ネイルサロンの開業を準備するにあたり、どのような手順や流れで進めればいいのでしょうか。
店名を決めたり、サロンの場所を決めたり、内装やインテリア、備品や什器などを準備する必要があります。さらに、開業に必要な資金を見積もり、必要があれば助成金などを申請します。
さらに、ホームページやチラシ、ショップカードなども準備しておきたいところです。そこで、ネイルサロンの開業を準備する前に知っておきたいポイントをまとめました。
本記事は、ネイルサロンの開業に必要なものや開業資金、資格、助成金などの情報を紹介します。
ネイルサロンの開業を準備する10のステップ
ネイルサロンの開業を準備するにあたり、次の10の手順で進めます。
- 店名を決める
- サロンの場所を決める
- 開業資金を準備する
- 内装やインテリアを考える
- 備品・什器などの必要なものを準備する
- ホームページを作る
- チラシを作る
- ショップカードを作る
- 資格を取得する
- 開業届を提出する
それぞれを詳細にご紹介します。
1. 店名
ネイルサロンを開業するにあたり、店名(屋号)を決めます。開業届やショップカード、看板などに使うため、早めに決めておきたいところです。
◆ 名前を決めるポイント
- 読みやすいこと
- 覚えやすいこと
- 他の店名とかぶらないこと
店名を決めるときには、読みやすく、覚えやすい名前にしておきたいところです。さらに、他のお店や商標で使われていないかをチェックしておきます。
お店の名前を入れて、検索ボタンを押すと、類似の商標が登録されていないかがわかります。すでに商標として登録されている場合には、トラブルになる可能性があるので、再検討いたします。
2. サロンの場所
サロンを開業するにあたり、自宅で行うか、店舗物件を借りて開業をするかを決めます。
◆ 自宅、店舗物件での開業のメリット・デメリット
メリット | デメリット | |
自宅 | ・開業費用を抑えられる ・賃料が発生しない |
・生活感がでる可能性がある |
店舗物件 | ・思い通りに店舗を作れる | ・開業費用が高い ・賃料が発生する |
開業費用を抑えて、低価格のメニューで始めたい場合には、自宅サロンで始めるのがおすすめです。一方、サロン作りにこだわりたい方は、店舗で始めるのも一つです。
そして、店舗で開業することを決めた場合には、サロンの場所を探します。その場合は、不動産会社に訪れる前に、条件を決めておきます。
◆ 場所探しのポイント
- 立地・・・駅近がいいか、閑静な住宅街がいいか
- 用途・・・店舗用の物件にするか、居住用の物件にするか
- 階数・・・路面店にするか、2階以上にするか
なお、居住用の物件の場合は、エントランス部に置き看板をおけるかなどを確認します。また、予約がなしでも受け付けたい場合には、路面店にしたいところです。
3. 開業資金
ネイルサロンを開業するにあたり、どの程度の資金を用意すればいいのでしょうか。ネイルサロンの開業に必要な項目をリストアップしてみました。
◆ ネイルサロンの開業資金
店舗物件の取得費 | 賃貸料 | 円 |
敷金・礼金・保証金 | 円 | |
仲介手数料 | 円 | |
内外装費 | 坪単価約5万円が目安 | 円 |
什器・備品 | 施術用いす・机 | 円 |
ネイル道具 | 円 | |
キャビネット | 円 | |
マガジンラック | 円 | |
タオル | 円 | |
スリッパ | 円 | |
加湿器・アロマディフューザー | 円 | |
洗濯機 | 円 | |
電話&FAX | 円 | |
パソコン | 円 | |
広告宣伝費 | ホームページ | 円 |
チラシ・DM・ショップカード | 円 |
