドバイス |
◆ メリット
- 問題解決の方向性が明確になる
- フィードバックが具体的
◆ デメリット
- ツールの範囲が限定的
- 汎用性に欠ける(他の分野に応用しにくい)
◆ おすすめの自己分析ツール
社会人向けの自己分析ツールおすすめ8選
社会人向けの自己分析ツールを選ぶときには、次の5つのポイントをチェックします。
- 何を知りたいか(自分の性格、価値観、自分のスキル、強み、適している職業)
- 質問は回答しやすいか。(問題数や回答時間)
- どのような分析結果が表示されるか。(性格診断、強み診断、ストレス度)
- どのような運営団体がツールを提供しているか。
- ユーザー情報を登録する必要があるか。
上記ポイントを踏まえて、社会人向けの自己分析ツール8選を紹介します。
それぞれを詳細に説明します。各ツールの特徴を比較表でご紹介します。
ツール名 | 特徴 | ユーザー登録 |
---|---|---|
16Personalities | MBTIベースの性格診断。16の性格タイプで自己理解。 | 不要 |
キャリアインデックス適職診断 | 性格やスキルに基づいて、適職を提案。 | 要登録 |
マイジョブカード | 興味・スキル・価値観の3軸で総合的な自己分析を行う。 | 不要 |
コンピテンシー診断 | パーソナリティやストレス耐性、リーダーシップを分析。 | 要登録 |
職場のストレスチェックツール | 職場でのストレス要因を分析し、改善策を提供。 | 不要 |
PM理論診断テスト | リーダーシップ能力を2軸で分析し、行動改善をサポート。 | 不要 |
LAPRAS | エンジニア向け。SNS活動から技術力と影響力を分析。 | 要登録 |
相性転職PersonalFile | 性格タイプに基づき、最適な転職先や職場環境を提案。 | 要登録 |
1. 16Personalities
16Personalitiesは、MBTIと呼ばれる心理学をもとにした性格診断テストです。質問に答えることで、自分の性格や価値観、キャリア志向について分析できます。
具体的には、自分の興味の方向性(内向的、外向的)、外界への接し方(感覚型、直観型、思考型感情型、判断型・認知型)などの視点で分析します。
分析結果は、16種類のキャラクターのいずれかで表示され、キャラクターとともに分かりやすい解説がついているので、自分自身の理解を深められます。
◆ 質問の例
◆ 診断結果の例
◆ 基本情報
- 分析の結果: 性格、長所、短所、キャリア志向
- 質問の回答方法: 選択式
- ユーザー情報の登録の要否: 登録不要
- 料金: 無料
- 運営組織: NERIS Analytics Limited
16Personalitiesを使っている方のコメントがXに載っていたので、ご紹介します。
前回から変わってないねぃ
陰の者ですよINTP型の性格 (論理学者) https://t.co/1RBWK1p1Kq #16Personalities @16Personalities pic.twitter.com/VHwdJ4rC43
— 枝付き樹木 (@ejthe4klflieday) May 13, 2024
2. キャリアインデックス適職診断
キャリアインデックス適職診断は、自分の性格やスキル、興味に基づいて、どのような職業が適しているかを分析することができます。
質問はシンプルで答えやすく、分析結果は5段階評価で表示され、自分に合った職業を紹介してくれます。また、自分の強みと改善のポイントを提言してくれるので、客観的に自分を分析できます。
◆ 質問の例
◆ 診断結果の例
柔軟性があるタイプか厳格なタイプか、合理的なタイプか感覚的なタイプか、慎重なタイプか自由奔放なタイプか、従順なタイプか積極的なタイプかなどを分析してくれます。
コミュニケーション、課題発見能力、サービス指向、計画性・緻密性、共感性、環境適応性などの視点で、自分の強み、改善すべきポイントを見つけてくれます。
自分が仕事や職場に求めている要素(達成、報酬、冒険、自主性、快楽、尊敬、忠誠、安定、影響)をグラフで教えてくれます。
◆ 基本情報
- 分析の結果: 適職、性格、長所、改善ポイント
- 質問の回答方法: 選択式
- ユーザー情報の登録の要否: 要登録
- 料金: 無料
- 運営組織: 株式会社キャリアインデックス
キャリアインデックス適職診断の良い評判をまとめると、具体的で精度の高い診断結果が得られると高評価です。ポジティブなフィードバックやアドバイスを通じて、自信を持ってキャリアを進めることができると評価されています。
キャリアインデックスの適職診断やってみた✨
結果は置いといて、レポートの中でビジネスにおける強みと改善ポイントというところは、自己分析にも使えるし、面接で話す内容にも活かせるかなと感じる。
そういう意味では、自己分析苦手な人とかはその部分では使っても良き。 pic.twitter.com/zvITdbFYzE
— かず|@若手特化の転職サポート会社の経営者 (@Kazucareer0414) January 25, 2024
#キャリアインデックス の適職診断をやってみたんだけど、7〜8割方は自覚出来てるところがあるからやってみるのおススメ!
