電子チケットシステムを比較した場合、どのような違いがあるのでしょうか。
座席指定や整理番号付きの電子チケットを作成・販売できるシステムや、イベントページを作れるシステム、過去の参加者にメルマガで告知できるシステムもあります。
また、無料で使えるアプリや、事前決済ができるシステムもあります。そこで、電子チケットシステムを選ぶ前に知っておきたいポイントをまとめました。
- 無料でチケットを作成したい方 → STORESチケット、LivePocket
- 販売手数料を安くしたい方 → teket
- イベントページを作りたい方 → STORESチケット
- ライブ配信もしたい方 → TIGET、Live Pocket
本記事は、電子チケットシステム・アプリおすすめ8選を比較し、その違いをご紹介します。
電子チケットを作成する2つの方法!タイプ別に図解

電子チケットを作成するには、専用の電子チケット作成アプリを利用する方法と、ツールを使って、手作りチケットを作成する方法があります。
(タイプ1)電子チケット作成アプリを使う
電子チケット作成アプリを使う場合、QRコードの発行や入場管理機能があるため、チケットの発行から販売、入場管理までの作業を効率的に行なえます。
特に、大規模なイベントやオンライン決済を必要とする場合におすすめです。
◆ メリット
- QRコードを自動で作成し、入場を管理できる
- オンライン決済やチケットの販売ができる
- イベント終了後に参加者データを分析できる
- フォローアップメールを送れる
◆ デメリット
- チケットのデザインを変えられない
- 機能が多すぎる
- 月額費用が高くなることがある
◆ おすすめの電子チケット作成アプリ
(タイプ2) ツールを使って、手作りチケットを作る
手軽にチケットを作りたい場合や、小規模なイベントのときは、デザインツールを使って手作りの電子チケットを作れます。
◆ メリット
- 自由にデザインできる
- コストが低い
- オフラインでも使える
◆ デメリット
- チケットの販売機能はない
- 来場者の分析はできない
◆ おすすめの手作りチケット作成ツール
電子チケットシステム・アプリおすすめ8選の比較

電子チケットシステムを選ぶときに、次の5つのポイントはチェックしたいところです。
- イベントページを作れるか。
- どのようなチケットを販売できるか。(先着販売、抽選販売、整理番号、座席指定、通常)
- イベントの宣伝方法はなにか。(SNSの拡散、過去のイベント参加者へのメルマガの告知)
- 入場者の受付方法はなにか。(QRコード、参加者リストによる照合、顔認証)
- 料金はいくらか。
上記ポイントをもとに、おすすめの電子チケットシステム・アプリを紹介します。
それぞれを詳細にご紹介します。
1. Live Pocket

ライブやイベント向けのデジタルチケットサービスです。
QRコードによるスキャン、あるいはスマホによるもぎりで入場の受付をすると、入場者、入場日時、チケット番号が管理できます。

また、イベントの参加者宛に、メールを一斉配信する機能もあります。

そして、チケットを販売するときは、時間指定や、整理番号付きのチケットを販売できます。

また、チケットの販売状況や、イベントページのアクセス数、当日の来場者に関する分析やレポートを作れます。
◆ 機能一覧
- イベントページの作成: ◯
- チケット販売の方法: 〇 (先着販売、抽選販売、整理番号、座席指定、通常)
- チケットの告知方法: 〇 (SNSによる告知、過去参加者へのメール告知)
- 入場者の受付方法: 〇(QRコードによるスキャン、チケット番号などで認証)*1
- 事前決済: ◯
- 売上管理: ◯
◆ コロナ対応
- ソーシャルディスタンス(整理券発行): ◯
- 来場者の緊急連絡先の把握: ◯
- 非接触販売: ◯
◆ 料金プラン(税込)
- 初期費用: 無料
- 月額費用: 無料
- 利用料: 売れたチケットの金額の5%(無料イベントの場合は、無料)
2. STORES

無料でネットショップを作れるツールで、電子チケットを作成・販売できます。イベントページを作成し、電子チケットの販売、SNSでの告知もできます。
STORESで、ネットショップを開設し、商品を登録するときに「電子チケット」を選びます。

