商圏分析ツールを比較した場合、どのような違いがあるのでしょうか。
指定したエリアの居住者の人口や世帯数がわかるツールや、年収・世代が分かるツール、GPSのデータをもとに来訪者の分析ができるツールがあります。
さらに、競合店の集客力を分析したり、出店候補地を探せるツール、無料で使えるツールもあります。そこで、商圏分析ツールを選ぶ前に知っておきたいポイントをまとめました。
本記事は、商圏分析ツール7選を比較し、その違いを紹介します。
商圏分析ツールおすすめ7選
商圏分析ツールを選ぶにあたって、5つのポイントを検討したいところです。
- どのような機能があるか。(来訪者の分析、居住地の分析、出店候補地の抽出)
- どのようなデータを利用しているか。(国勢調査、GPS位置情報、独自データ)
- 使い勝手はいいか。(ツールの管理画面が使いやすいか)
- 料金はいくらか。(初期費用、月額費用)
- どのようなサポートがあるか。
上記ポイントを踏まえて、おすすめのツール7選をご紹介します。
それぞれを詳細にご紹介します。
1. jSTAT MAP
総務省統計局が提供しているツールで、無料で商圏を分析できます。調べたいエリアの年齢別の人口や世帯構成や、従業者数や男女の人口比、住宅の形態、持ち家の形態などがわかります。
ユーザーアカウントを作った後、「統計地図作成」を選び、「エリア作成」をクリックします。
次に、グループ名に、調べたい場所を入力します。(例 新宿)
多角形を選びます。
エリア名を入力し、地図上の複数の地点をクリックします。
統計地図作成を選び、レポート作成をクリックします。
リッチレポートを選びます。
ユーザエリアを選び、「次へ」をクリックします。
自分が作成したグループを選び、「リッチレポートを作成する」をクリックします。
ダウンロードをすると、エクセルファイルが開き、年齢別人口、世帯数、経済センサス、人口・世帯数増減、マップキャプチャが表示されます。
◆ 分析できる内容
年齢別人口、世帯数、経済センサス、人口・世帯数増減
◆ 基本情報
- 利用できるデバイス: PC
- 料金: 無料
- 利用データ: 国勢調査、事務所・企業統計調査、経済センサス、農林業センサス
- サポート: なし
- 運営組織:総務省統計局
2. SearchBox
日本全国のエリアの商圏情報を分析できるツールです。商圏内に居住する世帯のライフスタイルや、年代、年収、店舗の特徴をグラフで表示してくれます。
調査したいエリアの人口や年収別の世帯数、男女の比が表示されます。
◆ 分析できる内容
ライフスタイル、年代、年収別の世帯数、店舗の業種
◆ 基本情報
- 利用できるデバイス: PC、タブレット、スマートフォン
- 料金: 1ID 158,400円(年)13,200円(月)
- 利用データ: 駅別乗降客数データ、バス停留所データ、道の駅案内「道の駅」一覧、法人電話帳、国勢調査、独自データ
- サポート: 電話
- 運営会社: 株式会社ゼンリンマーケティングソリューションズ
3. 人流アナリティクス
時間帯別の滞在人口を分析できるツールです。曜日、時間別の滞在人数や流入元のエリア、年代、世代の比率がわかります。
調べたいエリアを指定し、分析したい期間や曜日を指定します。
エリアに滞在した人数や、時間帯別の来訪者数をグラフで表示してくれます。
また、来訪者の性別や年代を円グラフや棒グラフで表示してくれます。
そして、来訪した人の出発エリアを、色付けして表示します。
◆ 分析できる内容
時間帯別の訪問者数、日別の訪問者数、性別、世代の割合、来訪者の出発エリア
◆ 基本情報
- 利用できるデバイス: パソコン
- 料金: 11,000円/月 (任意の10地点)
- 利用データ: スマートフォンのアプリから許諾を得たGPSデータ
- サポート: メール
- 運営会社: クロスロケーションズ株式会社
4. Market Analyzer
商圏の分析ツールで、昼間人口や卸売業・小売業の事務所数や従業員数、年間の商品の販売額を調べられます。
円形の商圏だけでなく、自動車や徒歩、自転車などの設定で、商圏を作れます。
また、駅毎の運行間隔や快速・特急を加えて、電車と徒歩の到達圏を設定でき、夜間人口、昼間人口が把握できます。
なお、出店余地をエリアでランキングする機能があり、自社や競合の状況を調べられます。
