パン作りに関する資格は、国家資格から民間資格まで、実に種類豊富です。それぞれの資格で問われる内容は異なり、難易度や取得方法も様々です。
そこで今回は、パン作りに関する資格を7つに厳選し、それぞれの特徴やおすすめのポイント、取得方法などを比較しました。
本記事は、パン作りに関する資格おすすめ7選とその取得方法をご紹介します。
パン資格の選び方! まずは資格の目的を明確に
パン作りの資格を選ぶには、「資格をどう活かしたいのか」「何を学びたいのか」を確認します。例えば、趣味としてパン作りを楽しみたいのか、パン業界で仕事をしたいのかで変わります。
趣味で楽しむ場合
趣味でパン作りを楽しみたい場合は、通信講座で取得できる資格がおすすめです。これらの資格は、パン作りの基礎知識や技術を学べ、自宅で手軽に資格を取得できます。
おすすめの資格: パン・ブーランジェ、パンマイスター、ベーカリーパティシエ
パン業界で働きたい場合
パン業界で働きたい場合は、国家資格や実務経験が求められる資格がおすすめです。これらの資格を取得することで、パン屋の開業やパン製造に関する専門的なスキルを証明することができます。
おすすめの資格: パン製造技能士、パンコーディネーター、パンシェルジュ検定
パン作りの資格おすすめ7選の比較
パン作りの資格を選ぶにあたって、チェックしたいポイントは5つあります。
- 何を学びたいか。(パンの製法、作る工程、栄養学、メニューの作り方、教室の開き方)
- どのような方法で、学ぶか。(通学、通信講座、オンライン講座、公式テキスト)
- どこで検定を受けられるか。(指定の会場、在宅)
- どのくらいの費用がかかるか。(受験料、認定料)
- 難易度はどれくらいか。(合格の点数、合格率)
上記ポイントを踏まえて、おすすめの資格を一覧でご紹介します。
それぞれを詳細にご紹介します。
1. パン製造技能士
厚生労働省が定めた計画に基づいて、中央職業能力開発協会が試験問題等を作成し、試験の実施については各都道府県が行う国家資格です。
試験に合格すると合格証書が交付され、パン製造技能士と名乗れます。特級、1級、2級と種類があります。
- 厚生労働省が定めた国家資格
- パン製造に関する知識と技能が問われる
- パン製造の仕事に就きたい人におすすめ!
◆ 問われる内容(学習内容)
種類 | 問われる内容の例 |
2級 | 強力粉及び中力粉から強力粉を選び、材料を量り、ミキシング、発酵、焼成をし、食パンを作る |
1級 | 指定配合で、水の配合の割合を決め、各材料の使用量を算出。強力粉、中力粉から強力粉を選び、材料を量り、ミキシング、発酵、焼成を行い、食パンを作る |
特級 | 工程管理、作業管理、品質管理、原価管理、安全衛生管理、作業指導及び設備管理などの管理業務 |
【出典】 検定試験公開サイト
◆ 資格取得後のキャリア
人材募集サイトのindeedによると、パン製造技能士の資格取得を支援する企業がありました。
◆ 料金(試験の費用は非課税。標準金額)
実技試験 18,200円 学科試験 3,100円
◆ 難易度
実技試験 60点以上、学科試験は65点以上
◆ 受験場所
各都道府県の指定の試験会場
◆ 運営団体
中央職業能力開発協会
◆ 資格の取得方法
- 通学: 〇(大原学園専門学校、京都製菓製パン技術専門学校、東京製菓学校)
- 通信講座・オンライン講座:-
口コミを調べたところ、Twitterでコメントがありましたので、ご紹介します。
イ・ヘソン、パン製造技能士の試験に合格「3度目の挑戦で…ついに合格!」 https://t.co/3nX7qjNRVd
— GOMAmura (@GOMAmura) May 22, 2021
2. パンコーディネーター
内閣府が所管する日本生涯学習協議会が監修・認定をした資格で、日本パンコーディネーター協会が運営しています。
パンを食べる立場の視点でパンを多角的に捉え、パンの美味しい食べ方・楽しみ方を学びます。さらに、パンの原材料や工程、パンの老化や保存、パンの栄養について学びます。
認定の講座は、3日間で構成されており、1日目と2日目は10:00から18:00、3日目は10:00から15:45までの授業に続いて、16:00から17:00に認定試験が実施されます。
認定取得後には、パンコーディネーターの認定証、認定バッジ、一般社団法人日本パンコーディネーター協会会員カードなどが進呈されます。
- 内閣府が所管する日本生涯学習協議会が監修・認定した民間資格
- パンを食べる側の視点から、パンの知識や楽しみ方を学ぶ
- パン教室を開きたい人や、パンに関する仕事に就きたい人におすすめ!
