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イラストレーターが確定申告する手順!申告方法や経費の例【2026年】


「フリーランスのイラストレーターになったけど、確定申告って何から始めればいいの…」そんな疑問はありませんか。

確定申告をするには、開業届の提出や記帳、会計ソフトの利用、書類の提出という流れを押さえれば、思ったよりもシンプルに進められます。

本記事では、イラストレーターが確定申告をするための10の手順を、必要な書類・経費・ソフトの選び方も含めてわかりやすく解説します。画材費ペンタブなどイラストレーター特有の経費についても一覧でまとめていますので、申告漏れを防ぐ参考にしてください。

この記事の結論
フリーランスのイラストレーターは、年間の事業所得が48万円超(2025年分からは95万円超)または副業所得が20万円超の場合、確定申告が必要です。申告は①開業届・②青色申告申請書の提出から始め、③会計ソフトで帳簿を付けながら③請求書・領収書を保管し、翌年3月15日までに申告書を提出します。青色申告(e-Tax)なら最大65万円の特別控除を受けられます。

 

1. 確定申告とは:イラストレーターが申告すべき理由

フリーランスのイラストレーターに必要な確定申告のイメージ

確定申告とは、1年間(1月1日〜12月31日)の所得をまとめ、翌年の3月15日までに税務署へ申告する手続きです。会社員であれば勤務先が代わりに行ってくれますが、フリーランスのイラストレーターは自分で申告する必要があります。

イラストレーターとして独立した場合、個人事業主として収入と経費を計算し、所得税を国に納めます。会社員は給料から自動で天引きされますが、フリーランスは自分の収入や経費は自分にしかわかりません。そのため、帳簿をつけて収入と支出を自分で計算・申告する必要があります。

国税庁の確定申告特集ページ(令和8年分)

【出典】 国税庁ホームページ 確定申告特集

なお、フリーランスのイラストレーターが確定申告を要するのは、年間の事業所得が48万円超(基礎控除額。2025年分の申告からは最大95万円に引き上げ予定)の場合です。副業でイラストを描いている場合は、副業所得が年間20万円超で申告義務が発生します。

 

2. 確定申告までに必要な10のステップ

イラストレーターが確定申告するまでのステップ一覧

イラストレーターが確定申告を完了するまでの手順を10ステップにまとめました。順番に進めることで、申告書提出まで迷わず進められます。

  1. 個人事業の開業届を提出する
  2. (青色申告する場合)青色申告承認申請書を提出する
  3. 事業用の銀行口座を用意する
  4. 請求書・領収書を整理し保管する
  5. 所得控除に関する書類を集める
  6. 記帳をする
  7. 会計ソフトにデータを入力する
  8. 確定申告書の手引きを入手する
  9. 会計ソフトで青色申告決算書を作る
  10. 申告書類を提出する

それぞれを詳しく解説します。

 

2.1 開業届の提出

個人事業主の開業届(税務署提出用)の記入例

イラストレーターとしてフリーランスで仕事を始めたら、税務署に開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)を提出します。開業届は、最寄りの税務署の窓口でもらえるほか、国税庁のホームページからダウンロードも可能です。

税務署に持参すると、提出日付の入った収受印が押された控えをその場でもらえます。この控えは、銀行で屋号付き口座を作る際や、金融機関から融資を受ける際など、今後さまざまな場面で必要となります。必ず保管しておきましょう。

開業届の入手方法・提出先・期限については、個人事業主の開業届の入手方法・提出先・費用の記事で詳しく解説しています。

 

2.2 青色申告承認申請書の提出

青色申告と白色申告の違いを比較したイメージ

確定申告には青色申告白色申告の2種類があります。どちらを選ぶかで、節税効果が大きく変わります。

青色申告は複式簿記での記帳が必要ですが、特典として最大65万円分を所得から控除できます(e-Taxで電子申告した場合。紙提出の場合は55万円控除)。国税庁のシミュレーションによると、年収600万円の場合で197,800円の節税効果があります。