また、店舗を実績データや商圏データでグループ化する機能があります。
◆ 分析できる内容
店舗の属性、出店の余地のあるエリアの抽出、夜間人口、昼間人口、売上高
◆ 基本情報
- 利用できるデバイス: 未公開
- 料金: 1,200,000円(年間)初期費用 550,000円
- 利用データ: 公的統計データ、GPS位置情報
- サポート: 電話、メール
- 運営会社: 技研商事インターナショナル株式会社
5. TerraMap
地図を使って商圏を分析できるツールです。分析地点(調査物件や店舗)から半径を指定して、商圏を設定して、データを分析できます。
また、電車での移動時間で商圏を設定でき、電車で10分以内に来られる範囲の人口や世帯数などを把握できます。
設定した商圏の人口、世代別の人口、昼間の人口、世帯数、人口の増減が分かります。
◆ 分析できる内容
設定した商圏の人口、世代別の人口、昼間の人口、世帯数、人口の増減
◆ 基本情報
- 利用できるデバイス: 未公開
- 料金: 月額 38,000円(TerraMap Web)初期費用 50,000円(税別)
- 利用データ: 国勢調査データ、経済センサスのリンク統計データ、独自データ
- サポート: 電話
- 運営会社: マップマーケティング株式会社
6. KDDI Location Analyzer
auスマートフォンの位置情報をもとに、時間帯別の来訪者を調べられるツールです。国勢調査(5年毎)によるデータと比較して、鮮度の良いデータ(月単位)で分析ができます。
エリア内の交通量を平日・休日、時間帯別、性・年代別、交通手段(自動車、徒歩)別に集計できます。
また、性別・年代別の来訪者数や居住地、勤務地別の来訪者数を分析できます。
さらに、6地点の施設における、来訪者の居住地を分析できます。各施設の商圏の範囲や勢力図が分かります。
◆ 分析できる内容
来訪者の属性分析、来訪者の居住地分析、滞在人口の分析、通行人口の分析
◆ 基本情報
- 利用できるデバイス: 未公開
- 料金: 1ライセンスID 2,640,000円
- 利用データ: GPS位置情報データ
- サポート: 電話(専任のオペレーターによる操作フォロー)
- 運営会社: KDDI株式会社
7. Market Planner
国勢調査や商業統計などの統計データ、毎年更新の人口推計データをもとに、商圏を分析できるツールです。
競合店舗の集客力と、統計情報から潜在顧客を視える化し、出店候補地を抽出します。
また、自社が持つ顧客情報を取り込み、地図データや統計データと組み合わせることで、市場の占有率の分析ができます。
指定をして商圏を作れたり、店舗の顧客分布を基に商圏を作る機能もあります。
◆ 分析できる内容
人口・世帯数、推計人口、市場占有率
◆ 基本情報
- 利用できるデバイス: パソコン、スマホ、タブレット
- 料金: 1ID 80,000円/月
- 利用データ: 国勢調査、昼間人口、商業統計、人口統計、経済センサス、年収別世帯数データ、将来推計人口
- サポート: 電話(専任のオペレーターによる操作フォロー)
- 運営会社: 株式会社パスコ
まとめ
本記事は、商圏分析ツール7選を比較し、その違いを紹介しました。おさらいをすると、求める内容によって、おすすめのツールが変わります。
求める内容 | おすすめのツール |
無料で分析をしたい | jSTAT MAP |
調査エリアの人口、世帯数を知りたい | jSTAT MAP 、SearchBox、Market Analyzer、TerraMap |
携帯のGPS情報をもとに、来訪者を分析したい | 人流アナリティクス、KDDI Location Analyzer |
出店余地を知りたい | Market Analyzer、Market Planner |
電話でサポートを受けたい | TerraMap、KDDI Location Analyzer 、Market Planner |
なお、人流分析ツールについては、別記事でまとめています。
【参考記事】 ・ 人流データサービスおすすめ6選を比較(価格表、無料お試し)
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Writer/編集者: 松田康