事務代行でフリーランスとして起業するには、どのような準備が必要でしょうか。
仕事が途切れないように、案件の獲得方法を幅広くリサーチし、収入を安定化させます。さらに、開業届を出したり、見積書や請求書のテンプレートも準備しておきます。
そして、銀行口座を用意し、開業の挨拶状を送ります。また、資格の取得も検討したいところです。そこで、事務代行で起業するために必要な作業ステップをまとめました。
本記事は、事務代行フリーランスとして起業する前に準備したい8つのポイントをご紹介します。
事務代行で起業!フリーランスになる前に準備したい8つのポイント
事務代行で起業するには、次の8つのポイントを押さえる必要があります。
それぞれを詳細にご紹介します。
1. 仕事の獲得方法
事務代行で起業するにあたって、仕事の獲得方法を幅広く検討したいところです。フリーランス白書2022によると、フリーランスの仕事の獲得方法は、5つあります。
- 人脈(知人の紹介含む)
- 過去・現在の取引先
- 自分自身の広告宣伝活動
- エージェント
- クラウドソーシング
【出典】 フリーランス白書2022 p18
特に、エージェントによる案件が増大していることに着目しています。
【出典】 フリーランス白書2022 p19
起業をする際には、仕事が途切れないことが重要なので、幅広く営業をしていきたいところです。そこで、フリーランス向けのエージェントサービスをチェックするのも一つです。
◆ フリーランス向けに事務代行の仕事を募集しているサイト
- フジ子さん (オンラインアシスタントの仕事)
- anycrew (フリーランスのマッチングサイト)
- クラウドワークス (事務代行の仕事が7,000件近くある)
- ランサーズ (秘書、経理代行、営業代行の仕事)
- ココナラ (1,000人近い人が登録。事務、メール、電話代行など)
- クラウドリンクス (企業との直接契約のためマージンがなく、高単価の案件が多い)
たとえば、フジ子さんの場合には、次のような案件があります。
また、anycrewの場合は、次のような案件があります。
ココナラの場合、事務代行やメール対応、電話代行、スケジュール調整などの仕事で1,000人近い方が登録をしています。
ココナラは、副業レベルの収入となりますが、収入を安定化させるために、チェックをしておくのも一つです。
2. 開業届
事務代行でフリーランスとして起業する場合、税務署に開業届を提出する必要があります。事業を始めて1か月以内に提出することが求められています。
なお、開業届は、A4 1枚の用紙で、国税庁ホームページからダウンロードできます。名前や事業所の住所、屋号、事業の概要などを記入します。
開業届を記入したら、最寄りの税務署に提出します。受付時間は、8時30分から17時となっています。なお、どの税務署に行けばいいかは、国税庁のホームページで調べられます。
国税庁 税務署の所在地を知りたい方へ (郵便番号、住所、地図で検索)
税務署で開業届を提出したら、受領印を押した控えを受け取っておきます。開業届の控えは、銀行で屋号入りの銀行口座を作るときに使います。なお、開業届を無料で作成できるツールもあります。
◆ 開業freee
開業の氏名や住所、仕事の概要、事業開始予定日、働く場所などを入力すると、自動的に開業届が作れます。また、青色申告承認申請書、青色専従者給与に関する届け出も作れます。
なお、仕事の種類を選ぶときには、「フリーランス」の欄があるなど、何を書いたらいいか悩むときも、かんたんに記入できます。
なお、開業届の提出先や提出期限などは別記事でまとめています。
【参考記事】 ・ 個人事業主の開業届の入手方法、提出先、期限(いつまで)、費用
3. 名刺
事務代行で起業をするにあたって、名刺も用意しておきたいところです。
知り合いや友人、過去の取引先に知ってもらうためにも、名刺に連絡先があれば、なにかのときに、声がけをしてもらいやすくなります。
また、仕事のやり取りをした際に、請求書や納品書とあわせて、名刺を入れておくことで、再び仕事を発注してもらえる可能性が高まります。
名刺に書くときには、次の4つのポイントを載せたいところです。
- 名前
- メールアドレス
- 電話番号、SNS(SkypeやLine、TwitterのアカウントID)
- ホームページがある場合には、そのURL(facebookのURL)
