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現金出納帳の書き方と記入方法!見本やテンプレート、ソフト(無料あり)


現金出納帳って何を書けばいいの、記入ミスをしたらどう直すの、そんな疑問はありませんか。

現金出納帳は、毎日の現金の入金、出金を記録する帳簿です。正しく書けば、確定申告がラクになりますが、書き方を間違えると残高と実際の現金が合わなくなり大変です。

この記事では、無料で利用できるテンプレートを使いながら、書き方をご紹介します。記入例や勘定科目の選び方、月末処理、残高が合わないときの対処法まで網羅しています。

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現金出納帳テンプレート(1年分・Excel)を無料ダウンロードする

 

1. 現金出納帳とは?まず基本をおさえよう

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現金出納帳とは、現金の入金・出金を日付順に記録する帳簿のことです。「いつ」「誰に(誰から)」「何のために」「いくら」お金が動いたかを記録し、手元の現金残高を管理します。

個人事業主・フリーランスにとって、現金出納帳は国税庁が定める帳簿書類の一つです。白色申告でも青色申告でも、現金を使う事業者は記帳義務があります。

 

1.1 現金出納帳と小口現金出納帳の違い

「現金出納帳」と「小口現金出納帳」は似ていますが、用途が異なります。

帳簿の種類 対象 主な用途
現金出納帳 事業全体の現金 売上・仕入・経費など全ての現金取引を記録
小口現金出納帳 日々の少額経費用現金 交通費・文具代など少額の日常経費を記録

個人事業主の場合、ほとんどのケースで現金出納帳だけで対応できます。小口現金出納帳は、担当者に現金を預けて小口精算を行う企業向けの帳簿です。

 

2. 現金出納帳の項目と意味【6つの記載欄】

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現金出納帳には、基本的に次の6つの欄があります。それぞれの役割を理解すると、書くのが一気にラクになります。

◆ 6つの記載欄

欄の名称 記入する内容
日付 実際にお金が動いた日(≠ 請求書の日付)
摘要 取引の内容・相手先(例:「○○社より売上入金」「コンビニ 切手代」)
勘定科目 取引の種類を分類するラベル(例:旅費交通費、消耗品費)
入金額 現金を受け取ったときの金額(左側・借方)
出金額 現金を支払ったときの金額(右側・貸方)
差引残高 その取引後の手元現金残高(前残高 + 入金 − 出金)

 

2.1 よく使う勘定科目の一覧

「どの勘定科目を書けばいい?」という疑問は、経理初心者の方が最も悩む点の一つです。現金出納帳でよく登場する勘定科目を整理しました。

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◆ 入金側(現金を受け取ったとき)

勘定科目 使う場面の例
売上 商品・サービスの代金を現金で受け取った
普通預金 銀行から現金を引き出して手元に入金
雑収入 本業以外の少額収入(補助金・キャッシュバックなど)

 

◆ 出金側(現金を支払ったとき)

勘定科目 使う場面の例
旅費交通費 電車・バス・タクシー代、駐車場代
消耗品費 コピー用紙、ボールペン、切手、封筒
事務用品費 ファイル、クリップ、付箋など事務用品(消耗品費と使い分け可)
会議費 打合せ時のコーヒー代・軽食代
接待交際費 取引先への贈答品、接待飲食代
通信費 切手代(郵便)、宅配便の送料
広告宣伝費 チラシ・名刺印刷代、ウェブ広告費
新聞図書費 業務関連の書籍・雑誌・新聞代
水道光熱費 事業用の電気代・水道代・ガス代(自宅兼用の場合は按分)
地代家賃 事務所・店舗の家賃、駐車場の月額料金
支払手数料 銀行振込手数料、クレジットカード手数料
租税公課 固定資産税、印紙代、自動車税など
荷造運賃 商品の梱包・発送費用
雑費 他の科目に当てはまらない少額経費
普通預金 手元現金を銀行に預け入れた

 

3. 現金出納帳の書き方【ステップ形式で解説】

実際に現金出納帳を書く流れを、3つのステップで解説します。「月初に繰越を記入する→日々の取引を記入する→月末に締める」というサイクルを繰り返すだけです。

 

3.1 【月初】前月繰越を記入する

月の最初の行には、前の月から引き継ぐ現金残高を記入します。これを「前月繰越」といいます。

  1.  日付欄に「〇年〇月1日」と記入
  2.  摘要欄に「前月繰越」と記入
  3.  入金額欄に前月末の残高金額を記入
  4.  差引残高欄にも同じ金額を記入

たとえば、前月末の残高が67,260円なら、1日の行の入金欄に「67,260」、差引残高欄にも「67,260」と書きます。

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📗 Excelテンプレートをお使いの方へ
2月以降の「前月繰越」は自動で入力されます。1月シートのD5(期首残高)に最初の残高を入力するだけで、翌月以降は引継ぎ入力が不要です。

 

3.2 【日々】取引を記入する

現金が動くたびに、その日のうちに記入します。「現金が動いたら、すぐに記録する」がもっとも大切なルールです。

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◆ 記入例(1月の日々の記録)

