ピアカウンセラーに関する資格を比較した場合、どのような違いがあるのでしょうか。
職場の仲間（ピア）を助けるため、メンタルヘルスの技法を学ぶ資格や、高齢者とその家族をサポートするため、受容や傾聴、共感の技法を学ぶ資格があります。
また、学生同士が支え合うための技法を学ぶ資格や、通信講座で取得できる資格もあります。そこで、ピアカウンセラーに関する資格を取得する前に知っておきたいポイントをまとめました。
本記事は、ピアカウンセラーに関する資格おすすめ4選と、その取得方法をご紹介します。
ピアカウンセラーのおすすめ資格4選
ピアカウンセラーの資格を選ぶにあたって、チェックしたいポイントは4つあります。
- 何を学びたいか。（傾聴、受容のスキル、メンタルヘルス、カウンセリングの技法）
- 資格の目的はなにか。（職場の仲間の支援、高齢者の支援、学生同士の関係作り）
- どのような方法で学ぶか。（通学、通信講座）
- どのくらいの費用がかかるか。
上記ポイントを踏まえて、おすすめの資格をまとめました。
それぞれを詳細に説明します。
1. 日本心理療法協会 ピアカウンセラー
一般社団法人 日本心理療法協会が運営する資格です。
職場における仲間（ピア）を助けるためのメンタルヘルスの技法を学びます。そして、カウンセラーとしての段取りや見立てなど、カウンセリングの能力が問われます。
具体的には、重度の悩みや症状を抱えたクライアントに対して、的確なカウンセリングを実践できているかを評価されます。
ピアカウンセラー養成講座（約5時間）を受講し、レポートの提出を行います。一定水準以上の成績を収めた方に修了証と資格証を取得できます。
◆ 問われる内容（学習内容）の例
- カウンセリングの技法
- メンタルヘルスの技法
- メンタル不全になってしまった人の理解されにくい気持ちの汲み取り方
なお、教材はLECの講座となっており、YouTubeにサンプルの講座が掲載されていましたので、ご紹介します。
講座はWebでの視聴、あるいは、通信講座でのDVDによる視聴となります。Webでの視聴の場合は、LECの管理画面を開き、ピアカウンセラー講座をクリックします。
「講座開始」をクリックします。講座は、前回受講した続きから表示されます。
◆ 資格取得後の仕事
ピアカウンセラー
◆ 難易度
レポートの内容が一定の基準に達していない場合には、再提出が求められる場合があります
◆ 料金（税込）
33,850円（資格登録料 3,500円を含む）
◆ 受験場所
自宅
◆ 運営団体
一般社団法人 日本心理療法協会
◆ 資格の取得方法
- 通学： –
- オンライン・通信講座：LEC
2. 日本能力開発推進協会 シニアピアカウンセラー
日本能力開発推進協会が運営する資格です。
高齢者とその家族をサポートするために必要なカウンセリング技法を学びます。具体的には、受容や傾聴、共感の理論や技法を習得した後に、事例を通じて対応方法や、声のかけ方を身につけます。
通信講座で受講し、在宅で受験をできるため、手軽に挑戦できます。試験に合格をすると認定証を取得できます。
◆ 問われる内容（学習内容）の例
| 種類 | 問われる内容（学習内容）の例 |
| 基本理解と基本技能 |
|
| 適切な対応方法、効果的な声のかけ方 |
|
（出典） キャリカレテキスト
◆ 資格取得後のキャリア
介護施設、医療機関
◆ 料金（税込）
5,600円
◆ 難易度
得点率70％以上
◆ 受験会場
在宅
◆ 運営団体
日本能力開発推進協会
◆ 資格の取得方法
- 通学：-
- オンライン・通信講座： キャリカレ （介護・福祉 ⇒ シニアカウンセラー）
3. 日本ピア・サポート学会 ピアサポーター
日本ピア・サポート学会が運営する資格です。
教職員の指導や援助のもとに、学校のおける生徒同士が支え合うため、コミュニケーションの技法やソーシャルスキル、ストレスマネジメントの仕方を学びます。
