カフェを開業するためには、どのような準備が必要なのでしょうか。
お店の名前を決める。物件を取得する。内装を工事する。メニューを検討する。豆や茶葉、食材を仕入れる。備品や什器をそろえる。開業届けを出すなど、様々な作業が発生します。
そこで、カフェを開業する前に、事前に準備したい作業をまとめました。
本記事では、カフェを開業するための12の作業手順と必要なものをご紹介します。
カフェの開業の準備リスト
カフェをスムーズに開業するために必要な手順や、必要なものをリストアップしました。
- 店名を決める
- メニューを検討する
- 物件を探す
- 開業届を出す
- 内装に関わる設備や備品を用意する
- 設計・施工会社に依頼する
- 什器や備品を購入する
- 豆や茶葉、食材を仕入れる
- 食器や消耗品を購入する
- 看板やチラシを作る
- スタッフを募集する
- ホームページとSNSで発信する
それぞれの手順をご紹介します。
1 店名
カフェをオープンするにあたり、お店の名前を決めます。ありがちな名前でなく、一度聞いたら忘れられないような新鮮なものを考えたいところです。
次の3つのポイントを守ります。
- 読みやすい名前にする
- 聞き取りやすい名前にする
- 由来を説明できるようにする
また、ネーミングの際には商標に注意します。同一エリアで、同じ名前のお店がないかを確認します。詳細は、特許庁のホームページで確認できます。
2 メニュー
カフェを開業するために、メニューを検討する必要があります。厨房はどうするか、器具はどうするかなど初期費用に大きな影響を与えるためです。
メニューを決めるときには、例えば、次のような手順で検討します。
- メニューを考える
- コストや手間などを考えて、絞り込んでいく
- 知人や友人に試食をしてもらい、感想を聞く
- メニューを決めて、レシピにまとめる
コストは、ドリンクなら原価率は10~15%、料理なら原価率は20~25%くらいと言われます。近くにある競合店の価格などを調べて、どの価格帯であれば売れやすいのかをチェックします。
3 物件
お店の立地は、お店の集客に大きな影響を与えます。また、簡単に変えることができないのも立地です。そのため、1年くらいかけて慎重に物件を選びます。
気になる候補地は、実際に歩いて、雰囲気や交通量、家賃相場などを調べます。どんな人が利用しそうか、周辺の施設などを、平日、週末、昼、夜に分けて、何回も足を運んで調べます。
4 開業届
お店を開業するときに忘れがちなのが、必要な資格の取得と営業許可の申請です。
1店舗に最低1人、食品衛生責任者、調理師、製菓衛生士、栄養士のいずれかの資格取得者が必要です。自治体や保健所などが開催する講習を受講すれば取得できますので、早めに申込みます。
飲食店の営業許可を取得するためには、次の4つのステップで申請します。
- 保健所へ相談(所轄の保健所へ相談。衛生基準に合致する設備等を確認)
- 既定の基準に合格する店舗を作る(図面をもって、保健所へ行きます)
- 申請書類の提出と検査日を決める(保健所に申請書類を提出し、検査日の相談)
- 保健所担当者が立ち合いで検査実施し、営業許可が下ります。
なお、創業時に必要な書類などは、中小企業庁のホームページにも掲載されています。
◆ 創業時に必要な届出書類
また、税務署に提出する開業届は税務署あるいは税務署のホームページで入手できます。
また、開業届を作成・提出するときには、無料で利用できるツールを利用するのも一つです。
クラウド会計ソフトのfreeeが提供するツールで、無料で開業届けを作成できます。基本的な情報を入力するだけで、開業に関する書類を作成してくれます。
【参考記事】 ・ 個人事業主の開業届の入手方法、提出先、期限(いつまで)、費用
5 設備や備品
内装に関わる設備や備品を洗い出します。
◆ 厨房に必要な設備と備品
- シンク・浄水設備
- ドリンク用機器
- 冷凍冷蔵庫
- 食器棚、器具保管庫
- 作業台
- 換気扇
- 製氷機
- ガスコンロ
- オーブン
- 電子レンジ
◆ 客席に必要な設備と備品
- テーブル
- 椅子・ソファ
- カウンター
◆ 会計・その他で必要な設備と備品
- レジスター
- ショーケース
- 電話・FAX
- パソコン
上記リストを参考に、どんな設備や備品が必要か洗い出しをして、置き場所やレイアウトをイメージしてみます。
なお、別記事で、タブレットやスマホのレジアプリに関する情報をまとめました。
【参考記事】 ・ エアレジとユビレジを比較!選ぶ前に知りたい5つの違い
・ エアレジとスクエアを比較!選ぶ前に知りたい5つの違い
さらに、今流行りのキャッシュレス決済、QRコード決済については、別記事でまとめています。
【参考記事】 ・ キャッシュレス決済サービスの比較とおすすめ32選!導入コスト、手数料
・ QRコード決済の比較とおすすめ10選!導入方法やコスト、手数料(比較表付)
6 設計・施工会社
物件が決まって保健所に営業許可の相談をすると同時に、設計・施工会社を選びます。
レイアウトを決めつつ、設計図を作成してもらいます。その設計図を保健所の担当者にチェックしてもらい合格をもらえるまで作り直します。設計図が完成したら、施工業者に依頼をします。