日付 摘要 勘定科目 入金額 出金額 差引残高
1/1 前月繰越   20,000   20,000
1/5 〇〇社 売上代金 売上 50,000   70,000
1/7 打合せ コーヒー代 会議費   880 69,120
1/10 電車代(客先訪問) 旅費交通費   540 68,580
1/12 コピー用紙 購入 消耗品費   1,320 67,260

差引残高の計算式は「前の行の残高 + 入金額 − 出金額」です。電卓で一行ずつ確認しながら記入すると、ミスを防げます。

私はまとめて週1で入力していたのですが、領収書の山を見ながら思い出すのが大変で…毎日少しずつ入力するようにしたら格段にラクになりました。

 

3.3 【月末】締め処理をする

月の最後の取引を記入したら、月末の締め処理を行います。手順は次の通りです。

  1.  最後の取引行の下に二重線を引く
  2.  摘要欄に「〇月合計」と記入し、入金合計・出金合計を各欄に記入する
  3.  その下の行の摘要欄に「次月繰越」と記入し、残高欄に最終残高を記入する
  4.  翌月の1行目に「前月繰越」として同じ残高を持ち越す

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ポイント: 月の途中でページがなくなった場合も、同じ手順でページを締めます。次ページの先頭に「前ページより繰越」として残高を持ち越します。

📗 Excelテンプレートをお使いの方へ
次月繰越の計算と翌月シートへの引継ぎはテンプレートが自動で行います。月末に「次月繰越」を手入力する必要はありません。

 

4. 手書き・エクセル・会計ソフト、どれで作るべき?

現金出納帳は「手書き」「エクセル」「会計ソフト」の3通りで作れます。それぞれにメリット・デメリットがあるため、自分のスタイルに合った方法を選ぶことが大切です。

方法 メリット デメリット こんな人に向いている
手書き すぐ始められる 計算ミスが多い・修正が面倒 取引が月数件以内の方
エクセル 無料、自動計算で残高ミスが減る 数式を壊すと気づかない、申告書に連携しない パソコンに慣れている方・コストを抑えたい方
会計ソフト 自動計算、確定申告書に自動連携、ミスほぼゼロ 月額費用がかかる(無料プランあり) 確定申告まで一貫して管理したい方

 

4.1 無料エクセルテンプレートで始める

まずはコストをかけずに試したい方には、エクセルテンプレートがおすすめです。当サイトで配布しているテンプレートは、1月〜12月を1ファイルで管理できる年間対応版です。

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◆ テンプレートの主な機能

  •  12ヶ月分のシート・・・「1月」〜「12月」シートを収録。年間を1ファイルで管理できます。
  •  前月繰越の自動連携・・・翌月シートの「前月繰越」が自動で引き継がれます。月が変わっても入力し直す必要なし。
  •  差引残高の自動計算・・・入金額・出金額を入れれば残高は自動計算。電卓不要です。
  •  勘定科目ドロップダウン・・・全18科目のドロップダウン付き。入力ミスや表記ゆれを防げます。
  •  同時入力防止の警告機能・・・入金と出金を同じ行に両方入力すると、自動で警告が表示されます。
  •  残高マイナス時の赤警告・・・差引残高がマイナスになると、セルが自動で赤くなります。
  •  年間集計シート・・・月別の入金合計・出金合計・月末残高を一覧で確認できます。
  •  使い方ガイドシート付き・・・初めての方向けのSTEP解説と凡例を収録しています。

現金出納帳テンプレート(1年分・Excel)を無料ダウンロードする

※ここに体験を入れる(例:「実際に使ってみた感想・使いやすい点・注意点など」)

 

4.2 会計ソフトなら確定申告まで一気に完結

取引件数が増えてきたり、青色申告を検討している方には、会計ソフトへの移行をおすすめします。現金出納帳への記帳と同時に、仕訳帳・総勘定元帳・確定申告書類まで自動で作成してくれます。

なお、各製品の比較は別記事を参考にしてください。

【参考記事】

 ・ freeeと弥生会計NEXTを比較!選ぶ前に知りたい6つの違い

 ・ freeeとMFクラウド(マネーフォワード)を徹底比較!【2026年】

 

5. 現金出納帳を書くときの4つの注意点

正しく記帳するために、特に間違いやすいポイントを4つまとめました。

◆ 注意点①:日付は「お金が動いた日」を記入する

請求書の日付や納品日ではなく、実際に現金を受け取った日・支払った日を記入します。この日付がずれると、帳簿残高と実際の現金が合わなくなります。

◆ 注意点②:取引ごとに1行ずつ書く

同じ日に複数の取引があっても、1件1行で記入します。「3月10日の交通費まとめて」という書き方はNGです。

◆ 注意点③:訂正するときは二重線で消す

手書きの場合、修正液(ホワイト)を使うのはNGです。間違えた箇所に二重線を引き、余白に正しい数字を書き直します。これは税務調査での証明力を保つために重要なルールです。

