経理の仕事は一年を通じて発生しますが、いつ、どのような作業が発生するのでしょうか。
月初には、在庫確認や売上の請求。10日には税金の納付。20日には代金の支払い。25日には給与の振込。月末には、社会保険料の納付、伝票の取り纏めなどがあります。
このように1か月単位で行う作業もあれば、1年単位で行う作業もあります。そこで、経理の仕事を一覧にし、カレンダー形式にまとめました。
本記事は、経理の仕事の流れと仕事内容をご紹介します。
1. 経理の仕事の流れ
経理関連で行う作業を、日(週)単位、月単位、年単位で一覧にしました。
それぞれを詳細に説明します。
1.1 1日(1週間単位)単位で行う仕事内容
中小企業庁のホームページ上で経理の作業をわかりやすく示している図があります。
まずは、領収書を保管し、仕訳を伝票に記入します。さらに、領収書の保管や伝票の記入以外にも次のような仕事をします。
<日々(1週間単位で)行う作業の例>
- 現金の取り扱い(現金の受け渡しや精算、残高の確認)
- 銀行取引の記録(銀行取引明細を確認し、銀行口座の残高を確認)
- 請求書の発行
- 売上の計上と入金の確認(入金と請求額が一致しているかの確認)
- 仕入の計上と支払い(供給業者や請求先への支払い)
- 経費の精算(社員や部署から提出された経費精算報告の処理)
なお、現金出納帳や請求書の管理の仕方などは、中小企業庁が発行している「中小企業のための会計活用の手引き」が参考になります。
【出典】中小企業庁 中小企業のための会計活用の手引き P11
【参考記事】 ・ 請求書の書き方(個人事業主向けの見本・テンプレートつき)
・ 現金出納帳の書き方と記入方法(見本・テンプレート付き)
1.2 1か月単位で行う仕事内容
会社の一か月の活動をまとめて、日々の仕訳の入力に誤りがないかチェックをします。
<1か月のスケジュール例>
- 1日(月初) 在庫確認、実地棚卸、売上代金の請求
- 5日 月次決算
- 10日 税金納付(源泉所得税と住民税)
- 20日 仕入代金の支払い(請求書の整理、支払、仕訳の計上)
- 25日 給与の計算と振込、社会保険料の計算
- 30日(月末) 社会保険料の納付、伝票の取りまとめ
【参考記事】 ・ クラウド給与計算ソフトの一覧と比較!料金表付き
1.3 1年単位で行う仕事内容
年単位では、(1年間の活動の成果である)貸借対照表や損益計算書などの決算書を作成します。決算をすることで、会社の利益や現在の財務状況を適切に把握できます。
また、年度末には、法人税や消費税などの税務申告が必要となります。経理担当者は、申告書類の作成や提出手続きを行います。
<1年のスケジュール例>
- 4月 年次決算(決算整理)
- 5月 年次決算(決算書類の作成)
税務申告書類の提出、法人税、住民税、事業税、消費税の納付 - 6月 株主総会の開催
- 7月 賞与計算と振込、支払届けの提出
労働保険の年度更新と社会保険料の算定基礎届の提出 - 9月 中間決算関連作業(月次決算のチェック)
- 11月 法人税の中間申告書を税務署に提出
- 12月 賞与計算と振込、支払届けの提出、年末調整
- 1月 給与支払報告書の提出、償却資産の調査、法定調書の提出
- 2月 予算計画の策定
- 3月 年次決算(決算準備、棚卸
自社の業務内容によっては、追加・削除すべき作業があるかと思います。
上記内容を参考にしつつ、カレンダーなどに登録してください。
2. スケジュールの作成と効率化
経理の仕事をこなすときには、次の2つのポイントに注意します。
それぞれを詳細にご紹介します。
2.1. 年間スケジュール
経理業務は、日々の現金管理から経費の処理、決算などを幅広く行なう必要があります。
そこで、経理の作業を一覧化し、年間スケジュールに落とし込み、作業の抜け漏れをなくします。Googleカレンダーなどに登録し、通知機能を利用することで、忘れずに作業をできます。
2.2 経理作業の効率化
経理の仕事をできるだけ効率化します。ポイントは2点あります。
それぞれを詳細にご紹介します。
2.2.1 仕事用の口座
経理作業を省力化するためには、仕事用の口座を用意します。仕事用の口座を作らない場合、経理の作業を行うときに、入出金の記録を、仕事用と私用に分ける作業が発生します。
それぞれの取引を、レシートやメモなどをもとに分ける作業は手間が発生しますし、無駄な作業といえます。なお、仕事用の口座を作るときには、できればネットバンクを使います。
ネットバンクを使うことで、会計ソフトに自動でデータを取り込め、効率化できるからです。
【参考記事】 ・ 経理業務を効率化する!知らないと損をする9つの方法
・ 個人事業主におすすめの銀行口座!口座を選ぶ前に知りたい4つの基礎知識
2.2.2 会計ソフト
経理の実務は会計ソフトを使うことで自動化できます。ネットバンクやクレジットカード会社と連携して、自動的に会計処理を行ってくれます。さらに、勘定科目を覚えなくても、利用できます。
今、人気の会計ソフトを2つご紹介します。
◆ freee(フリー)
日本を代表するクラウド会計ソフトです。2016年8月デジタルインファクトによると、クラウド会計のシェアはNo.1と言われています。
銀行から取引データを取得することで、自動的に会計データを作成できます。
会計データを入力する場合にも、勘定科目を知らなくても、日常で使用している単語を使うことで、会計データを入力できます。
【参考記事】 ・ freeeの使い勝手と評判!使いやすい点・使いにくい点を徹底解説!
◆ Money Fowardクラウド
株式会社マネーフォワードが提供するクラウド会計ソフトで、日々の取引の入力など面倒な作業を自動化し、業務効率を改善できます。
銀行やクレジットカード、電子マネー、POSレジ、勤怠管理、人事労務手続きなど、多くのサービスとの連携しており、会計データを自動で作れます。
両ソフトの機能や使い勝手について比較をしておりますので、別記事をご覧ください。
【参考記事】 ・ freee、MFクラウドを機能、料金、使いやすさで比較!
まとめ
本記事は、経理の仕事の流れをご紹介しました。さらに、経理作業を行うときに、「いつ、なにをすればいいのか」というチェックリストをご用意しました。
まず、独立・開業したての方にとって、経理作業は大変だとは思いますが、ぜひ挑戦をしてみてください。当記事が参考になれば幸いです。
なお、経理に関する情報を別記事でまとめています。
【参考記事】 ・ 自営業の経理!ゼロから始める確定申告までの4つの作業と便利ソフト
・ 白色申告のソフトを比較!おすすめのソフト3選を徹底解説
・ 請求書の書き方(個人事業主向けの見本・テンプレートつき)
・ 納品書の書き方と見本!初心者でも、すぐに使えるテンプレート付き
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Writer/編集者: 松田康