独学でAIエンジニアになるためには、どのような勉強方法があるのでしょうか。
書籍で学習を進めるのが王道ですが、無料で学べるオンラインビデオも有効です。さらに、他の人と切磋琢磨するために、イベントや勉強会に参加するのも一案です。
そこで、人工知能を勉強したい方向けに、おすすめの勉強法をまとめました。
本記事は、独学でAIエンジニアになるために役立つオンラインビデオ、勉強会やコミュニティ、書籍9冊をご紹介します。
1. おすすめのオンライン講座
AIについて学習を進めるにあたり、無料で学べる講座や、開発環境を用意してる講座など、多種多様な講座があります。
おすすめのオンライン講座は6つあります。
1.1 Coursera
スタンフォード大学のコンピューターサイエンスの教授によって設立されたオンラインビデオコースで、4,500万人以上の方が学習しています。スマホ向けのアプリでも学べるため、いつでもどこでも、すき間時間に学習できます。
アンドリュー・ウー教授によるMachine Learningがおすすめで、初心者向けに基礎を解説してくれます。日本語の字幕もあります。無料で学習できる講座が多数あります。
Courseraに関する口コミをあつめてみました。
coursera Week8終了
K-Means見て、こんなので本当にグループ分けできんのかと思ったけど、課題やってみたらしっかり本当に割り振りできていて驚き…#Coursera #機械学習 #駆け出しエンジニアと繋がりたい pic.twitter.com/xp9iryqS8N— ぬう (@nuuinon) May 30, 2020
軽い気持ちでCourseraのアルゴリズムコース受けてみたけど初っ端の課題がめっちゃ重い、、目安8時間って、、https://t.co/7dA27wZC71 @Coursera
— おのけー (@dorokei) May 31, 2020
1.2 Udemy
100,000個のオンライン講座があります。機械学習やPythonに関する講座はもちろん、HTML、CSS、JavaScriptなどのウェブ開発関係の講座やクラウド技術の講座など多種多様です。
1講座1,500円~3万円くらいの講座が大半です。
Udemyに関する口コミをあつめてみました。
Udemy講座を参考に画像を与えると羊かヤギかを判別してくれる機械学習アプリを作成してみました(識別率は70%ほどのゴミですがw)。 pic.twitter.com/rrYWDZBv3f
— 最高だぜ (@123sorajirou) May 29, 2020
Udemyの『実践 Python データサイエンス』一通り終わったー(付録は除く)。ちまちま受けてたから結構時間かかった。モデル構築については業務でやってるから既知の内容が多かったけど、seabornの使い方とかはすごく勉強になった。 pic.twitter.com/F10XnCjYkc
— ken (@HandaKen) May 31, 2020
1.3 PyQ
Pythonの初心者から実務者向けのオンライン講座があります。自分で開発環境を用意しなくても、ブラウザーがあれば、自分で学習を進めていけるという特徴があります。
料金は月額3,040円から始められます。
◆ PyQに関する口コミをあつめてみました。
Progateをやった後に、もっとPythonについて詳しく知りたい、という場合は #PyQ がおすすめです。問題数がとても多いので、自身の課題解決に必要な最低限の部分だけやって、実務に移るのが良いでしょう。https://t.co/azrbpSyc0e
— ゆきや@創薬エンジニア (@yukiya285) May 31, 2020
1.4 Udacity
世界最大級のオンラインビデオ学習サイトです。200以上の講座と10万人以上の受講者がいます。ビジネスリーダー向けのAI活用講座や、Tensorflowを使った機械学習講座や、Pythonを使ったプログラミング講座などが豊富にあります。
無料の講座と有料の講座があり、すべて英語表記となっています。
1.5 Aidemy
コードを書きながら、学習できるオンライン講座があります。環境構築を自分で作らなくてもブラウザ上で演習できます。
Python入門、機械学習入門、ディープラーニング基礎については、無料で受講できます。また、数学の知識がなくても、受講できるカリキュラムになっています。
◆ Aidemyに関する口コミをあつめてみました。
#今日の積み上げ
106日目1.データ分析予測(kaggleデータ使用)
2.G検定、英会話
3.統計
4.SQL
5.python3aidemyで見れるG検定対策講座の講師勤めてる方、
知識量あり過ぎて驚きしかないです。
専門家とはこう有るべきなんだろうとしみじみ思いました。— メガネ (@mega_megane9) May 30, 2020
Aidemyで、本日終了の講習を追い込み中。やっぱ動機づけがないと半年の期間があってもなかなか進まない。
— hidebo_san (@hidebo_san) May 31, 2020
https://twitter.com/801YutaKa108/status/1192061446995054592
【参考記事】 ・ 人工知能・AIプログラミングスクールおすすめ7選(無料、社会人向け)
2. 勉強会
人工知能に関する独習をすすめるうえで、勉強会に参加することで、疑問点を解消できたり、意識を高めることもできます。
最新の技術動向やツール、サービスなどの情報を得たり、どのような方法で学ぶのがいいかなどを効率よく情報収集できます。
勉強会を探すときに便利なサイトは3つあります。
2.1 Doorkeeper
検索キーワードと都道府県を選ぶことで、自分の興味ある勉強会やコミュニティを探せます。2020年3月10日時点で、機械学習関連で、45のイベントと77のコミュニティがありました。
2.2 Connpass
