個人事業主の確定申告(青色申告)におすすめの会計ソフトには、どのような種類があるのでしょうか。
エクセルを使う方法もありますが、無料で使えるソフトや、スマホアプリもあります。さらに、初心者向きのソフトや、クラウドを利用してMACで使えるソフトもあり、多種多様です。
そこで、確定申告に便利な会計ソフトを選ぶ前に知っておきたいポイントをまとめました。
本記事は、個人事業主におすすめの会計ソフト6選を比較し、その違いをご紹介します。
1. 確定申告におすすめの会計ソフト6選
個人事業主が確定申告をするときに、おすすめの会計ソフトは6つあります。
- freee
- MFクラウド確定申告
- やよいの青色申告オンライン
- 弥生会計
- みんなの青色
- Excel版のテンプレート
それぞれを詳細にご紹介します。
※ 当記事では、青色申告を前提にしています。白色申告の場合には次の記事をご覧ください。
【参考記事】 ・ 白色申告のソフトを比較!機能、使いやすさ、価格で検証
1.1 freee(フリー)
クラウド会計ソフトの定番です。初心者でも簡単に確定申告を行え、インターネットを使えれば、MACでも使えます。
スマートフォンでレシートをスキャンすると、会計データを作ってくれたり、ネットバンクやクレジットカードと連携して、会計処理を行ってくれます。
◆ おすすめ度(3段階評価)
- 初心者向き:★★★ (勘定科目の入力補助機能あり)
- 自動経理処理:★★★(ネットバンクやクレジットカードと同期して、自動経理)
- 利用できる機器: ★★★(パソコン、スマホ、タブレット)
- 確定申告書類の作りやすさ: ★★★(申告書類の補助機能があり)
- サポート体制: ★★★(メール、電話によるサポートあり)
- 料金: ★★(年額 9,800円。無料のお試し版あり。)
◆ 口コミ
freeeに関する口コミをあつめてみました。
https://twitter.com/yano_cchi/status/1264202463789252608
【参考記事】・ freeeの使い勝手と評判!使いやすい点・使いにくい点を徹底解説!
1.2 MFクラウド確定申告
人気のクラウド会計ソフトで、青色申告ができます。ネットバンキングデータから、自動で仕訳データを作成したり、仕訳帳、元帳、青色申告決算書などを作成します。
freeeと同様に、インターネット上で会計ソフトを利用できます。タブレット、スマートフォンからも利用できます。MACにも対応しています。
◆ おすすめ度(3段階評価)
- 初心者向き:★★(ショートカットキーが豊富)
- 自動経理処理:★★★(ネットバンクやクレジットカードと同期して、自動経理)
- 利用できる機器: ★★★(パソコン、スマホ、タブレット)
- 確定申告書類の作りやすさ: ★★★(申告書類を自動で作成)
- サポート体制: ★★★(メール、電話によるサポートあり)
- 料金: ★★★(無料~)
◆ 口コミ
MFクラウド確定申告に関する口コミをあつめてみました。
マネーフォワードの口座連携と、MFクラウド確定申告のお蔭で仕訳帳作成がかなり楽になった。極力カードとデビットで支払って現金支出はマネフォで領収書撮影or手動入力。自営業者の味方っす。SONY銀行のVisaデビットは利用明細が細かく表示されるので便利。
— 大岡寛典 (@oooka) March 7, 2019
MFクラウド確定申告の「社会保険料控除」の入力欄の場所、わかりにくすぎて2時間くらい迷った。。分かりやすくボタンにしてくれてたりしたらいいのに。でもやっと見つかった。今回は免除分だった年金を全払いしたのでかなりの控除になる
— ことぶき (@kotobukujp) March 7, 2019
【参考記事】 ・ MFクラウド確定申告の使い勝手と評判!便利な点・不便な点を徹底解説!