青色申告と白色申告の節税額比較(国税庁「青色申告のすすめ」より)

【出典】 国税庁「青色申告のすすめ」P5

青色申告をするには、開業届と同時に所得税の青色申告承認申請書を税務署に提出します。記入欄が少ない簡単な書類なので、開業届と一緒に提出するのがおすすめです。

所得税の青色申告承認申請書(記入例)

国税庁ホームページ 所得税の青色申告承認申請手続

なお、白色申告を選んだ場合でも帳簿の記帳が義務です。白色申告に対応した会計ソフトもありますので、あわせてご確認ください。

 

2.3 事業用銀行口座の用意

フリーランスは個人で仕事をするため、プライベートのお金と仕事のお金が混在しがちです。通帳が同じだと、取引明細を見るたびに「これは仕事、これはプライベート」と判断する手間が発生し、記帳の手間も増えます。

仕事専用の口座を持つことで、確定申告の作業が大幅にラクになります。以下の手順で整理しましょう。

  1. 仕事専用の銀行口座を開設する
  2. 仕事専用のクレジットカードを作る(引き落とし先は事業用口座に設定)
  3. プライベート口座から事業用口座に初期資金を移動する
  4. クライアントからの報酬振込先を事業用通帳に統一する

個人事業主向けのネット銀行は手数料が安くオンラインで完結できるのでおすすめです。

クレジットカードや口座の選び方については以下の記事もご覧ください。

 

2.4 請求書・領収書の整理と保管

請求書や領収書は、経費を証明するための重要書類です。紛失しないよう、発生のたびにすぐファイリングする習慣をつけましょう。

ファイリングの基本は2点です。

  1. 領収書の日付をもとに月別に分類する
  2. 茶封筒などに「2024年7月分」などと書いて保管する

確定申告が終わった後も、書類は7年間の保存が義務付けられています(青色申告の場合)。段ボールや専用ファイルにまとめておくと安心です。

国税庁が定める書類保存期間の一覧(帳簿・書類の保管年数)

【出典】 国税庁ホームページ

なお、請求書のテンプレートをご用意しています。ダウンロードしてご活用ください。

イラストレーター向け請求書テンプレートのサンプル画像

請求書のテンプレートをダウンロードする(無料)

請求書・領収書の書き方については以下の記事をご参照ください。

 

2.5 所得控除に関する書類の収集

所得税は、すべての所得に課税されるわけではありません。所得控除を適用すると、課税対象の金額を減らすことができ、結果として税額が下がります。

(出典:国税庁ホームページ 所得控除のあらまし

よく使う所得控除の書類は、年末〜年始にかけて届くものが多いので、捨てずに保管しておきましょう。

◆ 社会保険料控除証明書

社会保険料控除証明書のサンプル(日本年金機構から送付される書類)

確定申告の時期に日本年金機構から送付されます。国民年金や国民健康保険料など、1月〜12月に実際に支払った全額が控除対象となります。

(出典:国税庁ホームページ 社会保険料控除

◆ 生命保険料控除証明書

生命保険料控除証明書のサンプル(保険会社から年末に送付される書類)

年末に加入している生命保険会社から送付されます。一定の金額を所得から控除できるため、必ず確定申告書に添付しましょう。

(出典:国税庁ホームページ 生命保険料控除

その他にも下記のような控除があります。場合によって書類が必要ですので、国税庁のページで確認しておきましょう。

国税庁が定める所得控除の種類一覧(医療費控除・配偶者控除・扶養控除など)

【出典】 国税庁ホームページ 所得控除のあらまし

 

2.6 記帳(帳簿付け)

収入・支出に関わる取引について、日付・金額・内容を記録します。1年間の記帳が完了すると、事業所得が計算できるようになります。こまめに入力しておくと、申告時期の作業が格段にラクになります。

イラストレーターが計上できる主な経費については、次の「第3章:イラストレーターが経費にできるもの」で詳しくまとめています。

 