なお、ネイルサロンの開業費は、中小企業基盤整備機構によると390万円と見積もっています。
【出典】 独立行政法人中小企業基盤整備機構
なお、ネイルサロンを開業するときに、助成金も利用したいところです。開業の資金を応援してくれるので、積極的に情報を収集します。
◆ ネイルサロンの開業で利用しやすい助成金
4. 内装
ネイルサロンの内装を考えるにあたって、雑誌、インターネットに載っているサロンを調べつつ、イメージを固めていきます。
参考になるWebサイトとしては、次の2つがおすすめです。
◆ RoomClip
住まいとインテリアの写真投稿サイトです。ネイルサロンと検索をすると、498枚の画像が表示されます。白を基調にするか、あるいはナチュラルな雰囲気にするかなど、イメージを決めます。
◆ 店舗デザイン.com
デザイン事例で、エステ・リラクゼーション・ネイルサロンで検索をすると、784件の事例が
表示されます。
イメージを固めたら、机やキャビネットなどの家具の配置を決め、必要な什器や備品をそろえていきます。
5. 必要なもの(什器・備品)
ネイルサロンを開業する前に、サロンに必要なものをリストアップしてみました。
◆ ネイルサロンに必要なもの
- いす(お客様用、ネイリスト用)※ネイリスト用はキャスター付きが便利
- テーブル(横約120cm × 奥行45~70cm × 高さ70~75cm)
- 道具・用品(筆、ファイル、ジェルなど)
- ワゴン
- 手元用のライト(ライトの位置を自由に動かせるタイプが便利)
- 収納用品
- 荷物かご
- ハンガーラック
- ゴミ箱
- ディスプレイ棚(エナメル、エクステンションなどのサンプルを並べる)
- スリッパ(スタッフ用、お客さま用の両方)
- クッション
- 加湿器・空気清浄機
- ティーポットセット
- 洗濯機
- タオルウォーマー
- 雑誌
- マガジンラック
- パソコン
- 電話&FAX
- レジ
なお、ネイル用の用品を買うときには、Web問屋を使うと、安く買いそろえられます。
◆ Beauty Garage
ジェルやネイルブラシ、アートパーツ、ネイルテーブル、スツール・ワゴン、チェア、タオルなど、様々なアイテムをネットで購入できます。
また、レジについては無料で始められるレジアプリもあります。別記事でまとめています。
【参考記事】 ・ エアレジとスクエアを比較!選ぶ前に知りたい6つの違い
6. ホームページ
ネイルサロンを開業するにあたって、新規のお客様を増やすには、ホームページは欠かせません。
アートサンプルなどを載せて、得意分野をアピールします。そして、TwitterやFacebook、Instagramと連携して、こまめに情報を発信します。
◆ 発信する内容の例
- 季節ごとの新作のネイルチップの写真
- お客様のネイルの写真
- 予約の空き情報
- キャンペーン情報(いいね!をクリックすると割引がされるなど)
- 問い合わせ先(営業時間、定休日、電話番号、地図)
- メニュー・デザイン表
なお、ホームページを作るときには、無料で作れて、SNSと連携できるツールを使います。
◆ 無料でホームページを作れるツール
例えば、Wixはテンプレートがあり、写真と文字を変えるだけで、ホームページを作れます。
また、Jimdoは、Googleマップの設置や、問い合わせフォームによる予約などが簡単です。
グーペは、予約フォームやクーポン、割引、キャンペーン情報を載せられます。
それぞれのツールの特徴は別記事でまとめています。
【参考記事】 ・ Wixのメリットとデメリット!使い方、デザイン、料金、セキュリティ
・ Jimdoの11のメリットと4つのデメリット!使い方やホームページの作り方
・ グーペの7つのメリットと4つのデメリットを徹底比較!