1.3 やよいの青色申告オンライン
弥生会計のクラウド会計ソフトです。初心者でも簡単に確定申告ができる点と、スマホでレシートをスキャンすると、記帳が行える点が優れています。MACにも対応しています。
◆ おすすめ度(3段階評価)
- 初心者向き:★★(仕訳の入力補助機能がある)
- 自動経理処理:★★★(ネットバンクやスマホアプリと同期して、自動経理)
- 利用できる機器: ★★★(パソコン、スマホ、タブレット)
- 確定申告書類の作りやすさ: ★★★(申告書類を自動で作成)
- サポート体制: ★(メールによるサポートのみ)(*1)
- 料金: ★★(1年間で8,000円)(*1)
◆ 口コミ
やよいの青色申告オンラインの口コミをあつめてみました。
やよいの青色申告をオンラインに変更したら、マックからブラウザベースでも使えるし、銀行もカードも連携してくれすし、領収書もスマホで撮影して入れれるから、だいぶほったらかし経理がマシになった。
— TOTOはもう寄付だと思うセルジオ (@pictron2009) May 27, 2020
なんと…
確定申告が終わりましたーーー!!!
いつもは3月12日くらいに慌ててやってたのに、今回はやよいの青色申告オンラインのレポのお仕事をいただいたおかげで、史上初の2月提出ですよ。ひゅー!
— マォ (@maoppachi) February 25, 2020
【参考記事】 ・ freeeと弥生会計オンラインを比較!選ぶ前に知りたい3つの違い
*1:電話によるサポートを受けるには、ベーシックプラン(年額12,000円)が必要です
1.4 やよいの青色申告 19
会計ソフトの定番です。仕訳帳、元帳、青色申告決算書や所得税などの確定申告を作成できます。セミナーなども開催し、各種サポートが充実しています。
パソコンにインストールして利用する会計ソフトです。15年以上の長い歴史を持つ会計ソフトもあり、機能は非常に成熟しています。ただい、自分でインストールする手間が発生します。
◆ おすすめ度(3段階評価)
- 初心者向き:★(仕訳の入力補助機能はない。自分でインストール作業が発生する)
- 自動経理処理:★★(自動経理処理をするには、あんしん保守サポートが必要)(*1)
- 利用できる機器: ★(パソコンのみ)
- 確定申告書類の作りやすさ: ★★★(申告書類を自動で作成)
- サポート体制: ★(メールによるサポートのみ)(*2)
- 料金: ★★(12,960円)(*2)
*1: あんしん保守サポートは、3つのプランがあります。年額8,000円~が必要となります。
*2: 電話によるサポートを受ける場合には、年額12,000円~が必要となります。
1.5 みんなの青色申告19
会計王という法人向け会計ソフトで実績のあるソリマチが開発しています。創業50年以上の歴史を持つ税務会計事務所が母体です。やよいの青色申告とほぼ同様の機能をもっています。
◆ おすすめ度(3段階評価)
- 初心者向き:★(仕訳の入力補助機能はない。自分でインストールする必要がある)
- 自動経理処理:★★(自動経理処理がある)
- 利用できる機器: ★(パソコンのみ)
- 確定申告書類の作りやすさ: ★★★(申告書類を自動で作成)
- サポート体制: ★(電話サポートは、年額6,000円のバリューサポートが必要)
- 料金: ★★(9,800円)
1.6 Excel版のテンプレート
マイクロソフト社のExcelを使って、青色申告用の帳簿を作成するテンプレートがあります。「Excel 複式簿記 テンプレート」などでネット検索をすれば表示されます。
◆ おすすめ度(3段階評価)
- 初心者向き:★(マニュアルなどが不足している。電話によるサポートなどもない)
- 自動経理処理:★(自動経理処理はない)
- 利用できる機器: ★(パソコンのみ)
- 確定申告書類の作りやすさ: ★(申告書類を自動で作れない)
- サポート体制: ★(プログラムに不具合があっても、対応不可の可能性がある)
- 料金: ★★★(無料の場合もある)
2. 会計ソフトの選ぶ基準
個人事業主が会計ソフトを選ぶときにチェックしたいポイントは、4点あります。
