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デザイナーがフリーランスになる手順!独立前に準備する10のこと


デザイナーがフリーランスになるには、どのような手順で、準備を進めればいいのでしょうか。

開業費の用意はもちろん、事務所の準備、開業届の提出、銀行口座の開設、退職手続きや保険の切り替えなどを行います。さらに、営業活動や見積書・請求書の準備も進めたいところです。

そこで、デザイナーがフリーランスとして独立する前に準備したいことをまとめました。

本記事は、デザイナーがフリーランスになる方法や、独立前に準備したいことをご紹介します。

 

デザイナーがフリーランスになる前に準備したいこと

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デザイナーがフリーランスになる前に準備したい10のポイントをまとめました。

  1.  開業費
  2.  働く場所
  3.  開業手続き
  4.  銀行口座
  5.  退職手続き
  6.  営業活動
  7.  見積書
  8.  請求書
  9.  名刺
  10.  開業の挨拶状

それぞれを詳細に説明します。

 

1 開業費

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デザイナーがフリーランスとして仕事を始めるには、どのくらいの開業費用が必要でしょうか。

自宅を仕事場にする場合と、事務所を借りる場合で、開業費用が変わってきます。それぞれで発生する費用の項目と相場を一覧にしました。

費用項目 自宅で働く 事務所を借りる
事務所取得費用(敷金、礼金、権利金、契約手数料) 0円 900,000円
事務所改装費用 0円 250,000円
机、いす、棚など 0円 100,000円
パソコン、ソフトウェア、周辺機器 500,000円 500,000円
FAX、プリンター複合機 50,000円 50,000円
事務用品(文房具、封筒など) 30,000円 30,000円
名刺、パンフレットなど 80,000円 80,000円
合計 660,000円 1,910,000円

やはり事務所を借りると費用がかかります。

なお、独立行政法人中小企業基盤整備機構によると、(事務所費用などを除いた)設備資金は50万円~150万円が必要と掲載されています。

【出典】 独立行政法人中小企業基盤整備機構 グラフィックデザイナーの開業費用

 

2 働く場所

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上記で紹介した通り、事務所を借りるには、賃料が発生します。そのため、初期費用を抑えるときには、自宅で始めたり、インキュベーションセンターレンタルオフィスを使う方法があります。

インキュベーションセンターは、起業家を支援することを目的に、自治体が運営している施設です。安い家賃で事務所を使えたり、独立に関するサポートを受けられます。

◆ おすすめのインキュベーションセンター

一方、レンタルオフィスコワーキングスペースを利用する方法もあります。ビルのワンフロアを改装して、小さなブースを作り、事務所として利用できます。会議室やコピー、Faxなどは共有エリアに置かれており、セミナーや交流会なども盛んです。

別記事で、コワーキングスペースの特徴や設備、料金についてまとめています。

【参考記事】・コワーキングスペースおすすめ19選!エリア、設備、サービス、料金で比較

 

3 開業手続き

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会社を設立せずに、フリーランスとして開業する場合でも、個人事業の開廃業等届出書を所轄の税務署に提出する必要があります。

国税庁のホームページに書類があるので、ダウンロードをして、記入をして税務署に提出します。

税務署に届け出を提出するときには、控えに収受印を教えてもらい、その書類を保管しておくと銀行口座を開設するときに便利です。

なお、開業届けの出し方や提出期限については別記事でまとめています。

【参考記事】 ・ 個人事業主の開業届の入手方法、提出先、期限(いつまで)、費用

 

4 銀行口座

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独立をすると、税金の申告は自分で行う必要があります。毎年3月中旬までに1年間の損益の状況を計算し、支払う税金を算出、報告をします。

確定申告をするにあたり、プライベート用とビジネス用の銀行口座を分けておかないと、仕事で使ったのか、プライベートで使ったのか、判断する必要がでてきます。

そのため、フリーランスとして事業を始めるにあたり、ビジネス用の銀行口座があると便利です。銀行口座の選び方は別記事でまとめています。

【参考記事】 ・ 個人事業主・フリーランスにおすすめの銀行口座6選!

 

5 退職手続き

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独立を決意し、退職をするときには、2~3か月前から上司に相談をします。

退職の意思を伝えてから、新しいスタッフを採用するのに、1か月以上の期間がかかるため、できるだけ、早めに伝えておくと親切です。

なお、退職の意思を伝えてから、退職願を提出します。また、退職後に転職する場合と、独立する場合では、会社側の手続きが異なるため、独立するための退職と伝えます。

そして、退職時に会社から雇用保険被保険者証や年金手帳などを受け取ります。

会社に返す書類 ・健康保険被保険者証
・社員証
会社から受け取る書類 ・雇用保険被保険者証
・年金手帳
・源泉徴収票
・離職票

独立をするときに、気を付けたいのが社会保険税金の手続きです。これまで、会社で加入していた社会保険は脱退し、フリーランスの場合には、国民年金国民健康保険に加入します。

この手続きに漏れがあると、医療機関の診察を受けるときに困ったりするので、加入手続きは忘れずに進めます。

国民健康保険の加入の仕方や、保険料については、国民健康保険の窓口に確認をします。

 

6 営業活動

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独立して仕事をスムーズに始めるために、営業活動を準備します。フリーランス白書2019によると、フリーランスで仕事を獲得する方法として、人脈、過去・現在の取引先が大半を占めます。