なお、名刺を作るときに、テンプレートを使うと便利です。次のようなサイトが参考になります。
ラクスル (名刺を選びます)
好みのテンプレートを見つけたら、Web画面上で編集して作れます。
また、当サイトでも5つほどテンプレートを用意しました。パワーポイントで編集できます。別記事でまとめていますので、ご覧ください。
◆ 名刺のテンプレート例
【参考記事】 ・ 名刺のテンプレート5選!パワーポイントで簡単に作る方法!見本や印刷方法
4. 見積書のテンプレート
事務代行で仕事を受けるときには、作業範囲を明確にしたほうがトラブルを回避できます。そこで、仕事を受ける前に、見積書を提出します。
◆ 見積書のテンプレート
なお、見積書を書くときには、次の5つのポイントを書きます。
- お客様の会社名
- 見積書を作る側の名前、住所、電話番号
- 作業する項目
- 作業する項目の単価、合計金額
- 見積の有効期限と前提条件
なお、見積書の書き方については、別記事でまとめています。
【参考記事】 ・ 見積書の書き方!他社に勝つ見積書を作る方法(テンプレート付き)
5. 請求書のテンプレート
事務代行の仕事を終えたら、請求書を発行します。宛名や日付、請求番号や支払期日や消費税などを記載し、請求書を作ります。
◆ 請求書のテンプレート
なお、請求書を書くときには、次の6つのポイントを書きます。
- 請求先の会社名
- 請求する側の屋号、名前、住所、電話番号
- 請求する項目
- 請求する項目の単価と数量、合計金額
- 振込先(金融機関名、支店名、口座番号、口座名義)
- 支払い期限
なお、請求書の書き方については、別記事でまとめています。
【参考記事】 ・ 請求書の書き方(個人事業主向けの見本・テンプレートつき)
6. 資格
事務代行の作業は経理関係の仕事や、営業支援、事務局関連の仕事があります。
分類 | 事務代行の業務内容の例 |
経理 |
|
営業支援 |
|
事務局 |
|
ただ、事務代行の仕事のなかには、資格が必要な業務もあります。
たとえば、国税庁のホームページによると、「税理士又は税理士法人でない者は、この法律に別段の定めがある場合を除くほか、税理士業務を行ってはならない。」と記載されています。
具体的には、税務代理、税務書類の作成、税務相談が挙げられています。
【出典】 国税庁のホームページ
資格を取れると、より単価の高い事務代行の仕事を受けやすくなります。そこで、時間の余裕があるときに、資格の取得を検討するのも一つです。
7. 銀行口座
フリーランスとして仕事を始めるときには、仕事用の銀行口座を開設しておきたいところです。
仕事用の銀行口座を作ることで、仕事に関係した入金や出金が管理でき、確定申告のときに、作業がしやすくなります。さらに、銀行口座に屋号を入れると、信頼感が増します。
なお、銀行の口座を開設するときには、ネットバンクの利用も検討します。ATMに並ぶ必要なく、入金の確認ができます。
なお、個人事業主やフリーランスにおすすめの銀行口座を別記事でまとめています。
【参考記事】 ・ 個人事業主・フリーランスにおすすめの銀行口座6選!
8. 開業の挨拶状
開業を始める段階で、挨拶状やメールを送ります。
過去にお世話になった方や、仕事の取引があった方に、開業する旨を伝えることで、今後、仕事を紹介してもらえる可能性がでてきます。
なお、挨拶状を書くときには、日頃の御礼や、今後の抱負を伝えます。なお、開業の挨拶状の書き方については、別記事でまとめています。
【参考記事】 ・ 開業の挨拶状 ~書き方と7つの文例~
まとめ
本記事は、フリーランスの事務代行として起業する前に準備したいことをご紹介しました。
おさらいをすると、8つのポイントを準備しておく必要があります。
- 仕事の獲得方法を検討する
- 開業届を提出する
- 名刺を作る
- 見積書のテンプレートを作る
- 請求書のテンプレートを作る
- 資格の取得を検討する
- 仕事用の銀行口座を作る
- 開業の挨拶状を送る
なお、自営業の始め方については、別記事でまとめています。
【参考記事】・ 自営業の始め方!職種や屋号の決め方、開業届、確定申告、税金などの11の知識
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Writer/編集者: 松田康