2.7 会計ソフトへのデータ入力

イラストレーターが使うクラウド会計ソフトのイメージ

帳簿付けにはクラウド会計ソフトを使うと便利です。従来の会計ソフトと違い、月額数千円で利用でき、銀行口座・クレジットカード・Amazonなどのネット通販と自動連携して明細を取り込んでくれます。

◆ MFクラウド会計のデータ連携画面

MFクラウド会計がAmazonのデータを自動連携している画面

中小企業庁の調査では、クラウド会計ソフトを導入した企業の78.8%が経理業務時間を削減したと報告しています。(出典:中小企業庁「クラウド会計ソフトの活用」

イラストレーターに人気のある会計ソフトは主に3つです。

  1. freee会計 (初心者向き。質問形式で確定申告書が作れる)
  2. MFクラウド確定申告 (会計データが入力しやすく玄人にも人気)
  3. 弥生会計オンライン (初年度無料で試せる)

各ソフトの詳細な比較については、以下の記事を参考にしてください。

 

2.8 確定申告書の手引きの入手

確定申告書の手引きを確認するイラストレーターのイメージ

税法は毎年改正されます。そのため、申告する年の最新ルールを確認してから作業を進めることが大切です。国税庁のホームページに掲載されている確定申告書の手引きを事前に一読しておきましょう。

手引きには、申告書の提出方法・納税方法・確定申告が必要な条件・各項目の書き方が詳しく載っています。

国税庁の確定申告特集ページ(手引きダウンロードページ)

国税庁のホームページ 確定申告特集

 

2.9 会計ソフトで確定申告書類を作成

クラウド会計ソフトには、確定申告書類を自動作成する機能があります。質問に答えていくだけで書類が仕上がるため、経理の知識がなくても安心して進められます。

たとえば、freeeではQ&A形式で質問に答えるだけで確定申告の準備が進みます。

freee会計の確定申告Q&A入力画面

freeeの確定申告入力画面

MFクラウド確定申告にも、はじめて申告する方向けのサポート画面が用意されています。

MFクラウド確定申告のはじめての確定申告ガイド入力画面

MFクラウド確定申告 はじめての確定申告ガイド

さらに、インターネットで電子申告できるe-Tax用のデータも自動で書き出せます。e-Taxを利用すると、税務署に出向かずに自宅から申告でき、青色申告特別控除も最大65万円(紙提出の場合は55万円)となります。詳細は国税庁e-Taxのホームページをご覧ください。

MFクラウド確定申告のe-Taxデータ書き出し機能の画面

 

2.10 確定申告書の提出

確定申告書を税務署に提出するイメージ

確定申告書類の提出方法は3つです。

  1. 税務署に持参する:職員に確認しながら提出できる。申告期間中は混雑しやすい
  2. 郵便で送付する通信日付印が提出日となるため、期限内に投函すること
  3. e-Taxで電子申告する:自宅から24時間申告できる。青色申告特別控除が65万円に

申告期限は毎年3月15日です。郵便の場合は通信日付印が期限内であれば有効です。

確定申告書の郵便提出における通信日付印と提出日の説明

(出典:国税庁ホームページ

 

3. イラストレーターが経費にできるもの【項目別一覧】

イラストレーターとして確定申告をする際、経費の計上漏れは節税機会の損失につながります。「イラスト制作の報酬を得るために直接必要な支出かどうか」が経費の判断基準です。以下の一覧を参考に、漏れなく計上しましょう。