ピア・サポーター、ピア・サポート・トレーナー、ピア・サポート・コーディネーターの3種類の資格があります。
- ピア・サポーター： ピア・サポートの精神を持ち、基本的な知識と技能を有する
- ピア・サポート・トレーナー: ピア・サポーターの養成を行うのに必要な知識と技能を持つ
- ピア・サポート・コーディネーター: ピア・サポートを組織的に展開できる資質・能力を持つ
ピア・サポーターは、30時間以上の研修と実践を行い、ピアサポーター認定申請書に必要事項を記入し、提出をすると審査をしてもらえます。審査に通ると、ピア・サポーターとして認定されます。
◆ 問われる内容（学習内容）の例
- ピア･サポート概論
- 自己理解、他者理解、動機付け
- コミュニケーション･スキル
- 問題の解決
- 対立の解消
- 危機対応とスーパービジョン
- 個人プランニングと活動の実際
- プログラム導入のためのデザイン
（出典） 日本ピア・サポート学会 ピア・サポート・トレーナー及びピア・サポート・コーディネーター 資格認定細則
◆ 資格取得後のキャリア
未公開
◆ 難易度
- ピア・サポーター： 認定は随時行われる。
- ピア・サポート・トレーナー： 書類審査（1年以上、学会の会員）
- ピア・サポート・コーディネーター： 書類審査、面接審査（3年以上、学会の会員）
◆ 料金
- ピア・サポーター： 審査料 2,000円
- ピア・サポート・トレーナー： 審査料5,000円、登録料5,000円
- ピア・サポート・コーディネーター： 審査料5,000円、登録料5,000円
◆ 受験場所
未公開
◆ 運営団体
日本ピア・サポート学会
◆ 資格の取得方法
- 通学： 日本ピア・サポート学会
- オンライン・通信講座： -
4. 日本消防ピアカウンセラー協会
日本消防ピアカウンセラー協会が運営する資格です。
災害現場活動において惨事ストレスを受けた仲間に対して、隊員の心的ストレスをケアする方法を学びます。傾聴の知識や実習、ロールプレイで学習を進めます。
なお、消防ピアカウンセラー養成講座の受講対象者は、消防職員又は消防団員に限ります。
◆ 問われる内容（学習内容の例）
- 消防職団員の惨事ストレス
- 傾聴の基礎
- 傾聴の実習
- 個別面談のロールプレイ
◆ 資格取得後のキャリア
未公開
◆ 難易度
未公開
◆ 料金（税込）
- ピアカウンセラー養成講座： 27,000円（テキスト，修了に関する諸費用を含む）
- 消防ピアカウンセラー認定登録料： 5,000円
- 協会入会費： 1,000円
- 会員年会費： 2,000円
◆ 受験場所
東京
◆ 運営団体
日本消防ピアカウンセラー協会
◆ 資格の取得方法
- 通学： 日本消防ピアカウンセラー協会
- オンライン・通信講座： –
まとめ
本記事は、ピアカウンセラーに関する資格おすすめ4選と、その取得方法をご紹介しました。
おさらいをすると、求める内容によって、おすすめの資格が変わります。
| 求める内容 | おすすめの資格 | 取得方法 |
| 職場の仲間（ピア）を助けたい | ピアカウンセラー | LEC |
| 高齢者やその家族をカウンセリングしたい | シニアピアカウンセラー | キャリカレ |
| 学校内の生徒の人間関係を改善したい | ピアサポーター | 日本ピア・サポート学会 |
| 消防士の心的ストレスをケアしたい | 日本消防ピアカウンセラー協会 | 日本消防ピアカウンセラー協会 |
なお、メンタルコーチングに関する資格は、別記事でまとめています。
【参考記事】・ メンタルコーチングの資格おすすめ10選（一覧、費用）
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Writer/編集者： 松田康