トランビは、事業承継やM&Aのマッチングサイトですが、その使い勝手や評判はどうでしょうか。
案件が1,000件以上と豊富で、飲食店や小売、ものづくりやウェブサイトと業種は多岐にわたります。さらに、売り手は無料、買い手は3%の手数料と安く、コストを抑えてM&Aをできます。
一方、希望に合う案件を自分で探す必要がある点と、本人確認ができていない利用者がいる点は注意が必要です。そこで、トランビを利用する前に知っておきたいポイントをまとめました。
本記事は、トランビ(TRANBI)の使い勝手と評判をご紹介します。
1. トランビの便利な点
トランビの便利な点は4点あります。
それぞれを詳細にご紹介します。
1.1 案件
中小企業庁のホームページによると、M&Aを検討したが、具体的な交渉に至らない理由として、相手先が見つからない点を挙げられています。
【出典】 中小企業庁 M&Aを検討したものの、実施しなかった企業の実態
一方、トランビは豊富なM&A案件が登録されており、2019年8月時点で1,619件の案件が掲載されてます。業種も多岐にわたり、飲食店やものづくり、ウェブサイトなど様々な案件があります。
飲食店 | 269件 |
ウェブサイト | 277件 |
商社・小売・流通 | 222件 |
ホテル・旅館・温泉 | 81件 |
ものづくり・メーカー | 119件 |
医療・介護 | 144件 |
住宅・不動産・建設 | 101件 |
教室・教育・ノウハウ | 102件 |
金融・サービス・その他 | 304件 |
合計 | 1,619件 |
また、日本全国の案件を扱っており、海外の案件もあります。
関東・甲信越 | 616件 |
近畿 | 156件 |
中部・北陸 | 124件 |
九州・沖縄 | 103件 |
中国・四国 | 52件 |
海外 | 41件 |
東北 | 40件 |
北海道 | 39件 |
その他 | 26件 |
売り手は、平均10日間で11社の買い手が見つかっています。多くの買い手を見つけることで、より好条件で事業を売るチャンスを得られます。
1.2 手数料
前述した中小企業庁のホームページによると、M&Aを検討したが成約しなかった理由の一つとして、高い手数料が挙がっています。
【出典】 中小企業庁 M&Aを検討したものの、実施しなかった企業の実態
一方、トランビは、手数料が安く、売り手や買い手の負担をかけずに、M&Aの売買を行えます。
買い手 | 売り手 | |
成約前 | 無料 | 無料 |
成約後 | 3% | 無料 |
売り手は、成約日から7営業日以内に、トランビ側に成約を報告すれば、無料で利用できます。
但し、期限を過ぎて報告した場合には、成約手数料が発生したり、遅延損害金が発生する可能性があるため、注意が必要です。
1.3 匿名の掲載
トランビは、社名を出さずに、匿名で案件を掲載できます。そのため、従業員や取引先に伝えることなく、自社の売却を進められます。
そして、買い手から実名交渉の申請があったタイミングで、買い手の社名と担当者を知れ、実名交渉に適していると判断した段階で、自社の実名を伝えることができます。
なお、実名交渉を申請する段階で、トランビとの秘密保持契約に同意する必要があります。
1.4 M&A専門家
M&Aを行うにあたり、専門家にサポートしてもらいたい場合もあります。トランビは、M&Aの専門家にM&Aの準備や交渉成立までの作業を代行するサービスを用意しています。
専門家におまかせするプランとしては、2種類のサービスがあります。
- コーディネーターコース
- FAコース
コーディネーターコースは、匿名交渉までをサポートしてくれる内容であるのに対し、FAコースは、交渉成立までのフェーズをサポートしてくれます。
サービス | コーディネーターコース | FAコース |
サービス内容 | ユーザー登録 案件検索・登録 匿名交渉サポート |
準備から交渉成立まで |
料金(売り手) | 初期費用10万円 月額5万円 |
300万円 |
料金(買い手) | 初期費用5万円 月額5万円 |
300万円 |
専門家に相談するプランとしては、2種類あります。
- 会計士コース
- 会計士・弁護士コース
M&Aと会計、財務、法務に関する知見を持つ専門家を探すのは容易でなく、トランビで実績のある専門家を利用できるのは便利です。
サービス | 会計士コース | 会計士・弁護士コース | |
サービス内容 | 売り手 | 価値算定 契約書チェック |
価値算定 契約書作成 |
買い手 | 財務調査 価値算定 契約書チェック |
財務調査 法務調査 価値算定 契約書作成 |
|
料金 | 売り手 | 60万円 | 80万円 |
買い手 | 150万円 | 200万円 |
サービスの利用の仕方としては、トランビに相談をして、専門家を選び、それから専門家と相談する流れとなります。
2. トランビの不便な点
前章では、トランビの便利な点をご紹介しました。次に、評判とは異なり、不便な点をご紹介します。
それぞれを詳細に説明します。
2.1 探す手間
トランビは、M&Aの案件を仲介するプラットフォームという位置付けであり、個々の案件について
具体的に紹介するサービスはありません。
そのため、自分の希望の条件にあう案件を自力で探す必要があります。
ただし、ユーザー登録をすることで、自分の希望の条件に合致した案件を、メールで通知してもらう機能があります。そのため、サイトに日々アクセスしなくても、新着情報を取得できます。
2.2 本人確認
トランビは、すべてのユーザーの本人確認をしているわけではありません。そのため、本人確認ができている方の案件のほうが、より安全に取引できる可能性があります。
なお、トランビでは、本人確認として、次のような資料を求めています。
- 履歴事項全部証明書
- 名刺
- 本人確認書類(運転免許証、健康保険証または被保険者証、パスポートのいずれか)
まとめ
本記事は、トランビの使い勝手と評判をご紹介しました。
おさらいをすると、トランビのメリットは4点あります。
- 案件が豊富である
- 手数料が安い
- 匿名で掲載できる
- M&Aの専門家を利用できる
また、トランビのデメリットは2点あります。
- 希望に合う案件を自分で探す必要がある
- すべてのユーザーが本人確認できているわけではない
なお、M&Aや事業承継に関するサイトを別記事でまとめています。
【参考記事】 ・ 事業承継・M&Aマッチングサイトの一覧!国内22サイトをご紹介
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Writer/編集者: 松田康