キーワードと開催日、都道府県などを選ぶことで、興味のある勉強会を探せます。オンラインで受講できる勉強会などもあります。2020年3月10日時点で、機械学習関連で、115件の勉強会がありました。
2.3 Techplay
キーワード、タグ、エリア、開催日、人気イベントなどの条件を選ぶことで、勉強会を探せます。機械学習関連で、175件のイベントが見つかりました。
3. おすすめの書籍
人工知能を勉強したい方にとって、おすすめの書籍は何でしょうか。
文系初心者向けの書籍と、エンジニア向けの書籍に分けて、おすすめの書籍を9冊ご紹介します。
3.1 文系・初心者向けの書籍
初心者にとって学びたい内容は、人工知能の概要や仕組み、活用方法が挙げられます。そこで、入門編として、おすすめの書籍は4冊あります。
◆ 超初心者向け
人工知能は人間を超えるか。ディープラーニングの先にあるもの 2015/3/11 松尾 豊(著)
<目次>
- はじめに 人工知能の春
- 序章 広がる人工知能
- 第1章 人工知能とは何か
- 第2章 「推論」と「探索」の時代
- 第3章 「知識」を入れると賢くなる
- 第4章 「機械学習」の静かな広がり
- 第5章 静寂を破る「ディープラーニング」
- 第6章 人工知能は人間を超えるか
- 終章 変わりゆく世界
日本のAI研究者である東京大学の松尾豊教授が執筆した書籍で、人工知能の現状と展望を紹介しています。人工知能に対する期待値と、課題を把握できます。人工知能の入門書として、金字塔的な書籍です。
60分でわかる! 機械学習&ディープラーニング 超入門 2017/4/12 機械学習研究会(著)
<目次>
- 第1章 今さら聞けない! 機械学習の基本
- 第2章 未来の話じゃない! 実用される機会学習
- 第3章 そうだったのか! 機械学習のしくみ
- 第4章 機械学習をビジネスに導入する
- 第5章 機械学習ビジネスの未来
機械学習やディープラーニングの基礎知識や、事例などを紹介した書籍で、ビジネスでどう活用するかを紹介しています。さらに、機械学習の仕組みやビジネスでの導入効果を理解できます。
◆ 数学に自信の無い方向け
人工知能プログラミングのための数学がわかる本 2018/2/24 石川 聡彦(著)
<目次>
- CHAPTER 1 数学基礎
- CHAPTER 2 微分
- CHAPTER 3 線形代数
- CHAPTER 4 確率・統計
- CHAPTER 5 実践編1 回帰モデルで住宅価格を推定してみよう
- CHAPTER 6 実践編2 自然言語処理で文学作品の作者を当てよう
- CHAPTER 7 実践編3 ディープラーニングで手書き数字認識をしてみよう
AIプログラミングに必要な高校数学を、基礎から復習し、学べる本です。中学1年の数学の基礎から高校の数学を復習します。
そのうえで、ディープラーニング、ニューラルネットワーク、最小2乗法、勾配降下法、誤差逆伝播法などで利用する微分を学びます。
さらに、膨大なデータや複雑なシステムを扱うのに役立つ線形代数を学びます。そして、ベクトルや行列、線形変換を学びます。さらに、確率・統計を学び、分散・尤度・正規分布を理解します。
中学・高校の数学を復習しつつ、AIでの活用方法が学べるので、スッと頭に入ります。
◆ 人工知能の基礎知識を網羅的に学びたい方向け
ビジネスの構築から最新技術までを網羅 AIの教科書 2019/6/6 伊本 貴士 (著)
<目次>
- 第1章【基礎編】人工知能(AI)の世界
- 第2章【ビジネス編】産業別に見た人工知能事例と未来予想図
- 第3章【ビジネス編】人工知能活用に関する国の施策
- 第4章【ビジネス編】人工知能プロジェクトの進め方と注意点
- 第5章【技術編】機械学習 ~これまでの人工知能と歴史~
- 第6章【技術編】ディープラーニング ~現在の人工知能~
- 第7章【技術編】人工知能開発と運用管理
- 第8章【技術編】人工知能の最新技術 ~これからの人工知能~
- 第9章 人工知能開発に関するいろいろなFAQ
人工知能の基礎的な知識やビジネスでの活用事例、人工知能の仕組みや導入プロジェクトの推進方法などを学べます。
3.2 エンジニア向けの書籍
次に、機械学習やディープラーニングを、エンジニアとして学ぶのに、おすすめの書籍を5冊ご紹介します。
◆ ディープラーニングの原理を理解したい方向け
ゼロから作るDeep Learning ―Pythonで学ぶディープラーニングの理論と実装
<目次>
- 1章 Python入門
- 2章 パーセプトロン
- 3章 ニューラルネットワーク
- 4章 ニューラルネットワークの学習
- 5章 誤差逆伝播法
- 6章 学習に関するテクニック
- 7章 畳み込みニューラルネットワーク
- 8章 ディープラーニング
初心者向けに、Pythonの使い方を学べます。さらに、ニューラルネットワークや誤差逆伝播法、畳み込みニューラルネットワーク、ディープラーニングの理論、応用例などを学べます。
◆ 機械学習・ディープラーニングの手法を理解したい方向け
図解入門 よくわかる最新機械学習の基本と仕組み 2019/9/14 長橋 賢吾 (著)
<目次>
- 第1章 機械学習を理解する6つの疑問
- 第2章 回帰モデルによる値予測
- 第3章 グループ分類
- 第4章 主成分分析による次元削減
- 第5章 クラス識別
- 第6章 ディープラーニングの基礎
- 第7章 ディープラーニングの応用
- 第8章 機械学習環境の導入と実行
機械学習やディープラーニングは数学によって裏付けられているので、数式を使うことが多いですが、数式を最小限のとどめて、機械学習、ディープラーニングの手法をわかりやすく学べます。
機械学習の手法として、回帰モデルによる値予測、クラスタリング、サポートベクターマシン、ニューラルネットワーク、誤差関数、勾配降下法、畳み込みニューラルネットワーク、転移学習、畳み込みオートエンコーダーなどを学びます。
データサイエンティスト養成読本 機械学習入門編 2015/9/10 比戸 将平 他 (著)
<目次>
- 第1部 しくみと概要を学ぼう!