設計・施工会社にも得意分野があるため、カフェの経験が豊富な業者に依頼をすることがポイントです。できれば、その設計事務所が手掛けたカフェに実際に見に行って確認をしてみます。
7 椅子やテーブル、調度品
インテリアはお店の雰囲気を決定づけるため、家具選びはカフェ作りの醍醐味です。椅子やテーブル・調度品の買い方を4つほど洗い出しました。
◆ 購入方法
- 街のショップ(量販店、ホームセンター)で購入する
- リサイクルショップなどで購入する
- インターネットを利用する
- リース会社を利用する
4つほど方法がありますが、実際に手にとってその使い勝手を判断するのが一番です。
もちろん、初期投資を抑えるために、リースを利用する方法もあります。ただし、長く使えば割高になる場合もあります。
8 豆や茶葉、食材
お客様に満足頂ける料理を提供するためには、仕入れが重要です。地元の業者から仕入れるのか、あるいは専門の業者から仕入れるのかなどを検討する必要があります。
仕入れ先を見つけるには、次の5つの方法があります
- 地元のスーパーなどで仕入れる
- 卸売市場・大手業者から仕入れる
- 産地の農家へ出向いて仕入れる
- カフェオーナーなどの知り合いから紹介してもらう
- インターネットで探す
地元のスーパーで仕入れる方法であれば、自分の目で鮮度が確かめられます。また、卸市場であれば安く大量に仕入れられます。ただ、少量の仕入れができないことが多いです。
なお、保存のきく加工食品などは、インターネットやカタログ通販を利用する案もあります。
【参考記事】 ・ 仕入れサイト・卸売サイトの比較!おすすめの15のサイトをご紹介【個人可】
9 食器や消耗品
食器やカトラリー、ペーパーやペーパーフォルダーなどの必要な備品や消耗品を準備します。のちのち補充がしやすいように、安定した購入先を見つけておくことが大切です。
食器については、満席になった場合の人数と予備の分で準備をします。業務用の食器を扱う専門店であれば、まとまった数をそろえやすくなります。
消耗品の一覧をリストアップしました。抜け漏れなく準備を始めます。
◆ 消耗品
- 食器
- カトラリー
- 紙ナプキン
- コースター
- ストロー
- おしぼり
- トレイ
- メニュースタンド
- 伝票
- 傘立て
- 時計
- ラップ
- 衛生手袋
- ペーパータオル
- まな板
- トイレットペーパー
- 掃除道具
- 観葉植物
- 花瓶
- ゴミ箱
- 固定電話・FAX
- 懐中電灯(停電や清掃用)
10 看板やチラシ、ショップカード
看板や、チラシ、ショップカードなどを作ります。自分のセンスとお店のコンセプトを表現して、お店をアピールします。
お店の看板を作るときには、どのようなアピールをするのか考えます。
- 屋上看板 (遠くからでも気付く)
- 壁面看板 (店名の看板など)
- そで看板 (歩行者向けにアピール)
- スタンド看板 (店舗の入り口などに設置)
また、チラシを作るときには、その作り方や送り方を別記事でまとめています。
【参考記事】 ・ チラシの作り方!客を集めるチラシを作る3つのポイント
・ 反響のでるチラシを作る!テンプレートを上手に使うコツ
・ ダイレクトメールのデザインに必要な5つの知識
・ ダイレクトメールの書き方!お客様の心をつかむ5つの方法
11 スタッフの募集
カフェを開業するにあたり、スタッフの採用を計画します。採用計画を作るときには、次の3点を検討します。
- 店舗の規模はどの程度になるか。
- スタッフの役割分担をどうするか(キッチン・ホール)
- スタッフの働き方はフルタイムかパートタイムか
そのうえで、求人サイトに募集情報を登録して、採用をします。採用をするときには、どの程度の費用がかかったか、そこで何人採用できたかを記録しておきます。
カフェの求人サイトをまとめました。
- Latteco (カフェ・レストランの求人サイト)
- Cafend Job (カフェで働きたいを応援するサイト)
12 ホームページとSNS
ホームページやSNSを利用して情報を発信します。ホームページはお店の雰囲気やメニュー、営業時間、アクセスなどを具体的に伝えます。
また、SNSにお店のアカウントをつくり、開店に向けてお店を作り上げていく様子などをアップすることで、オープンを盛り上げることもできます。
飲食店のホームページの作り方は別の記事でまとめています。
【参考記事】 ・ 飲食店のホームページの作り方!初心者でも無料で作れる方法
また、口コミサイトにも登録し、アピールします。無料で登録・アピールできるので、ぜひ登録してください。
さらに、テイクアウトやデリバリーを受付ける場合には、無料で利用できるアプリが便利です。機能や料金について別記事でまとめています。
【参考記事】 ・ テイクアウト・デリバリーアプリおすすめ7選を比較!(店舗向け)
まとめ
本記事では、カフェを開業するための流れを12のステップに分けてご紹介しました。なお、飲食店の開業前のチェックポイントや開業費用について別記事でまとめています。
【参考記事】 ・ 飲食店の開業前のチェックリスト!失敗しないための31のポイント
500mailsのFacebookやTwitterでは小さな会社や個人の販促・運営に便利な記事を配信しています。
是非「いいね!」をして最新情報をチェックしてください
Writer/編集者: 松田康