・ グーペとWixを比較!選ぶ前に知りたい5つの違い
・ グーペとJimdoを比較!選ぶ前に知りたい7つの違い
7. チラシ
サロンを地元の方に知って頂くためには、チラシの配布も有効です。オープンを知らせるDMやチラシは早めに用意します。
最寄り駅やスーパーの前など、お客さまが来そうな場所に置かせてもらいます。また、カフェや雑貨店などにも置かせてもらいます。
チラシを作るときには、ひな形を使うと便利です。
◆ チラシのテンプレート
印刷通販サイトのラクスルに、無料で使える28種類のテンプレートが用意されています。好みのテンプレートを選び、文字や写真を差し替えることで、チラシを作れます。
ラクスル チラシテンプレート (ネイルサロンで検索します)
【参考記事】 ・ チラシのタイトルの作り方!グッと心を掴むキーワードと配置方法
8. ショップカード
ネイルサロンの集客を増やすためには、リピーターを増やすことが欠かせません。
そこで、紹介者に20%オフにする、施術日に次回の予約をいれると10%オフにするなどのサービスを加えることで、リピーターを増やします。
そのために、紹介カードやショップカードは効果的です。前章で紹介したラクスルでは、紹介カードなどのひな形もあります。
来店を重ねるごとに、ポイントや特典がもらえるカードや、常連のお客さまへのスタンプカードなど、色々な種類があるので、確認してみてください。
【参考記事】 ・ ハンドメイド作家必見!ショップカード・名刺の作り方(見本付き)
9. 資格
ネイルサロンを開業するにあたり、資格は必要ありません。ただ、技術面でお客様に安心してもらうために、資格を取得するのも一つです。
検定種類 | 級 | 内容 |
ネイリスト技能検定 | 1級 | トップレベルのネイリストとして必要とされる総合的な技術・知識 |
2級 | サロンワークで通用するネイルケア、リペア、チップなど技術・知識 | |
3級 | ネイルケア、ネイルアートに関する基本的な技術及び知識。 | |
JNAジェルネイル技能検定 | 上級 | ジェルネイルのスペシャリストとして必要とされる総合的知識と技術 |
中級 | ネイルに関する基礎知識、ネイルケア・ジェルネイルの手順 | |
初級 | ネイル・ジェルネイルに関する基本的な知識 |
ネイルの資格を取得するには、2つの方法があります。
- ネイルスクールに通う
- 通信講座で学ぶ
ネイルのスクールは、体系だって技術を学べたり、資格の取得をサポートしてくれます。さらに、土日で学べる講座や、月2回から学べる講座もあります。人気のスクールを紹介します。
◆ ヒューマンアカデミー
ネイリスト技能検定3級、JNAジェルネイル技能検定初級レベルのスタートコースから、ネイリスト技能検定1級、JNAジェルネイル技能検定上級レベルのプロフェッショナルコースまで、取得したい資格に合わせて、コースを選択できます。
JNA認定講師が教えるスクールで、通学とeラーニングを組み合わせて、学習を進めます。
また、自分の空いている時間に通信講座で学ぶのも一つです。スクールに通うよりも、安く技術を習得できます。なお、日本ネイリスト協会が認定している講師がいる講座や、添削の回数が多い、資格取得を支援してくれるなど、様々な講座があります。
◆ ジェルネイル講座
6ヶ月でプロのジェルネイル技術が習得出来る講座内容となっています。
10 開業届
個人事業主としてサロンを開業する場合、開業届を提出する必要があります。
開業届とは、正式には、「個人事業の開業・廃業等届出書」といいます。国税庁のホームページ
あるいは、最寄りの税務署で用紙を受け取れます。
住所や屋号、事業内容などを記入し、税務署の窓口に提出します。なお、提出期限は開業してから1か月以内となっています。
なお、開業届を無料で作れるツールもあります。
確定申告ソフトのfreeeが提供するツールで、名前や住所などを入力すると、開業届に必要な書類を作成してくれます。
【参考記事】 ・ 個人事業主の開業届の入手方法、提出先、期限(いつまで)、費用
まとめ
本記事は、ネイルサロンの開業に必要なものや開業資金、資格、助成金などの基礎知識をご紹介しました。
なお、開業に役立つ情報や、ネイルチップを販売する方法などは別記事でまとめています。
【参考記事】・ 自営業の始め方!職種や屋号の決め方、開業届、確定申告、税金などの11の知識
・ 起業前のチェックリスト! 絶対に準備しておきたい15のこと
・ ネイルチップを作成・販売して副業する方法!通販サイトや有利な資格
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Writer/編集者: 松田康