商品の画像とアイテム名を入力します。

税率、価格、割引率を登録します。

開催期間、有効期限、ネットショップで公開/非公開の設定を行います。

実際に電子チケットを販売してみました。販売画面は次のような感じになります。

代表者がチケットを購入して、SNSのDMやメールでURLをシェアすれば、かんたんにチケットを分配できます。
◆ 機能一覧
- イベントページの作成: 〇
- チケット販売の方法: 〇 (通常のチケット)
- チケットの告知方法: 〇 (メルマガ配信、SNS)
- 入場者の受付方法: 〇(QRコードによるスキャン)
- 事前決済:〇(クレジットカード決済、後払い、コンビニ決済、銀行振込、キャリア決済)
- 売上管理:〇
◆ コロナ対応
- ソーシャルディスタンス(整理券発行): -
- 来場者の緊急連絡先の把握: -
- 非接触販売: ◯
◆ 料金プラン(税込)
- 初期費用: 無料
- 月額費用: 無料
- 利用料: 5.5%(フリープラン)なお、購入者に発券手数料として商品金額の2% (*1)
【参考記事】 ・ STORES.jpの使い方と評判!メリット・デメリット・決済方法
*1: ベーシックプラン(月額2,980円)の場合、3.6%が発生。
口コミを調べていたところ、Twitterにコメントがありましたので、ご紹介します。
簡単すぎて、便利すぎて、「これで本当に大丈夫なのかしら?」と疑ってしまうのが唯一の弱点というか^^;
電子チケットはこんな簡単にモギリができるのですよ。
すごいサービスです。#STORES pic.twitter.com/v0OebinxXi— 宮本史利(オペラ歌手) (@miymaon) August 1, 2020
3. teket

リアルイベントとライブ配信イベントのチケットを並行販売できるシステムです。イベントページを作成し、チケットの発券が行えます。

また、座席をドラッグすることで、指定席や自由席の座席が設定ができます。

チケットを購入すると、次のようなチケットが作成されます。

チケットにあるQRコードを読み込んでもらうことで、入場できます。また、LINEで友達登録をしていただくことで、LINEから読み取ることもできます。

さらに、チケット購入者に対してメルマガでお知らせを送れます。こうすることで、広告費を抑えつつ、ターゲット層に向けたアプローチできます。

◆ 機能一覧
- イベントページの作成: ◯
- チケット販売の方法: 〇 (座席指定、整理番号、通常)
- チケットの告知方法: 〇 (SNSによる告知、過去参加者へのメール告知)
- 入場者の受付方法: 〇(QRコードによるスキャン)
- 事前決済: ◯(クレジットカード決済)
- 売上管理: ◯
◆ コロナ対応
- ソーシャルディスタンス(整理券発行): ◯
- 来場者の緊急連絡先の把握: ◯
- 非接触販売: ◯
◆ 料金プラン(税込)
- 初期費用: 無料
- 月額費用: 無料
- 利用料: 売れたチケットの金額の8~10%(無料イベントの場合は、無料)
4. Moala ticket

電子チケット発券サービスです。SNSやメールで、チケットを受け渡しできます。チケット券面に対し、電子スタンプで入場確認ができ、来場者が紙のチケットを発券する手間を削減できます。
入場の認証をする方法として、電子スタンプを押す機能があります。

さらに、顔とQRコードの両方で認証する機能もあります。

◆ 機能一覧
- イベントページの作成: 〇
- チケット販売の方法: 〇 (通常)
- チケットの告知方法: 〇 (自前のホームページ、あるいは、大手プレイガイドと連携)
- 入場者の受付方法: 〇 (電子スタンプ、QRコード、ジェスチャー、顔認証)
- 事前決済: 〇
- 売上管理: ◯
◆ コロナ対応
- ソーシャルディスタンス(整理券発行): 〇
- 来場者の緊急連絡先の把握: 〇
- 非接触販売: ◯
◆ 料金プラン(税込)
- 初期費用: 無料
- 月額費用: 無料
- 発券手数料: 100円/枚~(購入者負担)
5. CLOUD PASS

チケットの作成や販売、来場者の管理、電子決済を行えるシステムです。券の種類と座席を選べる仕組みや、チケットのもぎりと連動してスクラッチをする機能があります。
オンライン販売の場合は、空席照会ができます。