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【出典先】 一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会「フリーランス白書 2019」 P11

営業をするときには、仕事のマッチングサイトに登録したり、エージェントサービスを利用するのも一案です。

福利厚生育児サポートを提供するサービスや、契約管理入金の確認確定申告の支援などの付加価値を提供してくれる企業が増えています。

◆ おすすめのマッチングサイト、エージェント

【参考記事】 ・ クラウドテックの使い勝手と評判!マージン、手数料、福利厚生
       ・ ITプロパートナーズの評判や口コミ!メリット・デメリット

さらに、こちらから情報を発信するためには、会社に作品のファイルを送ってみたり、展覧会を開催したりする案があります。

◆ 情報発信の案

  •  求人をしている会社に作品のファイルを送る
  •  ウェブサイトを作る
  •  デザイン関連協会に参加する
  •  雑誌、新聞に自己紹介資料、作品ファイルを送る
  •  展覧会を開催する

なお、フリーランス向けのデザイナー募集するサイトについては、別記事でまとめています。

【参考記事】 ・ フリーランスのデザイナー募集サイトを比較!おすすめ14選(在宅可、年収)

 

7 見積書

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フリーランスが抱える課題として、報酬の不払い減額支払遅延があります。

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【出典】 ・ 厚生労働省による「雇用類似の働き方に関する検討会」 P29

特に、仕事を納品し、請求書を出す段階で、金額でもめないようにする必要があります。そのため、仕事をする前に見積書を提出し、デザイン料の相談をし、書面でまとめておきます。

見積書を作るときには、テンプレートやサンプルが便利です。

◆ 見積書のテンプレート(Misoca)

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無料で見積書や請求書が作れるソフトのMisocaが提供するテンプレートです。7種類のテンプレートがあります。

Misocaの見積書のテンプレート

さらに、見積書を作るときには、顧客名氏名、事務所名、住所、電話番号、発行年月日、見積書の有効期限、件名、受渡しの期日金額などを掲載します。

件名については、ポスターやDM、チラシ、パンフレット、Webデザインなど、取り扱う内容によって、記載する項目は変わりますが、一般的には次のような項目を掲載します。

  •  レイアウト料
  •  データ作成料
  •  カバー、帯、表紙デザイン料
  •  アートディレクション料
  •  ナビゲーションデザイン料
  •  ページデザイン料
  •  リニューアル料

 

8 請求書

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フリーランスとして独立したときに、クライアントと金銭的なトラブルを回避するため、請求書は早め早めに作成し、顧客先に送ります。

請求書を作るときも、テンプレートやサンプルを使うと便利です。

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前章で紹介したMisocaのテンプレートです。100種類以上のテンプレートがあるので、好みのテンプレートを使ってみてください。

Misocaの請求書のテンプレート

請求書を作成するときには、顧客名氏名、事務所名、住所、電話番号、取引銀行の口座名請求する項目、数量、単価、合計金額などを記入します。

売上が1,000万以下の個人の場合には、10%の源泉所得税分を加えた金額で記載します。源泉所得とは、クライアントが報酬を受け取るときに、源泉税として報酬金額の10%を預かり、本人に変わって税金として納めます。

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【出典】・ 国税庁ホームページ(第5 報酬・料金等の源泉徴収事務)
    ・ 国税庁ホームページ 原稿等の報酬又は料金

なお、請求書の書き方については、別記事でまとめています。

【参考記事】 ・ 請求書の書き方(個人事業主向けの見本・テンプレートつき)

 

9 名刺

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フリーランスとして独立したら、自分らしいデザインの名刺を作りたいところです。紙や印刷にひと工夫をすることで、個性的な名刺を作れます。

名刺印刷の通販サイトのなかには、サンプルやテンプレートがあるので参考になります。

◆ WhooWhoo

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おしゃれ名刺に特化した通販サイトで、カジュアル、カラフル、クール、キュート、エレガント、フォーマル、モダンなどテイストに合わせて、様々なテンプレートを見れます。

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また、名刺を印刷するときは、小ロット印刷が得意なネット通販の印刷サービスに頼むほうが低コストに仕上がります。

◆ おすすめの印刷通販サービス

 

10 開業の挨拶状

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開業をしたら、開業の挨拶状を送ります。今後の抱負とともに、どのような仕事をしていく予定かさりげなくアピールをしておきます。

次の6点を書いておきます。

  •  時候の挨拶
  •  独立の連絡
  •  今後の抱負
  •  末文の挨拶
  •  日付
  •  氏名、連絡先

なお、開業の挨拶状に関する文例は別記事でまとめています。

【参考記事】 ・ 開業の挨拶状 ~書き方と7つの文例~

 

まとめ

本記事は、デザイナーがフリーランスになる方法や、独立前に準備したいことをご紹介しました。

なお、起業する前にチェックしておきたいことや、確定申告の仕方、副業の仕方については別記事でまとめています。

【参考記事】 ・ 起業前のチェックリスト! 絶対に準備しておきたい15のこと
       ・ 自営業の経理!ゼロから始める確定申告までの10の作業と便利ソフト
       ・ ウェブデザイナーの副業を探せるサイト7選!仕事と収入の目安

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Writer/編集者: 松田康


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