現金出納帳とは、お金、とりわけ現金の流れをまとめるものです。
いつ、誰から、いくら、何のために、支払ったか、あるいは入金されたかを記入していきます。
そして、残高は、いくらあるかをチェックしていきます。
本記事は、初心者向けに、現金出納帳の書き方と記入方法を、見本やテンプレート・ソフトとともに紹介します。
【参考文献】 個人事業の経理と節税〈’14年版〉―フリーランス・自営業者
青木 茂人 (著) 2014年
1. 現金出納帳とは
現金出納帳とは、現金の収入と支出を記録する帳簿のことで、日々の入金、出金を記録し、チェックする役割があります。(*1)
日々の現金の収支を記録し、残高を算出することで、現金の状況を把握することができます。
「いつ」「誰から」「誰に」「何のために」「いくら」入金されたか、あるいは支払ったかを記入し、現金の残高と現金出納帳の残高が一致していることをチェックします。
なお、税理士に記帳を依頼するときにも、現金出納帳だけは記入を求められることがあります。
記入の仕方は、簡単なので、早速、始めてみましょう。
*1: 国税庁ホームページ 帳簿の記帳のしかた P14
2. 現金出納帳のテンプレート
現金出納帳や会計簿は、文房具店やスーパーでも買えます。また、インターネットからテンプレートを、無料でダウンロードできます。
当記事では、マイクロソフト社が提供している現金出納帳のテンプレートをご紹介します。記入をすると、自動的に計算、集計してくれるので便利です。
現金出納帳テンプレート(マイクロソフト社)をダウンロードする
なお、現金出納帳をAmazonなどでも購入できますので、ご覧ください。
コクヨ 帳簿 金銭出納帳 科目入り B5 100ページ (Amazon 定価 1,663円)
3. 現金出納帳の書き方
では、早速、現金出納帳を記入してみましょう。 ポイントは「現金が動いたら、かならず記録する」ことです。
3.1 書き方
「年月日」「摘要」「借方金額」「貸方金額」「差引残高」を書きます。
◆ 年月日
領収書などの日付をもとに、取引日を記入します。(記入日ではありません)
◆ 摘要
入出金のあった相手先や取引内容などを記入します。相手先のみの記入では、取引内容がわからなくなる可能性もあるため、勘定科目なども書きます。
◆ 借方金額
金庫に入金があった時は左側(借方金額)に書きます。
◆ 貸方金額
金庫から支払ったら、現金出納帳の右側(貸方金額)に記入します。金庫から現金を300円引き出したら、300円と記入します。
◆ 差引残高
記帳した結果、手元に、現金残高がいくらあるのかを記録します。 テンプレートの場合には、自動的に、残高が計算されます。
金庫のなかに、9,000円残っていたら、現金出納帳の残高欄も9,000円となる必要があります。 一致していない場合には、計算ミスや記入漏れをチェックします。
なお、より詳細な記入方法を知りたい場合には、国税庁ホームページにも記載があります。
3.2 記入方法
テンプレートに記入する方法は、次の通りとなります。
◆ 記入方法
- 前月の繰越残高を、一番上(I列7行目)に記入します。8行目以降は日付順に記入します。
- 銀行預金から現金を引き出し、金庫に入金した場合には、G列に記入します。
- 切手代を金庫から支出した場合には、H列に記入します。
- 交通費を金庫から支出した場合には、H列に記入します。
記入例を参考に、記入してみてください。
4. 現金出納帳を無料で作れるソフト
また、現金出納帳を会計ソフトで作ることもできます。2種類のソフトがあります。
それぞれを詳細にご紹介します。
4.1 freeeの現金出納帳
会計ソフトで有名なfreee(フリー)が提供する現金出納帳のソフトです。画面にそって入力するだけで、初心者でも現金出納帳を簡単に作れます。
無料で試せるので、使い勝手などを確認してみるのも一つです。
◆ 記入例
現金出納帳のテンプレートを見る (無料で試せます)
4.2 やよいの白色申告オンライン
白色申告のために無料で使える会計ソフトです。入力の画面も使いやすく、初心者でも始めやすいです。
なお、現金出納帳、預金出納帳、売掛帳、買掛帳、経費帳を自動的に出力できます。
5. 現金の取り扱い方
現金は盗難や紛失などのトラブルが起こりがちです。そのため、最近では銀行振込などを利用し、できるだけ現金の取り扱いを減らすようにします。
しかし、まったく現金の扱いをなくすことも難しいのが現状です。 そこで、事務用品や切手などの日常で購入する費用や交通費などの少額の精算を行うために、現金を用意します。
そして、現金を引き出すときには「何に現金を使ったのか」忘れる前に現金出納帳に記録します。
6. 金庫
そして、現金出納帳を利用するときには、金庫も合わせて用意したいところです。
簡易的なもので結構ですので金庫を用意します。
そして、交通費や切手代など、日々の細かい支払いを金庫から引き出します。さらに支払いの際に受け取った領収書、レシートなどは、整理するまで、金庫のなかで保管しておきます。
そして、金庫のお金が少なくなってきたところで、その都度、銀行預金から必要な分だけ引き出すようにします。
7. 入出金のチェックの仕方
金庫の中の現金の段高をチェックするときには、金種表を作って確認することで、計算ミスが減ります。 金種表のテンプレートをご紹介しますので、ぜひダウンロードしてご利用ください。
まとめ
本記事は、現金出納帳の書き方と記入方法を、テンプレートを交えながらご紹介しました。
なお、会計ソフトを使えば、現金出納帳に記入するだけで、仕訳帳や元帳などに自動的に転記してくれます。 会計ソフトも安く購入できるようになりましたので、検討する価値があります。
別記事で、会計ソフトの機能比較や経理業務の効率化の仕方などをまとめています。
【参考記事】 ・ 自営業の経理!ゼロから始める確定申告までの10の作業と便利ソフト
・ 白色申告のソフトを比較!おすすめなソフトはどれか
・ 個人事業主の経理処理と作業をラクにする4つの方法
・ 経理業務を効率化する!知らないと損をする9つの方法
・ freeeと弥生会計オンラインを比較!選ぶ前に知りたい3つの違い
・ freee、MFクラウドを比較!選ぶ前に知りたい3つの違い
500mailsのFacebookやTwitterでは小さな会社や個人の販促・運営に便利な記事を配信しています。
是非「いいね!」をして最新情報をチェックしてください
Writer/編集者: 松田康