請求書のクラウドサービスを比較した場合、どのような違いがあるのでしょうか。
請求書の作りやすさや、送付方法、テンプレートの種類に違いがあります。また、月額料金や郵送費が異なるため、トータルコストで比較、検討をしたいところです。
そこで、請求書作成ツールを選ぶ前に知っておきたいポイントをまとめました。
本記事では、代表的な請求書のクラウドサービス6選を比較し、その違いをご紹介します。
1. 請求書のクラウドサービスの比較(5つのポイント)
Misoca、MFクラウド請求書、Makeleaps、freee、Squareを、次の5つのポイントで比較しました。
それぞれを詳細にご紹介します。
1.1 送付方法
【結論】
- Misoca: △(メール、郵送、印刷が可能。メールの文面を変更不可)
- MFクラウド請求書: 〇(メール、郵送、印刷が可能)
- Makeleaps: 〇(メール、郵送、印刷が可能)
- freee: 〇(メール、郵送、印刷が可能)
- Square: △(メール)
【比較内容】
Misoca、MFクラウド請求書、Makeleaps、freeeは、請求書を取引先に送付するときに、メール、PDF、郵送、印刷、共有可能なリンクを送る方法があります。
ただし、メールの送り方に違いがあります。
MFクラウド請求書、Makeleaps、freeeは請求書を送付するメールの文面を変えられますが、Misocaはメールの文面を変更できません。
そのため、Misocaで事前に用意されているメールの文面で問題ないか確認が必要となります。
なお、Squareはメール、あるいはURLの共有で請求書を送れます。
Square(公式サイト)で機能の詳細を確認する (決済サービス ⇒ 請求書で決済)
1.2 デザイン
これまで作ってきた請求書を、請求書作成サービスに変える場合に、イメージ通りに請求書のデザインが作れるかは気になるポイントです。
クラウド請求書のデザインを柔軟に変更できるかチェックが必要です。
◆ Misocaの場合
レイアウトのテンプレートが13種類あります。ロゴや印影を登録できます。また、「個」や「ケース」などの単位も変更できます。また、見積書のテンプレートもあります。
◆ MFクラウド請求書
ロゴや印影などを表示させたり、納品日の表示の要否などを選べます。
また、レイアウトのテンプレートが10種類あり、見積書のテンプレートもあります。
下記の画面で、好みのテンプレートを選べます。
◆ Makeleapsの場合
テンプレートは4種類あります。社印を登録できます。
◆ freeeの場合
レイアウトのテンプレートが6種類あります。ロゴや社印を登録することできます。
◆ Squareの場合
Squareはテンプレートなどはないですが、シンプルな請求書を作れます。
Square(公式サイト)で機能の詳細を確認する (決済サービス ⇒ 請求書で決済)
◆ サービスを選ぶ時の留意点
Misoca、MFクラウド請求書、Makeleaps、freeeで請求書のテンプレートが用意されています。現状利用している請求書と出力したときのイメージが近いものがあるか、確認をしてみてください。
1.3 入力のしやすさ
【結論】
- Misoca: 〇(見積書から自動作成)
- MFクラウド請求書: 〇(見積書から自動作成)
- Makeleaps: 〇(見積書から自動作成)
- freee: 〇(見積書から自動作成)
- Square: △(シンプルな機能のみ)
【比較内容】
Misoca、MFクラウド請求書、Makeleaps、freeeは、過去に作成した見積書から、取引先や取引内容、金額などの情報を自動的にコピーして、請求書を作成できます。
それぞれの機能をご紹介します。
◆ Misocaの場合
作成した見積書を選び、「同じ内容で請求書をつくる」をクリックします。
◆ MFクラウド請求書の場合
事前に作成した見積書から請求書を作成できます。
◆Makeleapsの場合
作成済みの見積書をチェックし、「請求書に変換」を押すことで、請求書が作られます。
◆freeeの場合
事前に作成した見積書から、「チェックした見積書から請求書を作成」を押すことで、請求書を作れます。さらに、同一の客先に複数の見積書があった場合に合算して請求書を作成できます。
なお、国税庁のホームページでも、一定の期間内の取引をまとめて記載することは認められています。【出典】 国税庁ホームページ 請求書等の記載事項や発行のしかた
◆ Square
Sqaureは、請求書を見積書から作る機能などはなく、シンプルな機能が用意されています。
◆ サービスを選ぶときの留意点
freeeは、合算請求書を作成するには、ビジネス版(月額3,980円)が必要です。合算で請求書を作る必要があるか検討をしてみてください。
1.4 定期発行する請求書
定期的に請求書を発行をする業務がある場合、通常、毎週、あるいは毎月決められたタイミングで、過去に作成した請求書の発行日や請求内容を手直して発行している場合があるかと思います。
1回1回は単純な作業でも、毎月の作業として積み重なると時間がかかります。さらに、請求書をコピーして使うため、一部の内容を修正し忘れたり、発行することを忘れたりすることもあります。