しっかしマイナスポイントの方が長文じゃあないか… pic.twitter.com/M1YTbP1bMw
— Natsuki (@reversal_nut) March 3, 2020
キャリアインデックスさんの適職診断が面白かった。
そうではないかと思ってたが企画・経営・営業職が向いてるらしい。なんか嬉しいし、今後の活動の参考にしたい。… pic.twitter.com/hKdRqE3XGC— 佐野五月|でざいん姉さん (@irohazum_s) June 20, 2023
一方、特に悪い評判は見当たりませんでした。
3. マイジョブカード
マイジョブカードは、厚生労働省が運営しているサイトで、自分の興味や関心、スキル、価値観をチェックできます。診断ツールは興味診断、スキルチェック、価値観診断の3種類があります。
興味診断では、自分の興味やパーソナリティーを6つのタイプに分類して、診断してくれます。
◆ 質問の例
運転や調査、小説を書く、経営にたずさわる、伝票を処理するなど、さまざまな仕事内容に対する興味度を質問されます。
◆ 診断結果の例
現実的、研究的、芸術的、社会的、企業的、慣習的という6つの視点から、自分と職業の関係をグラフで表示してくれます。
スキルチェックでは、自分の得意なところや強みを診断してくれます。
◆ 質問の例
書類を読む、段取りを調整する、機械を操作するといった仕事のなかで、自信のあること・ないことを回答します。
◆ 診断結果の例
基礎スキル、対人スキル、対物スキルの3つの視点から、自分の得意なこと、苦手なことを教えてくれます。
最後に、価値観診断では、自分が働くときに重視している価値観を診断できます。
◆ 質問の例
スペシャリストでいたいか、経営者になりたいかなど、仕事で大事にしていることを回答します。
◆ 診断結果の例
専門志向、経営管理志向、自律志向、起業家志向、生活重視志向などの視点で、自分が大切にしている考え方を教えてくれます。
◆ 基本情報
- 分析の結果: 自分の興味や関心、スキル、価値観
- 質問の回答方法: 選択式
- ユーザー情報の登録の要否: 不要
- 料金: 無料
- 運営組織: 厚生労働省
マイジョブカードの良い評判をまとめると、自分の履歴や職務経歴を可視化し、客観的に分析できる点が好評です。
厚生労働省が運営しているマイジョブカードを作成中。項目が多いけど、少しずつ自分がわかってくる感じがする。
— トワル@【24年宅建(みやざき塾・吉野塾)絶対合格!】 (@yaaaaat) March 21, 2023
マイジョブカード!試しにオンライン上で使ってみました!オンラインだと様々なチェックリストや職業興味テスト、ライフラインチャートで自分の過去から今までを可視化できます!客観点視点から自己理解を深める事ができます!#マイジョブカード
— キャリアコンサルタントSAKURA (@SAKURA97367873) February 2, 2023
一方、悪い評判としては、サイトの停止があった点を指摘する声もあります。
マイジョブカードのサイトが
3月末ぐらいから停止していて困っています。
どうも他人の情報が表示された案件があったようですね。
紙媒体で作れば良い話ですが…ジョブカードから履歴書、職務経歴書が作れるのが便利だったので…
それより個人情報の漏洩は大丈夫なのかしら❓— kumiko (@tokaidosenn) April 11, 2024
4. コンピテンシー診断
コンピテンシー診断とは、質問に答えると、パーソナリティやストレス耐性、向いている仕事、相性の良い上司・部下のタイプを分析し、自分のコンピテンシー(行動特性)を把握できます。
具体的には、マネジメントの資質やチームワーク力、問題解決力、状況適応力、ストレスを感じやすい条件や環境、相性のいい上司などを分析してくれます。
◆ 質問の例
◆ 診断結果の例
◆ 基本情報
- 分析の結果: パーソナリティやストレス耐性、向いている仕事、相性の良い上司・部下
- 質問の回答方法: 選択式
- ユーザー情報の登録の要否: 登録要
- 料金: 無料
- 運営組織: ミイダス株式会社
コンピテンシー診断に関するコメントがXに掲載されていたので、ご紹介します。
自分らしく生きたい人必見。ミイダスの『コンピテンシー診断』を受けると、人間性や仕事の適性・ストレス耐性など細かくレポートをつくってくれるんだけど、今まで受けた診断の中で一番的確&分かりやすい。これで完全無料はマジで度肝抜かれる。簡単にできるので是非→ https://t.co/jSI8J0HiwQ #ad pic.twitter.com/7DiVF2m9LL