- 機能(経理の作業がどの程度ラクになるか。初心者でも使いやすいか。)
- 費用
- 実績
- 体験版の利用可否
それぞれを詳細にご紹介します。
2.1. 機能
個人事業主の方が確定申告を行うときに、その業種や状況によって選ぶべき会計ソフトが変わります。
たとえば、お金のやり取りが少ない業種の場合には、Excelのテンプレートで十分な場合もあります。具体的には、デザイナーや翻訳家、トレーナー、司会業などが該当します。
一方、お金のやり取りが多い場合には、クラウド会計がオススメです。ネットバンキングなどのデータと連携して、自動で会計データを作ってくれるので、経理の作業がラクになります。
また、入力補助のある機能があると、初心者でも迷わずに青色申告を行えます。
2.2 費用
会計ソフトの費用は、インストール型の場合には初期費用と保守費用が発生します。一方、クラウド型の会計ソフトの場合には、月額利用料が発生します。
仮に2年間で利用することを考えると、クラウド型の費用の方が、インストール型の会計ソフトより安くなります。
仮にfreeeを2年間利用した場合、9,800円×2年=19,600円
仮にやよいの青色申告 17を2年間利用した場合、12,960円 + 12960円×2年 = 38,880円
※ 前提として、やよいの青色申告17のベーシックプランの安心サポートに2年間
申し込んだことを想定しています。
※ 現状行われているキャンペーンなどは考慮にいれないこととします。
2.3 実績
平成31年に消費税の改正が見込まれています。会計ソフトも税制の改正に対応した改良などが必要です。購入した会計ソフトの会社が倒産をしたり、バージョンアップに対応しないと、困ります。
そのため、多くの方が使っている、実績がある会計ソフトを利用する必要があります。
2.4 体験版の利用可否
会計ソフトを購入する前には、ソフトの機能や使いやすさをチェックするために、体験版を利用することをおすすめします。入力のしやすさ、画面の反応の良さなどを確認したいところです。
3. 確定申告向けの会計ソフトの比較表
上記基準に則って、確定申告向けの会計ソフトを比較してみました。
Excel | インストール型会計ソフト (弥生会計/みんなの青色) |
クラウド型の会計ソフト (freee/MFクラウド会計/弥生会計オンライン) |
|
機能(入力しやすさ、初心者向き) | × すべて手入力 |
△ すべて手入力 |
〇 自動で経理作業。入力補助機能 |
費用 | 無料 | △ 12,960円/9,800円 + 保守費用 12,960円(年)/6,000円 |
〇 年9,800円/無料/年8,000円 |
メーカーの実績 | △ 無料であり過度に期待できない |
〇 実績は多数 |
〇 ベンチャー企業であるが利用者数が多く実績は多数 |
体験版が利用 | 〇 無料 |
〇 | 〇 |
この比較表では「使いやすさ」という視点では分析されていません。ただ、どのソフトも体験版が使えますので、実際に使ってみて確認をしてみてください。
【参考記事】 ・ freee、MFクラウドを比較!機能、料金、使いやすさで比べる!
・ freeeと弥生会計オンラインを比較!選ぶ前に知りたい3つの違い
まとめ
本記事は、個人事業主に最適な会計ソフトの選び方をご紹介しました。価格という点では、Excelや無料で利用できるMFクラウド確定申告が便利です。
一方、初心者向きという視点では、freeeやMFクラウド確定申告、やよいの青色申告オンラインがオススメです。
なお、個人事業主向けに経理の作業の流れや便利技、会計ソフトの比較などを別記事でもまとめています。興味がございましたらご覧ください。
【参考記事】 ・ 自営業の経理作業をラクにする3つのコツと確定申告までの流れ
・ 個人事業主の経理をラクにする!今すぐ始めたい4つの便利技
・ freee、MFクラウドを機能、料金、使いやすさで比較!
参考になれば幸いです。
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Writer/編集者: 松田康