- 特集1 機械学習を使いたい人のための入門講座
- 特集2 機械学習の基礎知識
- 特集3 ビジネスに導入する機械学習
- 特集4 深層学習最前線
- 第2部 手を動かして学ぼう!
- 特集1 機械学習ソフトウェアの概観
- 特集2 Pythonによる機械学習入門
- 特集3 推薦システム入門
- 特集4 Pythonで画像認識にチャレンジ
- 特集5 Jubatusによる異常検知
機械学習の技術的な基礎知識を学べます。具体的には、アルゴリズムやビジネスへの活用方法、Pythonを用いた機械学習、画像認識、推薦エンジンなどをサンプルコードをもとに学べます。
Python機械学習プログラミング 達人データサイエンティストによる理論と実践 2016/6/30
Sebastian Raschka (著)
<目次>
- 第1章 「データから学習する能力」をコンピューターに与える
- 第2章 分類問題--単純な機械学習アルゴリズムのトレーニング
- 第3章 分類問題--機械学習アルゴリズムscikit-learnの活用
- 第4章 データ前処理--よりよいトレーニングキットの構築
- 第5章 次元削減でデータを圧縮する
- 第6章 モデルの評価とハイパーパラメータのチューニングのベストプラクティス
- 第7章 アンサンブル学習--異なるモデルの組み合わせ
- 第8章 機械学習の適用1--感情分析
- 第9章 機械学習の適用2--Webアプリケーション
- 第10章 回帰分析--連続値をとる目的変数の予測
- 第11章 クラスタ分析--ラベルなしデータの分析
- 第12章 多層人工ニューラルネットワークを一から実装
- 第13章 ニューラルネットワークのトレーニングをTensorFlowで並列化
- 第14章 TensorFlowのメカニズムと機能
- 第15章 画像の分類--ディープ畳み込みニューラルネットワーク
- 第16章 系列データのモデル化--リカレントニューラルネットワーク
実践的なサンプルコードを使用して、学習した内容を試してみることで、理解が深まります。
◆ 機械学習を仕事で活用する前に読みたい本
仕事ではじめる機械学習 2018/1/16 有賀 康顕(著)、中山 心太(著)、西林 孝 (著)
<目次>
- 1章 機械学習プロジェクトのはじめ方
- 2章 機械学習で何ができる?
- 3章 学習結果を評価しよう
- 4章 システムに機械学習を組み込む
- 5章 学習のためのリソースを収集しよう
- 6章 効果検証
- 7章 映画の推薦システムをつくる
- 8章 Kickstarterの分析、機械学習を使わないという選択肢
- 9章 Uplift modelingによるマーケティング資源の効率化
機械学習やデータ分析を活用する方法や、プロジェクトの進め方など説明しています。機械学習プロジェクトの流れや学習結果の評価の仕方、学習のためのデータの集め方、効果検証の仕方、システム構成などを解説しています。
まとめ
本記事は、AIエンジニアに独学でなるために、おすすめの勉強法をご紹介しました。おさらいをすると、求める内容によっておすすめの手段が変わります。
求める内容 | おすすめの勉強法・リソース |
体系だって学びたい | 書籍をもとに学ぶ(1章) |
無料で学びたい | Coursera、Udacity |
サンプルコードを触れながら学習したい | Aidemy |
他の人と切磋琢磨しながら修得する | 勉強会やコミュニティに参加する(3章) |
なお、機械学習の資格であるe資格に興味のある方は、別記事でその勉強法をまとめています。
【参考記事】 ・ e検定(e資格)の対策講座を比較!おすすめ10選(料金表付き)
・ 人工知能・AIプログラミングスクールおすすめ7選(無料、社会人向け)
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Writer/編集者: 松田康