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【参考記事】 ミイダス診断は怪しいのか?無料診断でわかること、メリット・デメリット
5. 職場のストレスチェックツール
職場のストレスチェックツールは、厚生労働省が提供するツールで、職場でどの程度ストレスを感じているかを診断するためのツールです。
ストレスの原因(心理的な仕事の負担、働きがい)やストレスによる心身への反応度(イライラ感、疲労感)、ストレス反応への影響因子(仕事や生活の満足度、同僚からのサポート)などの視点で分析してくれます。
◆ 質問の例
◆ 診断結果の例
◆ 基本情報
- 分析の結果: ストレスの心身への反応度、ストレスの影響因子
- 質問の回答方法: 選択式
- ユーザー情報の登録の要否: 登録不要
- 料金: 無料
- 運営組織: 厚生労働省
6. PM理論診断テスト
PM理論診断テストは、リーダーとしての能力をチェックできます。部下やプロジェクトメンバーに対するリーダーシップの質問が20問あり、自身のリーダーシップ力や課題をチェックできます。
具体的には、目標達成のためにリーダーとして必要な行動と、チームの関係性強化のためにリーダーとして必要な行動の2つの軸で、分析をしてくれます。
◆ 質問の例
◆ 診断結果の例
◆ 基本情報
- 分析の結果: リーダーシップ力、課題
- 質問の回答方法: 選択式
- ユーザー情報の登録の要否: 登録不要
- 料金: 無料
- 運営組織: 株式会社ハートクエイク
7. LAPRAS
LAPRASは、ITエンジニア向けの自己分析ツールです。技術情報共有サービスやSNSを活用した自己分析ツールで、自身の投稿内容から、自分の強みや技術力を知ることができます。
SNSの投稿内容をもとに、参加したイベントやGitHubレポジトリへのコミット、ブログ記事などをもとに、技術力や影響力を評価してくれます。
◆ 質問の例
質問はなく、SNSアカウントと連携をすると、投稿内容をもとに、診断してくれます。
◆ 診断結果の例
◆ 基本情報
- 分析の結果:技術力、ビジネス力、影響力
- 質問の回答方法: 選択式
- ユーザー情報の登録の要否: 登録要
- 料金: 無料
- 運営組織: LAPRAS株式会社
8. 相性転職PersonalFile
相性転職PersonalFileは、自分の性格タイプを分析して、自分にマッチした転職活動を支援してくれるサービスです。
◆ 質問の例
裁量の大きさ、スピード重視、実力主義、専門性、自由な職場など、重視すべきポイントを問われます。
◆ 診断結果の例
自分の性格タイプや向いている職種を教えてくれます。
◆ 基本情報
- 分析の結果:適職診断
- 質問の回答方法: 選択式
- ユーザー情報の登録の要否: 登録要
- 料金: 無料
- 運営組織: 株式会社Wiz
まとめ
そこで、今回は社会人向けの自己分析ツール8選を紹介しました。おさらいをすると、求める内容によって、おすすめのツールが変わります。
求める内容 | おすすめのツール |
性格や価値観、キャリア志向を知りたい | 16Personalities、キャリアインデックス、コンピテンシー診断 |
ストレス度合いを知りたい | 職場のストレスチェックツール |
ITエンジニア向けのツールを使いたい | コンピテンシー診断、LAPRAS |
国が運営する診断ツールを使いたい | マイジョブカード、職場のストレスチェックツール |
リーダーとして能力を図りたい | PM理論診断テスト |
自分にあった職場を紹介してほしい | コンピテンシー診断、キャリアインデックス、相性転職 |
なお、コンピテンシー診断、強み診断ツールについては、別記事でまとめています。
【参考記事】 ・ コンピテンシー診断・性格診断ツールおすすめ6選(無料、登録なし)
・ 自分の強みを診断できるツール!おすすめ10選(無料、登録なし)
また、ミイダス診断について、口コミ情報をまとめました!
【参考記事】 ミイダス診断は怪しいのか?無料診断でわかること、メリット・デメリット
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Writer/編集者: 松田康