チケットを購入後、電子チケットを表示できます。

さらに、チケットを他の人にURLで渡すことができます。

また、スタンプラリーのような利用方法や、指定した期間だけパスポートのように何度も入場できる機能があります。

◆ 機能一覧
- イベントページの作成: ◯
- チケット販売の方法: 〇 (座席指定、通常)
- チケットの告知方法: 〇 (メール配信)
- 入場者の受付方法: 〇(QRコードによるスキャン、顔認証)
- 事前決済: ◯
- 売上管理: ◯
◆ コロナ対応
- ソーシャルディスタンス(整理券発行): -
- 来場者の緊急連絡先の把握: -
- 非接触販売: ◯
◆ 料金プラン(税込)
| プラン | フリー | ライト | スタンダード |
| 初期費用 | 無料 | 無料 | 50,000円~ |
| 月額費用 | 無料 | 無料 | 50,000円~ |
| 各種手数料 | 無料 | クレジットカード6%~ | クレジットカード4%~ |
| 発券手数料 | 10%(税抜) | 220円~/1枚 | 発生しません |
6. パスマーケット

Yahoo! JAPANが運営するデジタルチケット販売サービスです。イベントページを作成し、告知、集客、入場の受け付け、売上管理までを行えます。
まず、イベントのの名称、イベント日時を登録します。

次に、開催場所や詳細情報を登録します。

さらにチケットの値段や枚数、割引コードを登録します。

また、SNS連携やアンケートの設定を行うことで、イベントページが作成でき、告知できます。

◆ 機能一覧
- イベントページの作成: ◯
- チケット販売の方法: 〇 (先着、抽選、スピードくじ販売、座席指定、日付指定販売)
- チケットの告知方法: 〇 (メール配信)
- 入場者の受付方法: 〇(QRコードによるスキャン、スマホもぎり、リスト名簿受付)
- 事前決済: ◯(PayPay残高、クレジットカード決済、コンビニ決済)
- 売上管理: ◯
◆ コロナ対応
- ソーシャルディスタンス(整理券発行): -
- 来場者の緊急連絡先の把握: -
- 非接触販売: ◯
◆ 料金プラン(税込)
- 初期費用: 無料
- 月額費用: 無料
- 利用料: 3.564% (ベーシックプラン)、5.5% (プロフェッショナルプラン)
7. フリッパ

イベントの予約、チケットの発券、入場を管理できるシステムです。イベント情報を登録することで、予約ページが作成されます。
発行された予約ページのURLをメールあるいは、イベントサイトに埋め込むことで予約を受け付けます。当日は、来場者が持参した電子チケットをスマホでスキャンし、受付が完了します。

スキャンをすると、電子チケットの情報が表示されます。「入場」をクリックして受付できます。

◆ 機能一覧
- イベントページの作成: ◯
- チケット販売の方法: 〇 (通常のチケット)
- チケットの告知方法: △ (ランディングページの制作 ※ 50,000円~)
- 入場者の受付方法: 〇(QRコードによるスキャン)
- 事前決済: ◯(クレジットカード決済、コンビニ決済、銀行振込、現金)
- 売上管理: 〇
◆ コロナ対応
- ソーシャルディスタンス(整理券発行): -
- 来場者の緊急連絡先の把握: -
- 非接触販売: ◯
◆ 料金プラン(税込)
- 初期費用: 無料
- 月額費用: 無料
- 利用料: 1チケット110円(税込) 決済チケット 3.5 % (税別)
8. Tiget

ライブ配信に対応したチケット販売システムです。VimeoやYouTube LIVE、Zoom、SmartSTREAMに対応しており、応援ギフトとして投げ銭も利用できます。
チケットの作成や、先着販売や抽選販売、ツアー販売や限定販売、入場の管理まで行えます。
チケットの予約画面を作るときは、イベント名、開催日、イベントの詳細、会場名を入力します。

