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請求書の書き方(個人事業主向けの見本・テンプレートつき)


個人事業主として初めて請求書を作るとき、「何を書けばいいかわからない」「ミスが怖い」と感じる方は多いです。

実は、請求書に記載が必要な項目は決まっています。さらに2023年10月からはインボイス制度が始まり、適格請求書発行事業者に登録している場合は登録番号の記載と税率別の消費税額の記載が新たに必要になりました。

この記事では、個人事業主が押さえるべき請求書の書き方9項目と、インボイス制度への対応方法、すぐに使える無料テンプレートをまとめて解説します。

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この記事の結論
個人事業主の請求書には「宛名・発行者名・番号・日付・振込期限・明細・銀行口座・源泉所得税・振込手数料」の9項目が基本です。インボイス登録済みの場合は登録番号(T+13桁)と税率ごとの消費税額の記載が追加で必要です。

【参考文献】 個人事業の経理と節税〈’14年版〉―フリーランス・自営業者
       青木 茂人(著) 2014年

1. 請求書の書き方【9項目チェックリスト】

請求書を書くときには、以下の9項目を記入します。国税庁のホームページでも記載すべき事項が定められています。

【出典】 国税庁 No.6625 請求書等の記載事項や発行のしかた

No. 項目 記載内容のポイント
1 宛名 会社名+部署名+担当者名。個人は「様」、法人は「御中」
2 発行者の名前 屋号・代表者名・住所・連絡先を明記
3 請求書の番号 右上にユニークな番号を振る(例:INV-2024-001)
4 請求書の日付 取引先の経理処理に関係するため、事前に確認する
5 振込期限 発行日から30日以内が一般的。明記しないと督促しにくい
6 請求内容(明細) 商品名・数量・単位・単価・金額・消費税を記載
7 振込先の銀行口座 銀行名・支店名・口座種別・口座番号・名義人
8 源泉所得税 控除義務は取引先にある。仕事内容ごとに要確認
9 振込手数料 取引先負担にする場合は「貴社のご負担にてお願いします」と明記

以下で各項目を詳しく説明します。

 

1.1 宛名

請求書の左上にお客様の名称(宛名)を記入します。お客様が個人の場合は「」、法人の場合は「御中」を使います。担当者名がわかっている場合は氏名も記入しますが、「御中」と「様」を同時に使うのは誤りです。

(正) 鈴木商事株式会社 営業部 鈴木太郎 
(誤) 鈴木商事株式会社 営業部 御中 鈴木太郎 様

 ※御中と様は同時に使えません

 

1.2 請求書の発行者の名前

請求書を作成した自分自身の情報を記入します。屋号代表者の氏名住所電話番号またはメールアドレスを明記します。インボイス登録済みの方は、ここに登録番号(T+13桁)も記載が必要です(詳細は次章)。

 

1.3 請求書の番号

取引案件ごとにユニークな番号を振ります。番号は請求書の右上に記載します。取引先から「先月の請求書の件ですが…」と問い合わせがあったときに、番号があるとすぐに該当書類を特定できます。

例:INV-2024-001(年度別に連番管理)や、取引先コードと組み合わせた番号など、自分が管理しやすい形式で統一しましょう。

 

1.4 請求書の日付

請求書の日付は、受け取る取引先の経理処理のタイミングに関係します。たとえば「月末締め」の取引先に対して、月末日付で請求書を出すかどうかが論点になることがあります。事前に取引先へ確認しておくのが無難です。

 

1.5 振込期限

振込先口座の情報とあわせて、必ず振込期限を明記します。ここを空欄にしておくと、支払いが遅延しても督促しづらくなります。

一般的な振込期限は請求書発行日から30日以内です。取引先との契約書や発注書に支払い条件が定められている場合は、それに合わせます。「末締め翌月末払い」などの締日・支払日は取引先ごとに異なるため、名簿にまとめておくと管理が楽になります。

 

1.6 請求書の内容(明細)

注文書・納品書と見比べながら、以下の項目を記入します。

  • 商品名(または作業内容):具体的に記載する(例:「Webライティング 10記事分」)
  • 数量・単位・単価・金額:数量×単価=金額となるよう正確に記入
  • 消費税額:10%(または軽減税率8%)を明記。インボイス登録済みの場合は税率ごとに区分して記載(次章参照)