◆ 問われる内容(学習内容)の例
- パンの歴史、世界のパン
- パンの原材料、パン作りの工程、パンの老化と保存
- パンと栄養学、パンの品質表示、食物アレルギーとパン、食品添加物
- パンのテイスティング、パンのペアリング、パンの食べ方・楽しみ方、パンメニューの提案
◆ 資格取得後のキャリア
パン教室
◆ 料金(税込)
受講料(認定試験料含む) 106,700円、 材料費 3,300円、認定料 21,600円
◆ 難易度
100点中80点以上
◆ 受験会場
日本パンコーディネータ協会 JPCA事務局 会議室(神奈川県横浜市青葉区青葉台)
◆ 運営団体
日本パンコーディネーター協会
◆ 資格の取得方法
- 通学: 日本パンコーディネーター協会
- 通信講座・オンライン講座:-
3. パン・ブーランジェ
一般財団法人 日本技能開発協会が運営する資格です。
パン作りの知識や理論、生地の扱い方、道具を使いこなす技術に関する知識が問われます。さらに、教室の開業や準備、集客に関する知識を学びます。
- パン作りの知識、理論、技術を学べる!
- 通信講座で取得できる
- パン教室を開きたい人や、パンの販売をしたい人におすすめ!
◆ 問われる内容(学習内容)の例
分類 | 問われる内容(学習内容)の例 |
パン作りの知識・理論 |
|
基本パンの製作 |
|
天然酵母のパン |
|
応用パン |
|
教室開業、準備、集客 | 開業までの知識、資金や施設、道具、開業準備、集客方法、指導方法 |
(出典) キャリカレテキスト より
◆ 資格取得後のキャリア
パン教室
◆ 料金(税込)
5,600円
◆ 難易度
得点率70%以上
◆ 受験場所
在宅
◆ 運営団体
一般財団法人 日本技能開発協会
◆ 資格の取得方法
- 通学: –
- 通信講座・オンライン講座:〇(キャリカレ)
4. パンマイスター
日本創芸学院が運営する資格です。
パン作りの基礎から、材料の選び方、菓子パンや酵母パンの作り方まで学べます。カリキュラムを修了されると、日本創芸学院より「パンマイスター」の認定証書を受領します。
- パン作りの基礎から、材料の選び方、菓子パンや酵母パンの作り方まで学べる
- 通信講座で取得できる
- パン教室を開きたい人や、自宅でパン教室を開きたい人におすすめ!
◆ 問われる内容(学習内容)の例
- パンの基本知識、パン作りの準備、パンの基本的な作り方
- 天然酵母の基本知識、全粒粉生地のパンづくり、天然酵母のクロワッサン
- 自家製酵母のパンづくり、ライ麦パンづくり
- 世界のパンレシピ、四季折々のパン、パンバラエティ、パンをおいしく見せるコーディネート
- 米粉パンづくり、パン屋の開業、教室の開き方
◆ 資格取得後のキャリア
パン屋、パン教室
◆ 料金
70,400円 (教材費、認定証書発行費、事務諸経費含む)
◆ 難易度
未公開
◆ 受験場所
在宅
◆ 運営団体
日本創芸学院
◆ 資格の取得方法
- 通学: –
- 通信講座・オンライン講座:〇(日本創芸学院)
口コミを調べたところ、Twitterでコメントがありましたので、ご紹介します。
家事と育児の合間に頑張って進めた通信講座で、パンマイスターの資格取得した認定証書が届いた( ´ ▽ ` )/
そして今日焼いた可愛いパンたち♡ pic.twitter.com/Kmmr9egMCa
— たまお☺︎5y⋆3y⋆1y⑅+35w⋆ (@yu_rainbowbaby) March 13, 2021
5. ベーカリーパティシエ
日本インストラクター技術協会が運営する資格です。
パンの歴史から、パンを作る材料の種類や役割、パンの製法や分類、レシピに関する知識が問われます。パン作りの手順やポイントを理解しているかが問われます。
2か月に1回テストがあり、オンラインで受験できます。
- パンの歴史、材料、製法、レシピを学べる
- オンライン試験で取得できる
- パン教室を開きたい人や、パンに関する仕事に就きたい人におすすめ!