経費の種類 具体的な例 勘定科目
画材・材料代 ペン・絵の具・用紙・スケッチブック・インク 消耗品費
デジタル機材 ペンタブレット・液晶タブレット・スキャナー・プリンター 消耗品費・工具器具備品
パソコン・周辺機器 PC・モニター・マウス・キーボード 消耗品費・工具器具備品
ソフトウェア Photoshop・Illustrator・CLIP STUDIO PAINT等のサブスク費 消耗品費・通信費
通信費 インターネット回線料・スマートフォン代(業務分) 通信費
交通費 クライアントとの打合せのための交通費・取材移動費 旅費交通費
会議費・接待交際費 クライアントとの打合せ時の飲食代(通常の食事代は不可) 会議費・接待交際費
書籍・資料代 参考書・デザイン書籍・写真集・イラスト集 新聞図書費
事務用品 印鑑・名刺・文房具・封筒・コピー用紙 消耗品費
ウェブサイト関連 ポートフォリオサイト制作費・ドメイン代・サーバー代 広告宣伝費・通信費
自宅の一部(按分) 自宅兼仕事場の家賃・光熱費(業務使用割合分) 地代家賃・水道光熱費

※ 10万円以上の機材は原則「減価償却」が必要です(青色申告の少額減価償却資産の特例を使うと30万円未満まで一括計上可能)。

経理の記帳方法については、現金出納帳の書き方とテンプレートの記事もあわせてご覧ください。

 

4. イラストレーターの確定申告に関するよくある質問

 

Q1 イラストレーターは年収いくらから確定申告が必要ですか?

フリーランスのイラストレーターは、事業所得が年間48万円超(2025年分の申告からは95万円超に引き上げ予定)で確定申告が必要です。副業でイラストを描いている場合は、副業所得が年間20万円超で申告義務が生じます。所得が基準以下でも、住民税の申告や医療費控除・青色申告特別控除を受けるために、自主的に申告することをおすすめします。

 

Q2 イラストレーターとして活動しながら副業している場合はどうなりますか?

会社員として働きながらイラストの副業をしている場合、副業の所得(収入-経費)が年間20万円超になると確定申告が必要です。確定申告では、給与所得と事業所得(イラスト収入)を合算して申告します。源泉徴収票と1年間の収支記録を用意しておきましょう。

 

Q3 インボイス制度はイラストレーターにも関係しますか?

2023年10月から開始したインボイス制度(適格請求書等保存方式)はイラストレーターにも関係します。取引先(企業・出版社など)から消費税分の仕入税額控除を求められる場合、インボイス(適格請求書)を発行するための適格請求書発行事業者への登録が必要です。ただし、年間売上が1,000万円以下の免税事業者は登録義務がありませんが、取引先の判断で報酬が変わる可能性があります。詳細は国税庁または税理士にご確認ください。

 

Q4 青色申告と白色申告、どちらを選べばいいですか?

節税効果を最大化したいなら青色申告がおすすめです。e-Taxで電子申告すると65万円の特別控除を受けられ、年収600万円の場合は約19万円以上の節税につながります。複式簿記での記帳が必要ですが、クラウド会計ソフト(freee・MFクラウド・弥生会計オンライン)を使えば初心者でも対応できます。白色申告は手続きが簡単なぶん控除がなく、所得税の負担が大きくなるため、特別な事情がなければ青色申告を選ぶことをおすすめします。

 

5. まとめ

本記事では、イラストレーターが確定申告をするための10のステップと、申告方法・経費の知識をご紹介しました。改めて手順をまとめます。

  1. 開業届を提出する
  2. (青色申告の場合)青色申告承認申請書を提出する
  3. 事業用の銀行口座を用意する
  4. 請求書・領収書を整理し7年間保管する
  5. 所得控除に関する書類(社会保険料控除証明書など)を集める
  6. 日々記帳をする(画材・機材・通信費など経費を漏れなく計上)
  7. freeeMFクラウド確定申告弥生会計オンラインなどの会計ソフトでデータを管理する
  8. 国税庁の確定申告書の手引きを確認する
  9. 会計ソフトで青色申告決算書を作成する
  10. 3月15日までに申告書類を提出する(e-Tax推奨)

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著者プロフィール
松田 康|ITツールを実際に使って検証するコンサルタント
ITツールやAIサービスを、初心者目線でわかりやすく解説することをモットーに活動中。
小規模事業者やフリーランスの方々に向けて、ExcelテンプレートやITツールの活用方法など、実践的な情報を発信しています。

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