請求書が複数ページになる場合は、合計表を別紙として添付する方法も有効です。

【出典】 国税庁 No.6625 請求書等の記載事項や発行のしかた

 

1.7 振込先の銀行口座

以下の情報をすべて記入します。

  • 銀行名・支店名(銀行コード・支店コードも記載するとより親切)
  • 口座の種類(普通・当座)
  • 口座番号
  • 口座名義人(カナ表記も添えると振込ミスを防げます)

 

1.8 源泉所得税

デザイン・ライティング・コンサルティングなど特定の業種では、取引先が報酬から源泉所得税を控除して支払う義務があります。源泉税を控除する義務は取引先(支払い側)にありますが、請求書に源泉所得税の金額を記載しておくと、お互いの計算確認がスムーズです。

源泉税が必要かどうかは仕事の内容によって異なります。
【出典】 国税庁 源泉所得が必要な報酬・料金等とは

 

1.9 振込手数料

振込手数料を取引先に負担してもらう場合は、請求書に「振込手数料は貴社のご負担にてお願いします」と明記しておきます。記載がないと「どちらが負担するか」でトラブルになることがあります。

 

2. インボイス制度対応の請求書の書き方(2023年10月〜)

2023年10月からインボイス制度(適格請求書等保存方式)が始まりました。インボイス登録の有無によって、請求書の書き方が変わります。

2.1 インボイス登録済みの場合(課税事業者)

適格請求書発行事業者に登録している場合、従来の9項目に加えて以下の3項目が追加で必要です。

追加項目 記載内容
登録番号 「T」+13桁の番号(例:T1234567890123)
税率ごとの合計額 8%対象・10%対象それぞれの税抜または税込合計額
税率ごとの消費税額 8%・10%それぞれの消費税額を区分して記載

なお、2026年9月まで活用できる2割特例(納税額が売上消費税の2割になる制度)があります。2026年10月以降は廃止されるため、該当する方は早めに顧問税理士・税務署に確認することをおすすめします。

2.2 インボイス未登録の場合(免税事業者)

インボイスに登録していない免税事業者の場合、請求書の書き方は従来通りで問題ありません。ただし、取引先(買い手側)は仕入税額控除が受けられないため、取引条件の交渉や関係への影響が生じる可能性があります。

「消費税を請求してよいか」は登録の有無に関わらず自由ですが、取引先との信頼関係のために事前に確認しておくと安心です。

 

3. 請求書を作るときの3つのポイント

請求書の記入項目が揃っても、運用上のミスがあると売上の損失やトラブルにつながります。以下の3点を習慣化しましょう。

3.1 請求漏れをなくす

請求漏れは売上の損失だけでなく、顧客との信頼トラブルにもつながります。日頃から注文書・納品書のコピーを取引先別に管理し、毎月の請求締め日に照合する習慣をつけましょう。

とくに注意が必要なのが時効です。請求を忘れた状態が続くと、法的に代金を請求できる権利(債権)が時効として消滅することがあります。

請求書の時効消滅について解説した国民生活センターの資料

【参考記事】 国民生活センター 誌上法学講座 消滅時効

3.2 記入ミスをなくす

請求書の内容が誤っていると支払いの遅延につながります。発行前に注文書・納品書と照合し、金額・宛名・日付に誤りがないか必ずチェックします。

こうしたミスを減らすために便利なのが請求書作成ソフトです。見積書や納品書をもとに請求書を自動作成できるため、手入力によるミスを大幅に減らせます。詳しくは請求書クラウドサービスの比較記事もご覧ください。

3.3 締日に合わせて発行する

取引先ごとに締日が異なります。たとえば「月末締め・翌々月10日払い」の取引先なら、5月末付で請求書を送れば7月10日に振込が完了します。取引先別の締日・支払日・支払方法を名簿にまとめておくと管理が楽です。

 

4. 個人事業主向け請求書の見本・テンプレート

個人事業主向けに、職種別の請求書テンプレートを無料でご用意しています。Wordファイルでダウンロードして、そのままご利用いただけます。

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請求書のテンプレートをダウンロードする

上記以外にも、請求書作成ソフト「Misoca」では14種類の無料テンプレートが利用できます。シンプル・おしゃれ・フリーランス向けなど用途に合ったデザインを選べます。

Misocaの請求書テンプレート一覧の画面イメージ

Misocaの請求書テンプレートを見る(無料)