会場の住所、URL、地図、カバー写真を登録します。

YouTube動画、お支払い方法、キャンセル方法を登録します。

チケットの種類、販売方法、料金を登録します。

前売り料金、販売枚数、先着販売開始日、終了日を登録します。

チケットの公開予定日、抽選日時、ライブ配信の方法を登録します。

申し込み枚数の制限、あとわずかの表示、タップ入場の受付可否を登録します。
◆ 機能一覧
- イベントページの作成: ◯
- チケット販売の方法: 〇 (先着販売、抽選販売、通常のチケット)
- チケットの告知方法: 〇 (ファンへの告知、一括メッセージ配信)
- 入場者の受付方法: 〇(QRコードによるスキャン、顔認証)
- 事前決済: ◯(コンビニ払い、ネット銀行、ATM、ドコモ払い、後払い、ビットコイン)
- 売上管理: 〇
◆ コロナ対応
- ソーシャルディスタンス(整理券発行): -
- 来場者の緊急連絡先の把握: -
- 非接触販売: ◯
◆ 料金プラン(税込)
- 初期費用: 無料
- 月額費用: 無料
- 利用料: 5.5%
9. Canva
ネットで使えるデザインツールです。テンプレートが豊富にあり、デザインに関する知識がなくても、デジタルチケットを作れます。
デジタルチケットを作るときは、テンプレートを選びます。「チケット」と入力すると3000種類以上のテンプレートが表示されます。

気に入ったチケットを見つけたら、「このテンプレートをカスタマイズ」を選びます。

文字や画像を差し替えることで、かんたんにチケットを作れます。

◆ 機能一覧
- イベントページの作成: -
- チケット販売の方法: -
- チケットの告知方法: -
- 入場者の受付方法: -
- 事前決済: -
- 売上管理: -
◆ コロナ対応
- ソーシャルディスタンス(整理券発行): -
- 来場者の緊急連絡先の把握: -
- 非接触販売: -
◆ 料金プラン(税込)
- 初期費用: 無料
- 月額費用: 無料
「イベントの後」まで、電子チケットサービスの活用術
チケット販売は“終わり”ではなく、“次につなげる始まり”です。
電子チケットサービスの本当の価値は、イベント当日の入場管理だけでなく、イベント後のリピート施策や顧客データの再活用にあります。
電子チケットを「販売ツール」から「ファン育成ツール」に変えることで、次回集客のコストを削減できます。
1. 購入者データを活かした次回集客
STORESチケットでは、購入者のメールアドレスや来場履歴をもとに、リピート案内メールやクーポン配信が可能です。これにより、新規集客に頼らず、ファン層を自然に育てる仕組みを作れます。
2. イベント後のアンケート・満足度分析
teketではイベント終了後に自動アンケート送信が可能。回答率を高めることで、次回イベントの改善にもつながります。アンケート結果をCSVでダウンロードし、GoogleフォームやLINE配信に活用する例も増えています。
3. 購入データをCRM(顧客管理)に連携
チケット購入情報を自社の顧客管理システムに取り込み、顧客管理、分析、優先案内に利用する企業もあります。特にリピート率の高いイベントでは、CRMとの連携が「利益率を左右する要素」にもなります。
4. SNS・メールマーケティングと連動
電子チケットを通して集まった顧客情報を活用し、次回イベントの早期告知やフォロワー限定特典の配信も可能です。TIGETは、ファンに向けた限定販売ページの作成機能も用意されています。
ポイント: チケット販売で終わらせず、「アンケート → データ分析 → 再販売」のサイクルを作ることで、 単発イベントを“持続型プロジェクト”に変えられます。
よくある質問(FAQ)
電子チケットサービスの料金や機能、導入時の注意点についてよくある質問をまとめました。
投げ銭・チャット機能も備え、オンラインイベントに最適です。
入場データも自動で記録され、運営側の管理も効率的です。
まとめ
本記事は、電子チケットシステムおすすめを比較し、その違いをご紹介しました。
おさらいをすると、求める内容によって、おすすめのシステムが変わります。
| 求める内容 | おすすめのシステム |
| チケットを無料で作成したい | Live Pocket、teket、STORES |
| チケットを販売する手数料を安くしたい | Live Pocket、パスマーケット、Tiget |
| イベントページを作りたい | Live Pocket、teket、フリッパ |
| ライブ配信をしたい | Live Pocket、teket、Tiget |
| チケット以外のグッズを売りたい | STORES |
なお、イベント企画書の書き方、メールの書き方、チラシ、告知方法は別記事でまとめています。
【参考記事】 ・ イベント企画書の書き方講座(9種類のテンプレートつき)
・ イベントの案内メール~書き方と3つの文例~
・ イベント向けチラシ・フライヤーのデザインテンプレート7選(無料)
・ イベントの告知方法!集客に成功したイベントが実践する11の方法
・ イベント・セミナー予約システムおすすめ10選を比較(無料あり)
複雑なITツールやAIサービスを、初心者目線でわかりやすく解説することをモットーに活動中。小規模企業向けにITツールの導入をしている知見をもとに、情報を発信しています。
