副業やアルバイトで収入があった場合、確定申告が必要になるのは、所得がいくらからなのでしょうか。また、確定申告をするには、どのような準備が必要なのでしょうか。
領収書や源泉徴収票など、事前に集めておきたい書類や、経費の例、確定申告書類の書き方、提出方法などをまとめました。さらに、確定申告をするのに便利なアプリと使い方をご紹介します。
本記事は、副業やアルバイトで確定申告が必要な条件と申告の仕方を説明します。
1. 副業で確定申告が必要なのはいくらから
副業やアルバイトで得た収入は確定申告の対象となります。 副業をして確定申告する必要があるのは、いくらからでしょうか。
国税庁のホームページでは次のように記載されています。
- 給与所得がある会社員で、副業の年間所得が20万円を超える場合
- 扶養家族の専業主婦で、副業の年間所得が38万円を超える場合
(参考)・ 国税庁ホームページ 給与所得者で確定申告が必要な人
・ 国税庁ホームページ 配偶者の所得がいくらまでなら配偶者控除が受けられるか
なお、既定の収入を超えているにも関わらず税金の支払いを怠ると、延滞税をはじめとする追徴課税が適用されます。帳簿付けなどを適切に行い、申告をします。
2. 副業で確定申告をする方法(7つのステップ)
副業で確定申告をする場合には、次の7つのステップで作業を進めます。
- 領収書を集めます。
- 控除証明書、源泉徴収票、医療費の領収書を集めます
- 支払調書を集めます
- 確定申告書を入手します
- 帳簿付けをして、収入と支出を記録します
- 収支内訳書、確定申告書を作成します
- 税務署に提出します
それぞれを詳細に説明します。
2.1 経費
副業に関係して、経費となりうるレシートや領収書を集めておきます。 クリアファイルなどに保管して、集計するタイミングで、科目ごとにまとめていきます。
クリアファイルの見出し毎に食事代、光熱費、運賃、消耗品などのタイトルを付けると便利です。経費の例として、次のような領収書・レシートを保管しておきます
- 食事代 (仕事の打ち合わせの食事代)
- 書籍代
- 交通費 (打合せ場所への移動費)
- 宣伝広告費 (ちらし、名刺などの作成費)
- 消耗品費(プリンターのインク代、用紙代、ホームページ作成ソフト代)
- 通信費(インターネットの接続料)
なお、帳簿の保管期間は7年、領収書は5年保管する必要があります。
(参考) 国税庁ホームページ 白色申告の方の記帳・帳簿等の保存制度
2.2 控除証明書、源泉徴収票、医療費の領収書
10月頃に、保険会社から生命保険料や地震保険料などの「控除証明書」が送られてきます。 また給与所得者には、12月に「源泉徴収票」が交付されます。 さらに、医療費の領収書などを集めます。
医療費の領収書は個人ごとの管理となりますので、なくさないように気を付けます。
2.3 支払調書などの収入を証明する書類
仕事を個人的に受注している場合には、仕事先から「支払調書」が送られてきます。また、ネットビジネスなどで成果報酬を受け取っている場合には、その金額を証明する書類を受け取ります。
2.4 確定申告書
確定申告に必要な申告書(申告書AもしくはB)を税務署から入手します。方法は3通りあります。
- 直接税務署に行ってもらう
- 郵送してもらう
- 国税庁のホームページからダウンロードする
最近は、国税庁ホームページから、e-Taxというインターネットを使った電子申告システムを利用できます。
確定申告書には、大きく分けて「確定申告書A」と「確定申告書B」があります。確定申告書Aは、アルバイトなどで2箇所以上から給料をもらっている場合に使います。確定申告書Bは、ネットで稼いだ雑所得や不動産の家賃など、給料以外の収入がある場合に使えます。
それぞれの書式や手引きは、国税庁ホームページに記載されていますので、ご覧ください。
2.5 帳簿
副業であっても、日頃から帳簿付けをして、収入と支出を記録(記帳)します。 白色申告者でも、記帳とその保存が求められていますので、注意してください。
(参考)国税庁ホームページ 白色申告者の記帳・記録保存制度
なお、確定申告に関する知識があまりなくても、簡単に確定申告を手伝ってくれる確定申告向けのソフトをおすすめします。 無料で使えるものもあるので、ぜひチェックしてみてください。
なお、白色申告で使えるソフトを別記事でまとめています。ぜひご覧ください。
【参考記事】 ・ 白色申告のソフトを比較!初心者でも使いやすいソフトを選ぶ方法
2.6 収支内訳書、確定申告書
会計ソフトで、自動的に白色申告の書類を作成するサービスがあります。 その手順に従って、自動的に白色申告の書類を作成します。
前述した記事で、作成の仕方をご紹介しています。各社、いろいろな工夫をしていますので、ぜひご覧ください。
2.7 税務署
確定申告の提出機関は、例年2月16日から3月15日までとなります。申告書の 提出先は、現住所を管轄する税務署となります。 提出する書類は通常、「確定申告書」「収支内訳書」「各種控除関係の書類」となります。(参照) 国税庁ホームページ 申告書の提出
そして、提出方法は4通りあります。
- 税務署に持参します
- 時間外収受箱に提出します
- 郵便や信書便で提出します
- インターネットで電子申告(e-Tax)を使います
それぞれをご紹介します。
2.7.1 持参
税務署に提出する方法の一つは、直接、税務署に持参します。 相談コーナーなどで記入方法などを相談してもらえますし、記入漏れなどをチェックしてくれます。
なお、開庁時間は、月曜日から金曜日の午前8時30分から午後5時までです。
(参照) 国税庁ホームページ 開庁時間のお知らせ
2.7.2 時間外収受箱
開庁時間に行けない場合には、税務署の「時間外収受箱」に提出する方法もあります。 申告書の控えが必要な場合には、宛名を書き、切手を貼った返信用封筒を同封します。
(参照) 国税庁ホームページ 【申告書の提出】
2.7.3 郵便や信書便
郵便や信書便による提出もできます。この場合には、通信日付印(郵送の場合には消印)が押された 日付が提出日とみなされます。
(参照) 国税庁ホームページ 税務手続に関する書類の提出時期
2.7.4 電子申告(e-Tax)
パソコンが自宅にある場合には、インターネットを使って電子申告をすることもできます。ただし 利用するためには事前の準備が必要となります。
e-Taxを使う前に必要な作業
- e-Taxのサイトでパソコンの利用環境をチェックします
- マイナンバーカードを取得します
- ICカードリーダーライタを準備します
- e-Taxのソフトをインストールします
(参照) 国税庁ホームページ 確定申告特集
まとめ
本記事は、副業やアルバイトで確定申告をする方法をご紹介しました。
なお、本記事で掲載されている内容は副業と確定確定申告についてまとめたものです。読者の状況によっては、税務当局とは異なる見解になる場合もあります。ガイドラインとして参考程度のご利用にとどめ、ご不明な点は税務署や税理士にご相談いただくようお願いします。
当ブログでは、確定申告に役立つ情報を別記事でまとめています。
【参考記事】 ・ 白色申告のソフトを比較!初心者でも使いやすいソフトを選ぶ方法
・ 現金出納帳の書き方と記入方法(見本・テンプレート付き)
・ 領収書の書き方と見本をご紹介!知らないと恥ずかしい7つの知識
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Writer/編集者: 松田康