また、マネーフォワード クラウド請求書も無料で使える請求書作成ソフトです。窓付き封筒対応・改ページ対応など10種類のテンプレートが揃っています。

マネーフォワード クラウド請求書のテンプレート画面

マネーフォワード クラウド請求書(無料から使える)

【参考記事】 ・ Misocaの使い勝手と評判!便利な点と不便な点、料金を解説
       ・ 請求書のクラウドサービスを比較!5つのポイントで検証

 

5. 請求書の送り方と保管方法

5.1 送り方

請求書を送るときには郵送・メール・FAXが一般的です。取引先が郵送を希望するか、メールでよいか、事前に確認しましょう。

メールで送る場合は、改ざんを防ぐためにPDF形式に変換して添付します。Word形式のまま送ると、受取側で書き換えられるリスクがあります。

5.2 保管方法

請求書は発行後、原則5年間の保存義務があります(帳簿は7年)。確認のしやすさを考えると7年間保存しておくのが無難です。

紙で保管する場合はルーズリーフタイプのファイルが便利です。後からページの増減ができるため、月ごとや取引先ごとに整理しやすくなります。クラウドサービスを使えばデータとして自動保管でき、検索も容易です。

【参考】 国税庁 記帳や帳簿等保存・青色申告

 

よくある質問

 

Q1 請求書に印鑑は必要ですか?

法律上、請求書への印鑑の押印は義務ではありません。ただし、取引先によっては「印鑑がないと経理処理できない」というルールを持っている場合もあるため、取引先に確認しておくと安心です。電子請求書を使う場合は印鑑不要が一般的です。

 

Q2 免税事業者でも消費税を請求できますか?

はい。インボイスに登録していない免税事業者でも、消費税相当額を上乗せして請求すること自体は禁止されていません。ただし、取引先は仕入税額控除が受けられないため、取引条件の交渉が必要になる場合があります。取引先と事前に合意しておくことが大切です。

 

Q3 源泉所得税はどの仕事で控除されますか?

原稿料・デザイン料・講演料・翻訳料・Webデザインなどの報酬は源泉所得税の対象になります。源泉税の控除は支払い側(取引先)の義務です。ただし、源泉税が発生する仕事かどうかは取引内容によって異なるため、事前に取引先の経理担当に確認するのが確実です。詳しくは国税庁のホームページをご覧ください。

 

まとめ

本記事では、個人事業主向けの請求書の書き方と、インボイス制度への対応方法を解説しました。

請求書に記載する9つの基本項目をおさらいします。

No. 項目 特記事項
1 宛名 個人は「様」、法人は「御中」。御中と様は併用不可
2 発行者の名前 屋号・氏名・住所・連絡先。インボイス登録番号も記載
3 請求書の番号 右上にユニークな番号を付ける
4 請求書の日付 取引先の経理締日に合わせて確認
5 振込期限 一般的に発行日から30日以内。必ず明記する
6 請求内容(明細) 商品名・数量・単価・金額・消費税額
7 振込先の銀行口座 銀行名・支店名・口座種別・口座番号・名義人
8 源泉所得税 控除義務は取引先側。仕事内容によって適用可否が異なる
9 振込手数料 取引先負担の場合は明記する

 

インボイス登録済みの方は、上記に加えて「登録番号(T+13桁)」と「税率ごとの消費税額」の記載が必要です。

請求書作りを効率化したい方には、Misocaマネーフォワード クラウド請求書などのクラウドサービスの活用もおすすめです。

なお、経理関連の作業を効率化する方法は以下の記事でまとめています。

【参考記事】 ・ 自営業の経理!ゼロから始める確定申告までの10の作業と便利ソフト
       ・ 経理の仕事の流れ!ToDoリストとスケジュールの例
       ・ 現金出納帳の書き方と記入方法(見本・テンプレート付き)
       ・ 白色申告のソフトを比較!おすすめなソフトはどれか
       ・ 領収書の書き方と見本をご紹介!知らないと恥ずかしい7つの知識
       ・ フリーランス向けのクレジットカードおすすめ12選!還元率、審査、サービス

 

著者プロフィール
松田 康|ITツールを実際に使って検証するコンサルタント
ITツールやAIサービスを、初心者目線でわかりやすく解説することをモットーに活動中。
小規模事業者やフリーランスの方々に向けて、ExcelテンプレートやITツールの活用方法など、実践的な情報を発信しています。

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