そこで、定期的に自動で発行する機能を利用することで、システムが自動的に請求処理を行ってくれるため、作業が軽減できます。
なお、freeeとMFクラウド請求書は、定期的に請求書を作成するには、次のプランが必要です。
- MFクラウド請求書の場合、ベーシック版(月額2.980円)
- freeeの場合、ビジネス版(月額3,980円)
定期的に請求書を自動で作る必要があるか検討をしてみてください。
1.5 コスト
Misoca、MFクラウド請求書、Makeleaps、freee、Squareは料金体系が異なります。
利用料 | 連携するシステム | 製品HP | |
Misoca | 月額0円(5通まで) 月額800円(15通まで) 月額3,000円(100通まで) 月額10,000円(1,000通まで) |
freee、MFクラウド会計、弥生会計オンライン | Misoca |
MFクラウド請求書 | (個人)月額800円~ (法人)月額2,980円~ |
MFクラウド会計 | MFクラウド請求書 |
Makeleaps | (個人プラン)500円×ユーザ数 (法人プラン)800円×ユーザ数 +取引先別費用(*1) +オプション費用 |
Makeleaps | |
freee | 会計ソフトの利用料に含まれる(*2) | freee | |
Square | 無料。但し、決済手数料(3.25%)のみ発生する。 | Square |
今後、会計システムを入れ替えることを考えている場合には、MFクラウド請求書、freeeが魅力的です。一方、請求書の作成・管理機能のみを導入する場合には、Misoca、Squareが優れています。
*1:取引先が11社~25社の場合、80円。26社 ~ 100社の場合、70円。
101社 ~ 500社の場合60円。501社 ~ 1,000の場合、50円。
*2: ライト版 1,980円 / 月(税抜)、ビジネス版 3,980円 / 月(税抜)となります。
【ご参考】 代表的な5つの請求書クラウドサービス
クラウドの請求書サービスとして、5つの代表的なサービスがあります。
それぞれを詳細に説明します。
MFクラウド請求書
MFクラウド請求書は株式会社マネーフォワードが提供するネット上で使える請求書作成ソフトです。請求書の作成や送付、受取が管理できます。MFクラウド会計という会計ソフトと連携をすることで、請求書発行後の売上勘定の自動作成などが可能になります。
Misoca(みそか)
株式会社Misocaが提供する請求書作成、管理ツールです。好みのテンプレートを選んで項目に入力するだけで、かんたんに請求書が作成できます。無料で使えるので、まずは使ってみるのもオススメです。
【参考記事】・ Misocaの使い勝手と評判!便利な点と不便な点、料金を解説
Makeleaps
メイクリープス株式会社が提供する請求書作成、管理ツールです。請求書を作成、管理する機能はもちろん、口座連携機能がついており、入金消込の作業がかんたんに行えるという特徴があります。
freee(フリー)
freee(フリー)は、freee株式会社が提供するクラウド会計サービスで、2016年3月時点で600,000事業所が利用する日本を代表するクラウド会計サービスです。請求書だけではなく、会計ソフトのなかに請求書を作成、管理する機能があるというイメージになります。
なお、freee(フリー)の使い方については、別記事でまとめています。
【参考記事】・ freeeを使いこなす!6つの要点を押さえて使い方をマスターする
Square
モバイルPOSレジで有名なサービスです。ユーザーアカウントを作るだけで、請求書や見積書の作成、送付ができます。リマインドメールを送る機能や請求書の定期送信にも対応しています。
月額費用、導入費用が無料で利用できるため、手軽に始めたい方向けです。
Square (決済サービス ⇒ 請求書で決済 を選びます)
まとめ
本記事では、代表的な請求書のクラウドサービスを5つを比較しつつ、ご紹介させて頂きました。
おさらいをすると、求める内容によっておすすめの請求書サービスが変わります。
求める内容 | おすすめの請求書サービス |
請求書の作成のみを導入したい | Misoca、Square |
会計ソフトも導入したい | MFクラウド請求書、freee |
無料で導入したい | Misoca、Square |
各サービスの機能は優れており、使い方も簡単です。ぜひ、一度お試しで利用してみて、自社に使えるか判断をしてみてください。
本記事が、請求書の発行に関する業務を軽減できるきっかけになれば幸いです。
【参考記事】
- 自営業の経理!ゼロから始める確定申告までの10の作業と便利ソフト
- freeeを使いこなす!6つの要点を押さえて使い方をマスターする
- freeeとMFクラウド(マネーフォワード)を徹底比較!
- 経費精算アプリの比較!おすすめ10選(比較表・料金表付き)
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Writer/編集者: 松田康