◆ 注意点④:プライベートのお金と混ぜない

事業のお金とプライベートのお金は、必ず分けて管理します。「財布の中の現金が足りなかったので自腹で補填した」という状況は、帳簿を複雑にするだけです。事業用の財布または金庫を用意することをおすすめします。

◆ 注意点⑤:1行に入金と出金を同時に記入しない

1行には1つの取引だけを記入するのが原則です。入金と出金を同じ行にまとめてしまうと、差引残高の計算が正しくできなくなります。現金のやり取りが複数あった場合は、必ず行を分けて記入してください。なお、当サイトのExcelテンプレートでは入金・出金を同じ行に入力すると警告が表示されます。

 

6. 差引残高が合わないときの対処法

現金出納帳をつけていると、帳簿の残高と実際の現金が合わなくなることがあります。焦らず、次の手順で確認してください。

  1.  手元の現金を金種ごとに数え直す(金種表を使うと正確)
  2.  帳簿の差引残高を、最初の行から電卓で1行ずつ検算する
  3.  領収書・レシートを見直して、記入漏れがないか確認する

それでも原因がわからない場合は、差額を「現金過不足」として処理します。原因が判明した時点で修正記帳をします。判明しないまま期末を迎えた場合は、不足なら「雑損失」、余剰なら「雑収入」として処理します。

絶対にやってはいけないこと: プライベートの現金を入れて帳尻を合わせること。これをやると事業のお金の管理ができなくなり、確定申告の際に問題になります。

金種表テンプレートを無料ダウンロードする

 

よくある質問と回答

 

Q1 現金出納帳は毎日書かないといけませんか?

法律上は「毎日」という義務はありませんが、できるだけその日のうちに記入することを強くおすすめします。まとめて入力すると領収書をなくしたり取引を忘れたりして、帳簿の精度が下がります。特に現金は記録が残りにくいため、取引直後に記入する習慣をつけると後の手間が大きく減ります。

 

Q2 白色申告の場合も現金出納帳は必要ですか?

はい、必要です。白色申告の個人事業主にも帳簿の記帳・保存義務があります(国税庁:記帳・帳簿等の保存制度)。ただし、青色申告のような複式簿記は求められていないため、現金出納帳や簡易帳簿を使った単式簿記でOKです。

 

Q3 銀行振込で受け取った売上も現金出納帳に書きますか?

いいえ。現金出納帳に記録するのは「現金」が動いた取引だけです。銀行振込は「預金出納帳」に記録します。銀行から現金を引き出して手元に入れたタイミングで、初めて現金出納帳に「入金:普通預金」として記録します。

 

Q4 領収書がなくても記帳できますか?

記帳自体は可能ですが、税務調査では領収書・レシートが証拠書類として必要になります。もらい忘れた場合は、支払先・日付・金額・目的を書いた「出金伝票」を代わりに作成して保管しておきましょう。なお帳簿と証拠書類は、5〜7年間保存する義務があります(種類によって異なります)。

 

Q5 現金出納帳とレジの売上記録は別々に管理すべき?

店舗経営者の場合、レジの売上データと現金出納帳は別々に管理します。1日の営業終了後にレジの現金を実際に数えて、レジの売上記録との差を確認し、一致していれば現金出納帳に「売上」として記入します。差異がある場合は当日中に原因を調査します。

 

まとめ

現金出納帳の書き方について、基本から月末処理・トラブル対処まで解説しました。大切なポイントをまとめます。

  •  現金出納帳の6つの欄・・・日付・摘要・勘定科目・入金額・出金額・差引残高
  •  書くタイミング・・・現金が動いたらその日のうちに記入が基本
  •  月初の処理・・・1行目に「前月繰越」と前月末残高を記入
  •  月末の処理・・・二重線を引いて「〇月合計」「次月繰越」を記入
  •  1行に1取引・・・入金と出金を同じ行に書かない
  •  残高が合わないとき・・・まず現金の数え直しと帳簿の検算、それでも不明なら「現金過不足」で処理
  •  効率化したいなら・・・当サイトの無料Excelテンプレート(12ヶ月・自動繰越・警告機能つき)や会計ソフトを活用しよう

まずはテンプレートをダウンロードして、今月分から書き始めてみてください。最初は完璧でなくても大丈夫。継続して記帳する習慣ができることが、一番大切です。

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【参考記事】 ・ 白色申告帳簿テンプレート活用ガイド!エクセルで簡単(無料ダウンロード)
       ・ 自営業の経理!ゼロから始める確定申告までの10の作業と便利ソフト
       ・ 白色申告のソフトを比較!おすすめなソフトはどれか
       ・ 個人事業主の経理処理と作業をラクにする4つの方法
       ・ freeeと弥生会計オンラインを比較!選ぶ前に知りたい3つの違い

著者プロフィール
松田 康|ITツールを実際に使って検証するコンサルタント
ITツールやAIサービスを、初心者目線でわかりやすく解説することをモットーに活動中。
小規模事業者やフリーランスの方々に向けて、ExcelテンプレートやITツールの活用方法など、実践的な情報を発信しています。

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