◆ 問われる内容
- 小麦が誕生した歴史、発酵パンが作られる歴史的な経緯、日本のパンの歴史
- パンを作る際の材料(小麦粉、酵母、油脂、乳製品)
- パンの製法、分類(食事パン、調理パン、バラエティブレッド、おやつパン)
- パンのレシピ(クロワッサン、ミルクパン、ブリオッシュなど)
◆ 資格取得後のキャリア
パン教室
◆ 料金
10,000円
◆ 難易度
70%以上の評価
◆ 受験場所
在宅
◆ 運営団体
日本インストラクター技術協会
◆ 資格の取得方法
- 通学: –
- 通信講座・オンライン講座: 〇 (SARAスクール)
6. 手作りパンソムリエ
日本安全食料料理協会が運営する資格です。
手作りパンに関する知識が問われます。具体的には、パンの製法(ストレート法、ポーリッシュ法、発酵種法、中種法、サワー種法など)や、小麦粉や天然酵母、イーストなどの働き、発酵の過程や手順に関する知識が問われます。
- 手作りパンについて学べる!
- 通信講座で取得できる
- 自宅でパン教室を開きたい人や、パンのレシピ本を出版したい人におすすめ
◆ 問われる内容
- パンの製法(ストレート法、発酵種法、ポーリッシュ法)
- パンの分類
- パン作りの注意点
- パン作りの道具
- パンの扱い方
- パンと食中毒
◆ 資格取得後のキャリア
パン教室
◆ 料金
10,000円
◆ 難易度
70%以上の評価
◆ 受験場所
在宅
◆ 運営団体
日本安全食料料理協会
◆ 資格の取得方法
- 通学: –
- 通信講座・オンライン講座:〇( SARAスクール )
なお、口コミを調べていたところ、Twitterにコメントがありましたので、ご紹介します。
手作りパンソムリエの合格認定証がきた✨
チョコレートマイスターと紅茶アドバイザーに続いて3つ目!ヽ(´▽`)/ pic.twitter.com/SHIwD5bkU2
— おたべ (@SATOMO_0768) August 14, 2021
7. パンシェルジュ検定
パンシェルジュ検定運営委員会が主催する資格です。
パンの製法や歴史、文化、マナー、トレンド、健康や衛生に関する知識が問われます。なお、
3級、2級、1級と3種類の資格があります。3級と2級は、オンラインでも受講できます。
- パンの製法、歴史、文化、マナー、トレンド、健康について学べる!
- オンライン試験で取得できる
- パンに関する仕事に就きたい人におすすめ!
◆ 問われる内容(学習内容)の例
分類 | 問われる内容(学習内容)の例 |
3級 | パンの歴史、パンの種類と分類、パンの材料と道具、パンの製法、パンを作る工程、食品衛生 |
2級 | パンのトレンド、小麦、材料、パンづくりの工程、パンとのコンビネーション、天然酵母 |
1級 | パンと料理、パンと健康、パンづくりの工程、パンの未来、パンの経営、パンのサービス |
◆ 資格取得後のキャリア
- 3級: 販売、接客のスタッフ
- 2級: パン教室の講師
- 1級: パン屋のオーナー、ベーカリーの店舗責任者
人材募集サイトのindeedによると、パンシェルジュ検定 の資格取得を支援する企業がありました。
◆ 料金
- 3級: 4,700円
- 2級: 5,900円
- 1級: 7,700円
◆ 難易度
- 3級: 合格率 84%
- 2級: 合格率 65%
- 1級: 合格率 49%
◆ 受験場所
- 3級: 仙台、東京、横浜、名古屋、大阪、岡山、福岡、自宅(オンライン)
- 2級: 仙台、東京、横浜、名古屋、大阪、岡山、福岡、自宅(オンライン)
- 1級: 仙台、東京、横浜、名古屋、大阪、岡山、福岡
◆ 運営団体
パンシェルジュ検定運営委員会
◆ 資格の取得方法
- 通学: –
- 通信講座・オンライン講座: 書籍で学習する(パンシェルジュ検定 公式テキスト)
まとめ
本記事は、パン作りに関する資格おすすめ7選と取得方法をご紹介しました。
おさらいをすると、求める内容によって、おすすめの資格が変わります。
求める内容 | おすすめの資格 | 取得方法 |
国家資格を取得したい | パン製造技能士 | 大原学園専門学校 |
通信講座で取得したい | パン・ブーランジェ 、パンマイスター | キャリカレ、日本創芸学院 |
オンラインで学習したい | パン・ブーランジェ | キャリカレ |
費用を安くしたい | パン・ブーランジェ、ベーカリーパティシエ | キャリカレ、SARAスクール |
独学で取得したい | パンシェルジュ検定 | パンシェルジュ検定 公式テキスト |
なお、食育、発酵食品、腸活に関する資格は別記事でまとめています。
【参考記事】 ・ 食育の資格おすすめ14選!独学や通信講座で取得できる資格、国家資格
・ 発酵の資格はどれがいい。おすすめ8選を比較!(仕事、通信講座あり)
・ 腸活の資格6選を比較!費用、仕事、通信講座、人気や口コミ
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Writer/編集者: 松田康